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【ゲーゲンプレス】意味や種類について徹底調査!

ゲーゲンプレスはサッカーの戦術の一つ。
サッカーにはたくさんの戦術があり、近年の主流となっているのは、細かいパスをつないでボールの支配率を上げつつ攻撃するポゼッションサッカーです。
これに対抗する戦術の1つが、ゲーゲンプレス。
ではゲーゲンプレスとはどのような戦術なのでしょうか。
今回は、ゲーゲンプレスを特集。
ゲーゲンプレスの意味や種類について解説します。

【ゲーゲンプレス】とは

【ゲーゲンプレス】意味や種類について徹底調査!①
そもそもゲーゲンプレスとはどういう意味なのでしょうか。
まずは言葉の意味と歴史からご紹介します。

ゲーゲンプレスの意味

ゲーゲンプレス(gegen press)の「ゲーゲン」はドイツ語で「対する」という意味。プレスは英語で、サッカーでよく使うプレスのことです。
つまり対プレスという意味。これを英語に訳した「カウンタープレス」という言葉もよく使われます。

【関連記事はこちら】⇩
【サッカー】プレスとは?種類や使い方についても詳しく解説!

ゲーゲンプレスの基本

ゲーゲンプレスを簡単にまとめると、ボールを失ったときに即座に激しくプレッシャーをかける守備戦術という意味。
ボールを奪われたらだいたい5秒以内に奪い返すことを目的に動きます。

ゲーゲンプレスの歴史

ボールを奪われたら即座に奪い返すという考え方は、1970年代には存在していた戦術。
しかしそのコンセプトは理解されていても体力の消耗が激しいため、その後ほとんど消滅していました。
ところが2000年代に入ってボルシア・ドルトムントのユルゲン・クロップ監督がゲーゲンプレスの戦術を洗練させたことで復活
ブンテスリーガの2010ー2011シーズンと2011ー2012シーズンに連続優勝したことで、ゲーゲンプレスは一気に注目を集めることになったのです。

【ゲーゲンプレス】原則

【ゲーゲンプレス】意味や種類について徹底調査!②
ゲーゲンプレスは、相手ゴール近くでプレッシングを受けてボールを奪われた瞬間に、強烈な逆プレスをかけて奪い返す戦術
高い位置でカウンター的にボールを奪うため、ゴールを決めやすくなるという特徴があります。
相手のボールをすぐに奪い返すのは難しそうですが、ゲーゲンプレスは論理的な戦術でそれを実現しているのです。

わざと奪わせる

ゲーゲンプレスではこちらが攻めているときにわざと相手に奪いやすい状況を作ります
こちらの攻撃に対して相手にプレッシングさせることが目的。
そして実際にボールを奪わせます。

奪われることを想定したポジショニング

ゲーゲンプレスを行うチームの選手は、最初から前線の味方が相手にボールを奪われることを想定したポジショニングをしています。
重要なのは現在の攻撃よりも、次にボールを奪い返すことなのです。

攻守の切り替え

攻守の切り替えの速さがゲーゲンプレスの大きな特徴。
一般的には攻撃中にボールを奪われたら、自陣に戻りながら陣形を整える戦術が一般的です。
しかしゲーゲンプレスでは最初から相手にボールを奪われることを想定したポジションについているため、ボールを奪われた瞬間、一気に攻撃から守りに切り替えることができます。
そして組織的なプレッシングを行い、すぐにボールを奪い返すのです。
このとき、罠にかかった相手チームはまだ攻撃に転じて前に向かっています。

一気にゴールへ

ボールを奪ったら、プレッシングの勢いのまま、多くの選手が次々に飛び出して一気にゴールを目指します。
相手はまだ攻撃に向かう勢いで前のめりになった状態。
その間にディフェンスの隙を与えずにゴールに攻め込むのです。

