サッカーの試合に欠かせない審判。
試合では女性の審判を目にする機会も増えています。
ではサッカーの審判にはどのような種類があり、日本に女性審判は何人くらいいるのでしょうか。
今回は、サッカーの女性審判一覧をご紹介。
女性審判が活躍する背景についても解説します。
【サッカー】審判の種類
サッカーの審判にはさまざまな種類があり、担当できる試合のレベルが異なります。
国内の審判員
JFA(日本サッカー協会)、またはその傘下にある各地区のサッカー協会主催の試合の審判を務めるためには資格が必要。
そのランクは以下のようになります。
1級 | JFAが主催するサッカー競技 |
女子1級 | JFAが主催・管轄する女子サッカー競技 2種・3種・4種の試合 |
2級 | 地域サッカー協会が主催する試合 |
3級 | 都道府県サッカー協会が主催する試合 |
4級 | 都道府県サッカー協会の支部が主催する試合 地区/市区郡町村サッカー協会等が主催する試合 |
なお4級審判員の中で特に優れていると都道府県サッカー協会の審判委員会が認めた審判員は、都道府県サッカー協会主催するサッカー競技の試合を担当することが可能。
そしてより上級の審判員になるには、現在の級で審判活動を行ってから認定試験を受けることになります。
例えば3級審判員の資格を得るには4級審判員として審判活動をして実績を積んでから認定審査を受ける、という流れ。
認定審査の項目は競技規則テストと体力テスト(インターバル走など)で、都道府県サッカー協会によっては実技審査も行われます。
国際審判員
ワールドカップなどで審判を務めるのは国際サッカー審判員。
この国際サッカー審判員は各国のサッカー協会がFIFAに登録を申請することで資格を得るものです。
1級審判員や女子1級審判員の中から特に実績が優れた人が推薦されるのが一般的。そのためかなり狭き門となります。
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【サッカー】女性審判一覧
では日本人の女性審判員にはどのような人がいるのでしょうか。
国際審判員
日本人の国際審判員は主審が11人、副審が13人います。
そのうち女性は主審が4人、副審も4人です。
主審 | 山下 良美 |
小泉 朝香 | |
兼松 春奈 | |
杉野 杏紗 | |
副審 | 手代木 直美 |
坊薗 真琴 | |
緒方 実央 | |
中本 早紀 |
1級審判員
国内の1級審判員はほとんどが男性ですが、女性も数人います。
所属協会 | 氏名 |
宮城県 | 杉野 杏紗 |
東京都 | 山下 良美 |
国際審判としても活躍する山下良美さんは日本の女性審判を牽引している人物。
2022年7月には女性初のプロフェッショナルレフェリーとなり、ワールドカップカタール大会では6つの試合で第4審判を担当。
また2021年に女性として初めてJ1リーグの主審リスト入りを果たし、2022年9月18日にはFC東京対京都サンガの試合で史上初のJ1主審となっています。
さらに2023年4月29日に日産スタジアムで開催されたJ1リーグの横浜F・マリノス対名古屋グランパスの一戦は、山下良美主審、坊薗真琴副審、手代木直美副審という女性審判3人が担当。J1史上初の記念すべき試合となりました。
坊薗真琴副審と手代木直美副審の名前が1級審判員の中にない理由は、この後解説します。
サッカー女子1級審判員
主に女子サッカー競技を担当できる女子1級審判員はこちら。
多くの審判員が活躍しています。
所属協会 | 氏名 |
北海道 | 稲葉 里美 |
手代木 直美 | |
宮城県 | 勝又 美沙希 |
田中 真輝 | |
茨城県 | 井脇 真理子 |
栃木県 | 荒川 里実 |
群馬県 | 草処 和江 |
埼玉県 | 朝倉 みな子 |
伊藤 実奈子 | |
千葉県 | 上田 千尋 |
千葉 恵美 | |
東京都 | 井口 朋恵 |
髙橋 早織 | |
晝間 久美 | |
坊薗 真琴 | |
山本 真理 | |
吉澤 久惠 | |
吉田 瑞希 | |
神奈川県 | 桐原 純子 |
新潟県 | 山口 鈴佳 |
鷲尾 里梨 | |
福井県 | 荒木 裕里香 |
横田 碧 | |
静岡県 | 一木 千広 |
小野田 伊佐子 | |
三重県 | 岩本 毬花 |
藤田 美智子 | |
岐阜県 | 曽根 未宇 |
京都府 | 梶山 芙紗子 |
柳 彩乃 | |
大阪府 | 兼松 春奈 |
萩尾 麻衣子 | |
兵庫県 | 大谷 美瑛 |
中本 早紀 | |
的崎 睦子 | |
吉永 真紀 | |
岡山県 | 谷本 菜々子 |
廣田 奈美 | |
丸本 明奈 | |
広島県 | 大⻄ 英里 |
佐々木 陽美 | |
⻑野 涼華 | |
徳島県 | 近藤 恭子 |
松尾 久美子 | |
高知県 | 杉本 美里 |
福岡県 | 緒方 実央 |
⻑崎県 | 田嶌 うらら |
馬場 成美 | |
熊本県 | 小泉 朝香 |
濱崎 覚美 | |
安浪 陽子 | |
鹿児島県 | 厚地 梨央 |
國師 えりな | |
沖縄県 | 山内 恵美 |
リストをじっくり見た方は気づいたかもしれません。
前述のJ1の試合で副審を務めた坊薗真琴さんと手代木直美さんは女子1級審判員。
女子1級審判は「女子の試合と第2種、第3種、第4種の審判を行う」と定められていますが、一定の基準に達した女子1級審判員はJリーグなど第1種大会の審判にも招かれているのです。
【サッカー】女性審判の道を切り拓いた人たち
近年、活躍の場を広げている女性審判。
その背景には新たな道を切り拓いた女性たちがいました。
4人のパイオニア
女性審判に道を切り開いた日本のパイオニアとしては以下の人たちがよく挙げられます。
吉澤久恵さんは、日本女子サッカーリーグに発足初年度から携わり、2000年のシドニーオリンピックで日本女性として初めてFIFA主催大会決勝の副審を務めた人物。
大岩真由美さんは2002年にU-20女子世界選手権の開幕戦で主審となり、FIFA主催大会で日本人女子として初めての主審を務めた人物。
山岸佐知子さんはアジアサッカー連盟(AFC)の女子年間最優秀主審を3度も受賞した人物。
梶山芙紗子さんは2011年には女性では初めてJ2の第4審を務めた人物。
彼女たちの活躍があって、その後の女性審判の急増が実現したのです。
まとめ
現在は一般の1級と女子1級に分かれている審判員。
しかしJFA(日本サッカー協会)は2024年3月限りで女子1級審判員の資格を廃止し、男子と同じ「1級審判員」に統一すると決定しました。
それは女性審判が実際に活躍してきた結果。
ようやく性別を限定する審判資格は適切ではないと判断されたのです。
今後はより多くの試合で女性審判の姿を見ることができるに違いありません。
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