近年、羽子板で遊んでいる光景を目にすることは少なくなりました。
しかし、羽子板はスポーツ化されるなど、盛り上がりを見せています。
今回は正月定番の遊びである「羽子板」について紹介します。
この記事を読んで、ぜひ羽子板の魅力を知ってみてください。
羽子板(羽根突き)について
羽子板とは厳密にいうと「羽根突き」で使われている道具の名前のことで、バドミントンでいうところのラケットの位置付けです。
しかし、羽根突きよりも羽子板という名前が有名になり、「羽子板」が遊びの名前として定着していきました。
お互いに打ち合って遊ぶものとして、正月に女の子の遊びとして楽しまれています。
羽子板の由来
羽子板の由来は2つあると言われています。
1つは14世紀頃の中国にあると言われています。
当時、中国で行われていた遊びの1つで、羽根に硬貨をつけたものを蹴る遊びがあり、それが室町時代に日本へ伝わったとされています。
しかし、日本で羽根突き遊びが盛んになったのは、江戸時代になってからとされています。
もう1つは、7世紀頃から宮中で行われていた「毬杖(ぎっちょう)遊び」が由来という説もあります。
毬杖遊びは先がヘラのような形をした杖である「毬杖」で毱(まり)を打ち合うといった遊びです。
この毬杖が変化して羽子板となったとされています。
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羽根突きの道具の名称
・羽子板
羽子板は胡鬼板(こぎいた)とも呼ばれています。
コギノキという木は、その種子が羽根突きの羽に形が似ているということから「突く羽・衝羽根(ツクバネ)」と名付けられました。
羽子板には飾る用と遊ぶようでは形が異なり、飾る用は女性の木目込み人形や絵などで豪華に見えるように作られています。
・羽根
木製の小球で、元々ムクロジの種子に数枚の鳥の羽根を差し込んだものを使用しており、羽子とも呼ばれています。
このムクロジは「無患子」と書き、「子供が患わ無い」という意味として、子供のお守りとして珍重されているものです。
羽子板の遊び方
羽子板の遊び方は2人で遊ぶ方法と、1人で遊ぶ方法があります。
それぞれ紹介します。
1人での遊び方
1人で遊ぶことを「揚羽根遊び」と言います。
羽根を落とさないように、上に打ち上げて回数を数えるといった遊びです。
数える際に特徴があり、「ひとめ、ふため、みやこし、よごめ」など羽根突きの歌を歌います。
誰かと競うなどすると面白いかもしれません。
2人での遊び方
2人で遊ぶことを「追羽根遊び」と言います。
①まず、羽子板を持つ二人が向かい合います。
②1人がサーブの要領で、羽根を羽子板で相手に打ちます。
③相手はきた羽根を打ち返し、それを繰り返します。
ルールとしては落ちたら負けで、打ち損なった場合には、顔に墨を付けるといった罰を受ける遊び方もあります。
遊び方はシンプルですが、墨が書かれた顔で笑いながら楽しむことができます。
羽根突きに込められた意味とは
羽根突きには遊ぶだけでなく、ある意味を込められています。
羽子板で羽根をつくことで「邪気をはね除ける」という意味が込められていました。
室町時代、羽子板に書かれていた絵柄も「松竹梅」などの縁起ものが多い傾向にありました。
特に、好まれた絵柄は「左義長(さぎちょう)」と言われる当時の宮中でお正月に行われていた悪魔祓いの儀式を描いたものと言われています。
羽根突きの羽根が空中を舞う様子がトンボの姿に似ており、トンボは感染症を運ぶ蚊を食べてくれるということから、正月に無病息災を願って遊びをしていました。
羽子板を飾る意味とは
羽子板には遊ぶだけでなく、飾りとしての使い方もあります。
羽子板を飾る意味について解説します。
厄除け
羽子板遊びには、邪気を払い除けるという意味が込められていましたが、遊ばずとも飾るだけで厄除け・無病息災があるとして、正月飾りとして飾られてきました。
室町時代の貴族や武士の間では、男の子が生まれたら「破魔矢(はまや)・破魔弓(はまゆみ)」を贈るのが慣習としてありましたが、女の子が生まれたら装飾された「羽子板」を送る慣習があります。
無病息災で健やかに育ってほしいという意味が込められています。
この慣習が庶民の間に広まるようになったのは、江戸時代になってからです。
当時、人気があった歌舞伎役者が羽子板の絵柄に使用されるようになり、全国各地で開催されていた「羽子板市」は大盛況だったと言われています。
羽子板がスポーツに?
現在、羽子板は正月に遊ぶだけでなく、スポーツとして行われるようになりました。
バドミントンのようにネットを挟み、羽子板で打ち合います。
中には60年以上も続いている地域もあり、伝統的な競技として行われています。
ルールは自陣で3回突く間に相手コートへ打ち返さなければなりません。
7点先取した方が勝ちです。
バレー要素もありながら、バドミントン要素もあるスポーツです。
まとめ
今回は羽子板遊び・羽根突きについて紹介しました。
正月の定番の遊びとして楽しまれている羽子板は今もなお楽しまれています。
まだ羽子板をやったことがないという方はぜひ友達や家族と一緒に遊んでみてください。
墨を顔に塗るルールも付け加えると、より盛り上がること間違いなしです。
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