スポーツを教える人間として、最も身近な存在の一つが学校体育の先生ではないでしょうか。
運動部系の部活動に所属したことのある人ならば、サッカー部や野球部に専門の監督やコーチがいて、いろいろと教わったことがあるという人もいることでしょう。
サッカークラブなどで、元プロ選手や、長くサッカーに携わってきた経験のある人に指導を受けたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
自分でスポーツ選手になれなかったけれどスポーツに関わる仕事がしたい、あるいは自分でスポーツをするよりも誰かにスポーツを教える仕事をしたい。そのような人ならば、一度はスポーツを教える教員やコーチの道を考えたことがあるかもしれません。
今回は、スポーツを教える教員・コーチに必要な資格とは?そして心構えとは?そちらについて解説いたします。
スポーツを教える教員・体育教師になるには?
小学校、中学校、高校。子供達の健康を守り、適切な運動のやり方を教えるにあたり、学校の体育の先生という存在は欠かせないものと言っても過言ではありません。
しかし、他の国語や算数を教える先生とは違い、外で子供達と一緒に体を動かすことも少なくはないのが体育の先生です。「単純に頭がいいだけ、話が上手いだけではできなさそうな仕事だ」「体育の先生は運動神経や体力も求められそう」なんてイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。
体育教師になるにあたり、必要な資格は他の先生とあまり変わりありません。具体的に言えば、体育教師になるのに必要な資格は、教職課程のある大学や短大・専門学校に進むことで得られます。
必須である教員免許(保健体育)を取得して、自治体や私立学校の教員採用試験に合格することにより、体育の先生になることができるのです。
先生になるためには、教育学部に行かなければならないと思っている人も多いと思いますが、教職課程が設置されている四年制大学・短期大学ならば必ずしも教育学部である必要はありません。
ただし、中学校の先生になるか、高校の先生になるかなどによって進むべき進路が変わってくることになります。
例えば中学校の先生ならば四年制大学と短期大学のどちらでも教員免許の取得ができますが、高校の先生になりたいならば四年制大学に進学することが必須となります。
また、中高一貫校の先生になる場合は、中学と高校両方の教員免許が必要になるので注意が必要です。所定の単位を修得した上で各都道府県の教育委員会に申請することにより、教員免許を取得することができます。
ちなみに何故四年制大学に行く必要がある・なしになるのかというと、取得できる免許の種類が変わってくるためです。
教員免許には一種免許状、二種免許状、専修免許状とあり、四年制大学を卒業した時に得られるのが一種免許状になります。教員として活躍している人の殆どが取得しているのがこの一種免許状。
幼稚園・小学校・特別支援学校・養護・栄養の他に、中学校・高校はさらに教科ごとに校種が分かれています。ちなみに、二種免許状が短期大学卒業で、専修免許状が大学院の修士課程を修了した人が得られる免許になっています。
スポーツを教えるのは教員だけじゃない!運動部系のコーチになるには?
では、学校の先生ではなく、コーチとして子供達を指導する立場になるにはどうすればいいのでしょうか。
外部コーチとして雇われる場合、あくまで学業を教える立場ではないので、教員免許は必要になりません。よって、学校の先生の資格がなくても、仕事をすることは可能です。
ただし、コーチになるには意外にも“過去の経歴”と“人脈”が大きなカギを握ることになります。というのも、「子どもたちにスポーツを教えるならば何よりもまず信頼に足る人に頼みたい」と考える学校関係者が非常に多く、ネットの募集などで見ず知らずの他人を雇うことが極めて少ないからです。
過去の経歴が大事、というのは過去スポーツで大きな功績を上げた人ならば、募集するまでもなく声がかかる可能性が少なからずあるということ。
そして人脈というのは、スポーツの豊富な経験のみならず「この人は信頼できる」と思われるようなネットワークを持っているほど、依頼が来やすい傾向にあるからと言えます。
特にサッカー界の場合、指導力というより信頼や繋がりで監督就任が決まったりすることが本当に多いとのこと。本気で指導者の立場を目指すのであれば、先生が集まる会や、目指すスポーツのコーチが集まる会には必ず参加したほうが良いそうです。
スポーツを教える教員やコーチに大切なこと
では、スポーツを教える教員やコーチには、どんな人が向いているのでしょう?どんなことが大切と言えるのでしょう?
体育の先生やコーチにしろ、子どもたちに運動を教えるわけですから危険はつきものです。子どもたちが安全を確保できるよう、正しい器具の使い方、運動の仕方をきちんと知識として学んでいなければなりません。安全管理を中心に最新の情報を常にインプット・アウトプットできるかどうかは非常に重要なことでしょう。
また、これは体育の先生に限ったことでもありませんが、子どもたちは勿論、その親御さんたちとも円滑なコミュニケーションが取れる能力は必須と言えます。
特に体育や部活動において、子どもたちの運動の得手不得手や身体能力の差、場合によっては障害や持病の有無にも配慮する必要が出てくることでしょう。
どの子ども達においても個性をしっかり認識し、平等に対応できる器量が求められるのは間違いありません。
「スポーツが得意だったから、運動が好きだったから体育の先生やコーチになりたい!」そう考えて、この職を目指す人は少なくないことでしょう。ただし、体育の先生の場合は特に、触れ合う生徒の全てが運動を好きでいるわけではなく、スポーツが苦手な子と触れ合う機会もあることでしょう。
運動の好きな子を応援し、運動が苦手な子の気持ちも想像して等しく寄り添う姿勢を見せること。それが何より、体育の教師、あるいはコーチとして必要な心構えと言えるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
多くの子ども達の未来を育み、共に成長していけること。何よりスポーツを教える教員やコーチは、一緒に体を動かしながら指導できるという魅力があります。
多くの子ども達にスポーツを教えると同時に、自身もたくさんの喜びを発見できるこの職業。
興味がありましたら、ぜひチェックしてみてください。
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