事実は小説より奇なりとも言いますが、スポーツの世界でも、常識的にはとてもありえないはずの出来事が起こっています。
ここではスポーツの長い歴史の中で唯一無二の記録をご紹介します。
野球の珍記録
日本のスポーツの中でも高い人気を誇る野球は、珍記録の宝庫。信じられない出来事がたくさん起こっています。
キャッチャーライナー
日本のプロ野球でただ一度だけ、キャッチャーライナーが記録されています。キャッチャーライナーとはいったいどういう状況か、想像できない人がほとんどではないでしょうか。
この珍事が起こったのは、1965年の巨人対広島戦です。巨人の瀧安治選手が放った打球が広島の安仁屋宗八投手の膝を直撃。跳ね返ったボールを久保祥次捕手がノーバウンドでキャッチしたため、キャッチャーライナーとなりました。
代走満塁ホームラン
一般的に代走の選手は足の速さを生かして起用されるもの。しかし代走満塁ホームランという記録を持つ選手が、日本のプロ野球に一人だけいます。それは巨人の松本匡史選手。
トレードマークの青い手袋から「塁間の青い稲妻」と言われるほどの俊足で、年間76盗塁というセ・リーグ記録も持っている人です。ルーキーイヤーの1977年6月13日、9回表に代走で出場したところ、そこから巨人が打者一巡の猛攻。代走松本選手が二死満塁でそのまま打席に入ることになりました。
彼は長距離バッターではなかったのですが、ジャストミートした打球はそのまま左翼席に。日本プロ野球史上唯一の代走満塁ホームランという記録になりました。
NBAのすごい得点記録
バスケットボールの最高峰であるNBAでは、1試合に1人が60得点を達成すれば偉業と言われます。ところが60得点を大きく超える記録を持つ選手も存在するのです。
1試合100得点
1試合で個人が入れた最高は、なんと100得点。2位のコービー・ブライアンとの記録が81得点ですから、いかに圧倒的な記録であるかが分かります。
達成したのは、ウォリアーズのウィルト・チェンバレン選手。彼は歴代1位の100得点以外にも、78得点を一度、73得点を二度達成した怪物です。
しかし一方で、100得点があまりに突出しているのも事実。今では絶対に出ないと言われているこの記録は、実はいくつかの偶然が重なって達成されたと言われています。
まずは試合の背景。1962年3月2日のこの試合でウォリアーズは残り5試合で2位の位置につけていました。一方、対戦相手のニックスは最下位。実力とモチベーションの差は歴然でした。さらにニックスのセンターが二日酔いで欠場。
代わりの選手はチェンバレンに全く歯が立たないルーキーでした。しかもこの日は遠征で、設備の古いスタジアムで試合が行われました。リングが弱っていて、当たったボールが大きく跳ねないというラッキーな状況。
チェンバレンはフリースローを苦手としていたのですが、下手投げでフリースローを行なったところ、32本中28本も決まってしまいました。
1試合100得点は、まさに奇跡の記録なのです。
フリースローなしで50得点
一方でフリースローを一本も使わず1試合50得点という史上初の記録が2021年に生まれました。
その選手はナゲッツのジャマール・マレー。フィールドゴール21本を成功させ、そのうち8本は3ポイントシュート。試合後にフリースローなしの50得点はNBA史上初と聞いて、初めてその偉業に気づいたそうです。
マラソンの最高記録
マラソンの最高と言っても速い方ではなく、最も遅い方の公式記録は日本人が持っています。なんと54年8ヶ月6日5時間32分20秒3。記録保持者は金栗四三選手。1912年のストックホルムオリンピックで達成しました。
この大会では高温のため、マラソン選手の約半数が途中棄権。金栗選手も途中で倒れ、沿道の家で介抱されたのですが、棄権の届けが運営側に届いていなかったのです。
1967年にその事実に気づいたスウェーデンオリンピック委員会は、彼を55周年式典に招待。金栗はスタジアムを走ってゴールテープを切りました。それが公式に認められ、54年というとんでもないマラソン記録となったのです。
女子が唯一男子より上の世界記録
陸上競技の様々な世界記録は、どれも男子の方が女子よりも上となっています。しかしその中に唯一、女子の方が勝っている記録があります。
それは円盤投げ。円盤の重量は女子の方が軽いため記録が伸びやすいという面もありますが、とてもそれだけでは説明できないのです。
女子円盤投げの世界記録は76メートル80。男子の世界記録74メートル08より2メートル72センチも長い記録です。この記録が出たのは1988年。女子の歴代トップ10は全て1980年台の記録です。一方で近年の女子円盤投げの記録はずっと70メートルにも届いていません。
これはなぜでしょうか。実は当時はドーピングの抜き打ち検査がなく、筋肉増強剤を使い放題だったという証言があるのです。76メートル80は「永遠に抜くことができない記録」と言われ、この頃の記録は抹消すべきだという声も。これは困った記録だと言えそうです。
まとめ
稀に前代未聞の記録が生まれるのもスポーツの醍醐味。真剣勝負の中で飛び出す記録、予想の斜め上をいくものにも期待したいものです。
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参考
http://g-times.jp/chinkiroku/
https://news.yahoo.co.jp/articles/89e4f3b1fcdb1f1be09ab33094367eca0fe52c5f?page=1
https://www.news-postseven.com/archives/20120724_131102.html?DETAIL
https://maruhon38.net/archives/60883
https://web.quizknock.com/gorin_chinjiken
http://rikujo.taiiku.tsukuba.ac.jp/column/2013/08.html
http://olympico.cocolog-nifty.com/olympic_plus/2016/01/post-48a6.html