プロ野球・千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希(ささきろうき)投手が、つい先日の2022年4月、28年ぶりとなる「完全試合」を達成し、日本中に衝撃を与えました。しかもプロ野球新記録となる13打者連続奪三振で、合計19奪三振もプロ野球タイ記録という、まさに圧巻の投球内容でした。
そこで今回は、プロ野球歴代投手の「連勝記録」「奪三振数」「勝利数」「防御率」について取り上げます。
プロ野球・個人の連勝記録
まず最初に、プロ野球投手の連勝記録からみていきましょう。
通算連勝記録
シーズンをまたいだ通算での連勝記録は「マー君」こと、現在楽天イーグルスに所属する田中将大投手が、平成24年から平成25年にかけて楽天在籍中に記録した28連勝が圧倒的です。
2012年の終盤に4連勝した後、2013年にはなんと24連勝無敗のままシーズンを終了し、その後MLB(米国メジャーリーグ)へと転進しました。
現役の投手ではオリックスの山本由伸投手が、昨年(2021年)から続く18連勝としていましたが、今年4月19日のソフトバンク戦で敗戦投手となり、残念ながらストップしました。
その他の歴代投手では、巨人の松田清投手と西鉄ライオンズの「神様・仏様・稲尾様」と呼ばれたレジェンド・稲尾投手の20連勝、阪神タイガースの御園生投手、巨人のスタルヒン投手、阪神の中田投手、そして山本投手の18連勝が続きます。
開幕連勝記録
こちらも前述の田中投手が記録した24連勝(無敗)が空前絶後の記録として燦然(さんぜん)と輝いています。
その他の開幕からの連勝記録は、ソフトバンクの斉藤和己選手(2005年)と日本ハムの間柴投手(1981年)の15連勝があります。
連勝記録は、投手本人の実力ももちろんですが、チームの勝利が条件なので、その時のチーム力なども影響するため、そう簡単に達成できるのではありません。
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プロ野球・個人の奪三振記録
プロ野球の魅力は、投手の奪三振と打者のホームランといわれます。
続いて、投手の魅力である奪三振数についてみていきます。
通算奪三振
通算の奪三振記録をみると、「カネやん」こと、国鉄スワローズから巨人へ移籍した金田正一投手の4,490がトップです。
これに続くのが「豆タンク」こと阪急(他)・米田哲也投手の3,388、「精密機械」阪神~ロッテの小山正明投手が3,159、近鉄の大エース・鈴木啓示投手の3,159、そして阪神ほか複数球団で数々の伝説を生んだ江夏豊投手の2,987となっています。
シーズン奪三振
通算ではなく、ある時期に圧倒的な光を放った「シーズン奪三振」記録をみると、上述の江夏投手が1968年に記録した401が他の投手を圧倒しています。
以下、稲尾投手の353(1961年)、金田投手の350(1955年)と続き、更にまた江夏投手の340(1970年)、そして南海の杉浦忠投手が1959年に336を記録しています。
シーズン奪三振の多くは1950~1960年代に記録されており、投手の分業制や球数制限が進んだ現代ではほとんどの投手が顔を出せていない、大記録の数々です。
連続奪三振
1試合での連続奪三振は、冒頭に示した佐々木投手の連続19がプロ野球タイ記録で、阪急の野田浩司投手が1995年に達成した記録に並んでおり、これに続くのが楽天・田中投手の18(2011年)です。
連続打者となれば、佐々木投手の13が圧倒的であり、それ以前には阪急・梶本隆夫(1957年)と東映・土橋正幸投手(1958年)の9がそれまでの最高記録でした。
プロ野球・個人の勝利数
プロ野球投手の勲章といえば、奪三振と並んで勝利数が大きな指標となります。チームの勝利への貢献度を直接示し、また個人の実力を測る指標として重要となるのが勝利数です。
通算勝利数
通算での勝利数は、奪三振と並んで金田投手が君臨しており、20年にわたる現役生活で400勝ちょうどの大記録を誇っています。
続いて、こちらも米田投手の350(現役22年)、小山投手の320(同21年)と、歴代トップ3は奪三振と同じ顔ぶれになっています。
4位が鈴木投手の317(同20年)、5位が南海~巨人の別所毅彦投手(同19年)でこれに続きます。
ちなみに、「名球会」資格(昭和生まれなどが条件)である、通算200勝を挙げた投手は24名となっています。
シーズン勝利数
「一瞬の煌(きらめ)き」でファンを魅了した、シーズン勝利数をみると、稲尾投手(1961年)と巨人・スタルヒン投手(1939年)の42が最高記録です。
これに、大洋・野口二郎投手(1942年)の40、松竹・真田重男投手(1950年の)39、スタルヒン投手(1940年)と杉浦投手(1959年)の38が続いています。
こちらも奪三振同様、古い年代の記録が中心で、現在の投手起用からは考えられない記録の数々です。
プロ野球・個人の防御率
奪三振や勝利数と異なり、純粋に投手個人の力量・能力を表すのが防御率です。
こちらはチームの勝敗に関係なく、投手が「実際に試合に投げて何点取られたか(=例えば防御率1.00なら、9回完投して1失点)」という目安を示すもので、エラーなどでの失点はカウントされないため、公正な指標といわれています。
なお、基準としては規定投球回数(=シーズン試合数)を満たすことが条件です。
通算防御率
防御率の上位記録は、いずれもかなり古い年代のものばかりです。
その背景として、ボールの質も悪く飛ばない「投高打低」の時代だったことが挙げられます。なお、順位は通算投球回数2,000以上を対象としています。
トップは巨人の藤本英雄投手で、1.90(1942-1955年)という素晴らしい記録ですが、藤本投手は通算200勝も達成しています。
次いで野口二郎投手の1.96(1939-1952年)、稲尾投手の1.98(1956-1969年)、阪神タイガースの初期を支えた名投手・若林忠志の1.99(1936-1953年)までが通算防御率1点台で、スタルヒン投手の2.08となります。
シーズン防御率
シーズン防御率でもトップは藤本投手の0.73(1943年)と、1試合完投して1点も取られない数字が驚異的です。
続いて初期タイガースのレジェンド・景浦将投手の0.79(1936年秋)、伝説の名投手・巨人の沢村栄治投手の0.81(1937年春)、野口投手の0.88(1941年)、そして朝日軍・林安夫投手の0.887(1943年)と続きます。
まとめ
今回は、名だたるプロ野球名投手の輝く記録についてみてきました。現在では考えられないような記録が多く、現役投手がどこまで迫れるか楽しみです。
マー君こと田中投手、オリックスの山本投手や、今をときめく佐々木朗希投手をはじめ、多くの投手に是非期待したいものです。
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