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セカンドキャリアではなく「1.5キャリア」|スポーツ選手に新たな選択肢を

輝かしい活躍をしてきたスポーツ選手のセカンドキャリアが社会課題となっている今、新たな取り組みに挑戦しているクラブがある。
品川エリアを中心に活動している総合型地域スポーツクラブ『品川CC(カルチャークラブ)』だ。
サッカーチーム『品川CC横浜』『品川CCセカンド』を始め、2019年からは3×3バスケットボールチーム、2021年からは社会人チアダンスチームを展開している。

【品川CC代表吉田さん、インタビュー1回目の記事はこちら】⇩
【1.5キャリア】【新たな収入の柱】新しい挑戦を続ける品川CC

代表の吉田祐介さんは、スポーツ選手のセカンドキャリアについて「多くのスポーツ選手は引退後、いきなりサラリーマンになります。
その間の選択肢がとても少ない。大人になってからスポーツを本気で楽しめるのはプロ選手だけではないと思うんです。
スポーツ選手だけが道じゃない、仕事だけが人生じゃない、仕事もサッカーも全力で楽しむという選択肢を広めていきたい」と話す。

そんな思いを実現している品川CC。クラブの成り立ちとなったサッカーチームについて主に話を伺った。

【吉田祐介(よしだゆうすけ)/品川CC代表】
学生時代に「品川CC」、サッカー好きを集めたサッカー団体「infinity」を創設。「すべてはスポーツのために。仕事もサッカーも全力」をモットーに活動を続けている。

インタビュアー・文:高須啓睦

好きな本業と両立しながら、本気でサッカーに取り組める環境を

品川CCのサッカーチーム『品川CC横浜』『品川CCセカンド』は神奈川県サッカーリーグに所属する社会人サッカーチーム。
神奈川県社会人サッカー1部リーグや神奈川県社会人選手権で優勝し、全国大会出場権も獲得するなど活躍を続けている。

所属する選手は、元プロサッカー選手から学生までの45人。
トライアウトでスカウトした選手や、毎年開かれているセレクションを通過した選手が加入している。
セレクションは厳しく、毎年30人から40人ほどのサッカー経験者が受け、加入できる選手は2、3人という狭き門。

プロと同じく施設の使用料や試合の遠征費、ユニフォーム等の費用はクラブが負担しており、一部選手にはサッカー給の支払いもあるという。

吉田さん―
「選手たちは好きな仕事や学業を自由に行いながら、サッカーにも本気で取り組んでいます。本気でサッカーに取り組めるいい環境やいい待遇を提供できるクラブを目指し、“スポーツを副業にする”という新たな道を確立していきたいと思っています」

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最近では、大学のサッカー部に入らず品川CCと契約する学生もいるという。
大学サッカーでは、サッカーを続けるためにお金がかかるという課題があるが、品川CCでは好きな大学で好きな勉強を続けながらお金をかけずにサッカーに取り組める環境が用意されている。

“本業もサッカーも全力で!”をモットーに、選手たちは本業に全力を注ぎながら、サッカーにも全力で取り組んでいる。

「無理してのJリーグ参入は目指していません」

Jリーグ加入を目指して活動している社会人チームも多い中、品川CCが目指しているのはJリーグ加入ではなく、地域にとってなくてはならない“インフラ”のような存在である。

クラブのコンセプトは“人と人を結ぶ・人と街を結ぶ・スポーツとビジネスを結ぶ”など、何かと何かを結ぶ『橋』だ。Jリーグに参入しなくても、人や地域を結ぶ橋となり、地域に密着してできる活動はたくさんあると吉田さんは話す。

吉田さん―
「今はコロナ禍で思うような活動ができていませんが毎月1度、地域の清掃活動に参加したり、地域のイベントが行われる時はお手伝いをさせていただいたりと、いろんな形で地域に密着した活動を行ってきました。
Jリーグに参入していなくてもユニフォームを購入して応援に駆けつけてくれるサポーターの方もいて、感動したことを覚えています。
品川CCは地域になくてはならないような、“インフラ”のような存在を目指しています」

無理してプロを目指すのではなく、スポーツと本業を楽しみながら“地域にとってなくてはならない存在”を目指している。

スポーツ選手のセカンドキャリアにむけた助走期間

スポーツ選手のセカンドキャリアが社会課題になっている理由の一つに、引退後すぐに仕事で力を発揮することが難しいという問題がある。
自主的に引退した選手に関しては、セカンドキャリアを考える時間やセカンドキャリアに向けて準備する期間があるが、すべての選手がそうではない。

吉田さん―
「多くのスポーツ選手は引退後サラリーマンになりますが、今までサッカーに全力を注いできた選手がいきなり仕事で100パーセントの実力を発揮するというのはなかなか難しいと思います。セカンドキャリアを目指す選手たちの助走期間の場としても、1.5キャリアは必要だと考えています」

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これまでと変わらず全力でスポーツに取り組みながら、セカンドキャリアへの準備をする助走期間としても、“1.5キャリア”は選手たちにとって大切な場である。

サッカーだけでなく様々なスポーツチームを

品川CCはサッカーを軸に成長を続けてきたが、2019年に3×3バスケットボールチームを、2021年にチアダンスチームをと新たなスポーツの展開も始めている。

今後様々なスポーツでも『1.5キャリア』の確立を目指している。

吉田さん―
「僕はサッカーが好きで、生活の一部でした。でもよく考えてみたら、それが野球だったりバスケだったりそれは人それぞれなんですよね。
前職の仲間たちと話している時、俺はこのスポーツでやりたい、私はこのスポーツでやりたいという話が出てきたんです。
それならみんな品川に集まろうと始まったのが、3×3バスケットボールとチアダンスのチームです」

2022年5月23日にはアメリカンフットボールのチームが、新たに品川CCへ合流するとリリースが出た。
サッカーだけでなくそのほかのチームに関しても、“本業も仕事も全力で”というコンセプトは変わらない。
本業もスポーツも全力で取り組めるクラブとして、セカンドキャリアではなく『1.5キャリア』として、これからも挑戦を続けていく。

【品川CC代表吉田さん、インタビュー1回目の記事はこちら】⇩
【1.5キャリア】【新たな収入の柱】新しい挑戦を続ける品川CC



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高須啓睦

高須啓睦

フリーアナウンサー(元NHKキャスター)

学生時代は陸上部で毎日走り込んでいました。主な種目は100mハードルでした!最近はゴルフとキャンプにハマっています。スポーツは見るのもするのも大好きです!

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