長い縦パスを使う

ポゼッションサッカーでは細かいパスを繋いでビルドアップし、相手陣地にボールを運びますが、ゲーゲンプレスでは長い縦パスも多用します。
長い縦パスは相手に奪われる可能性が高いもの。
しかしゲーゲンプレス戦術ではそれを逆手に取り、相手ゴール付近で相手にボールを奪わせてから、即座にプレスをかけて奪い返すのです。
選手たちは縦パスを出す前からボールを失うことを前提としたポジションを取り、相手がボールを持った瞬間にプレッシャーをかけます。

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【ゲーゲンプレス】種類

【ゲーゲンプレス】意味や種類について徹底調査!③
ゲーゲンプレスのプレッシングには、4つの種類があります。
選手たちはその戦術の意味を理解して動かなければなりません。

マンマーク型

マンマーク型はマンマークで相手についてボールを奪うもの。
ボールを奪われた直後にボールの近くにいる選手がプレッシャーをかけます。
同時に他の選手はマンマークにつき、プレッシャーを回避しようとした相手選手がパスを出したところで奪い返すのです。
マンマーク型はリスクが小さい戦術ですが、1人でもマークを剥がされてしまうと崩壊してしまいます。

ハイプレッシャー型

ハイプレッシャー型はボールを奪われた直後に、相手の近くにいる選手が一斉にそのエリアにプレッシャーをかけてボールを奪うもの。
クロップ監督が取り入れたのはこのタイプで、周囲を取り囲むことでボールを奪いやすくなります。
ただしボールを持った選手以外のマークを外すことになるため、うまくパスを通されるとピンチを招いてしまうのが弱点です。

パスカット型

パスカット型はボールを持った相手選手ではなく、パスコースを防ぐ戦術。
相手選手にプレッシャーをかけるのではなく、パスコースを限定してこちらの狙った場所にパスを出させることで奪い返します。
このタイプは激しいプレッシャーをかけないため体力の消耗が抑えられるのがメリット。
ただしポジショニングを間違えると成立しなくなってしまうため、高度な戦術眼が求められます。

ボールホルダー制圧型

ボールホルダー制圧型は、現在では行われなくなったもの。
1974年ワールドカップでオランダ代表がとった戦術で、ボールを持った相手選手に周囲の選手が一斉に襲い掛かり、後のことは考えないという作戦でした。
ある意味、サッカーを習っていない小学生がボールに群がるようなもの。
しかし当時はこの作戦が十分に通用したそうです。

【ゲーゲンプレス】メリットとデメリット

【ゲーゲンプレス】意味や種類について徹底調査!④
ゲーゲンプレスは高度な戦術ですが、メリットとデメリットをしっかり理解して行う必要があります。
ではゲーゲンプレスにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

ゲーゲンプレスのメリット

相手陣の高い位置でボールを奪えば高速カウンターとなるのが最大のメリット。
ボール奪取に成功すれば、1つのパスでゴールに直結することができます。

ゲーゲンプレスのデメリット

ゲーゲンプレスは前線で多くの人数がプレッシングをかける戦術。
そのためもし突破されてしまうと、その後のディフェンスは人数的に不利な状態になってしまいます。
また攻撃陣にとっては休む間がない戦術なので、疲れて運動量が落ちてしまうと機能しなくなるのもデメリット。
トップの選手にはかなりのスタミナが必要になります。

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まとめ

相手陣内で奪われたボールをすぐに奪い返してゴールにつなげるゲーゲンプレスは、ある意味では理想的なサッカー戦術だといえます。
しかし実現するためにはチーム全体が戦術を理解して正しくポジショニングできることが必須。
また攻守を即座に切り替えて相手ディフェンスに厳しいプレスをかけられる速さと強さ、スタミナを持った複数のトップも欠かせません。
条件が揃ったとき、日本にもゲーゲンプレスを駆使する強豪が現れるかも。
そのようなサッカーもぜひ観てみたいものです。

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