サッカーに打ち込んでいる少年少女とその親以外にはよく知られていない制度がトレセン。
一方でサッカー少年やサッカー少女にとってトレセンは憧れの言葉でもあります。
選抜されることが大きな意味を持つトレセンとはいったい何で、その選考基準や選出方法はどうなっているのでしょうか。
今回は、サッカーのトレセンについて調べてみました。
トレセンとは
そもそもサッカーのトレセンとは何のことでしょうか。
これは「ナショナルトレーニングセンター制度」の略。
日本サッカー協会が主催している制度です。
その目的は日本サッカーの強化や発展。そのためにトレセンは日本のユース育成の中心的役割を果たしています。
【関連記事はこちら】⇩
・【ジュニアユース】概要・練習頻度をご紹介!気になる合格率も解説!
・【スポーツ選手】 年収ランキングTOP5!世界・日本国内別に紹介
トレセンの仕組み
トレセンは選抜された選手たちが所属しているチームを離れて個人の技術を磨く場。男女別で、主に小学生高学年から高校生が対象となっています。
男子はU-12、U-14、U-16、女子はU-12、U-15、U-18と3つずつの年代に分かれていて、地区トレセンからスタート。監督やコーチの目に留まると47都道府県トレセン、9地域トレセン、ナショナルトレセンとレベルアップしていき、U-17などアンダー世代の日本代表を目指します。
このように各年代・地域ごとに数多くあるトレセンが優秀な人材を見逃さず、全国のサッカー少年少女を発掘、育成。将来の日本代表を作っていくのです。
トレセンの活動
一般的なサッカークラブの練習は週に2〜3回。また毎週のように試合があるクラブもたくさんあります。
一方トレセンの練習は最大でも月に2回程度。試合も月に1回あるかないかで、トレセンに選抜されてもメインの活動は所属するサッカーチームで続けることになります。
トレセンでは質の高い練習を行いますが、主に現状の課題を指摘し、修正するためのトレーニング方法を伝えるのが一般的。選手はその課題を持ち帰って各チームで練習し、その成果をトレセンで再びチェックしてもらいます。
また近隣の地区トレセンや都道府県トレセン同士でリーグ戦を行うこともありますが、ここでも主な目的は選手の育成で、優勝が目的とはなりません。
トレセンに選ばれるメリットとデメリット
トレセンのテーマは、将来日本代表選手となる優秀な素材を発掘し、良い環境、良い指導を与えることです。
各地のチームの優秀な選手は、自分より上手い選手と切磋琢磨する機会が少なくなりがち。そのような子どもがトレセンに集まることで刺激を受け、さらに成長が促されます。
また高いレベルの選手に囲まれ、優秀なコーチの指導を受けることで、自分の強みや武器に気づけるのもメリットです。
一方、選抜されたことで慢心し、成長が止まってしまう子どもがいることも事実。
トレセンでレベルアップできるかどうかは本人の心構え次第だと言えます。
トレセンの選考基準と選出方法
まずは市区町村単位の地区から始まるトレセン。
そのトレセン選考会にはいくつかのパターンがあります。
その選考基準と選出方法をご紹介しましょう。
地区トレセンの選考会
地区トレセンの選考会は応募した全員が参加できる地域もありますが、人口が多い地域では監督推薦による枠が決められているのが一般的。
選考会の方法も地区によってさまざま。
1次選考会で人数を半数程度に絞り、さらに2次選考会、最終選考と進むパターンもあれば、候補者を集めて何回かの練習会の中で絞るパターン、1回の選考会で決めるパターンもあります。
さらにその内容も、ゲーム形式のセレクションや、50m走、リフティングなどさまざま。
地域でどのような選考方式を採用しているか、早めに確認しておくのがお勧めです。
最低限の技術
選考方法や採点に関しては公表していない地区がほとんど。
しかし走力やパスの技術などさまざまな要素をポイント化している選考会もあれば、コーチ陣が目に留まった選手に投票して、その投票数で決める選考会もあるそうです。
選考方法について事前に情報を得られるようなら、それに合わせた練習をした方が良いかもしれません。
最低限の技術
小学生が対象の地区トレセンでは、最低限の技術として止めて蹴ることが求められると言われています。
つまり地区トレセンなら、基本的な技術をしっかり身につけていれば選抜される可能性はあるということ。
ただし他の子どもの技術レベルがより高い場合には、正確に止めて蹴るだけでは選ばれないことも多々あります。
選ばれやすい選手
トレセンの目的はチームを強くすることではなく、将来の日本代表を担う選手の発掘と育成。
テクニックも選考の際に重視されますが、それ以上に練習では身につきにくい走力が重要なポイントになると言われています。
また身体が大きいなどのフィジカル面の特徴も、将来性の高さとして評価されることに。
では選抜されるためには生まれ持った素質がなければ100%ダメなのかというと、そうとも限りません。
選考会ではコミュニケーション能力や自主性、積極性も観察されている可能性があります。
即席の代表チームで活躍するためには、伝える姿勢、聞く姿勢が重要。コミュニケーション能力が高い選手は良い評価を得やすくなります。
また試合では状況に応じて自分で最適な判断を下すことが大切。チームでは全てコーチに判断を委ねる子どもも大勢いますが、自分で考えて行動する姿勢があれば、プラスになります。
そして重要なのは、自分の強みをアピールできること。選考担当者の目に留まるよう、自分の優れた部分をしっかり見せられる積極的な子が選ばれやすくなります。
まとめ
サッカー日本代表への入り口でもあるトレセン。
チームでの練習をしっかり頑張っていれば、地区トレセンの門は極度に狭いものではありません。
地区トレセンを目指すなら、サッカーの技術だけでなく、ハキハキした挨拶や自主的で積極的な行動など、普段の生活習慣から気をつけると良いかもしれません。
【関連記事はこちら】⇩
・【サッカー】最高年俸TOP10!歴代の名だたるスーパー選手をご紹介
・【サッカー】ビッグクラブ一覧|所属した日本人もご紹介!