競馬中継などで聞く夢のある言葉のひとつが「万馬券」です。
これは100円で購入した馬券が100倍の1万円になるということ。
なんとなく凄そうですが、実はある意味では万馬券は珍しいものではないとも言えるのです。
いったいどういうことでしょう。
そして競馬の配当の最高額はいくらなのでしょうか。
今回は、競馬の配当ランキングをご紹介。
どのようなレースで高額配当が出たのか、その背景も振り返ります。
高額配当が出やすいのは？
万馬券は100円の馬券が1万円になること。
ニュースになるような万馬券は単純に1位を当てる「単勝」を対象にしていることが多いのですが、馬券の種類によってはとても簡単に万馬券が出るものもあります。
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万馬券の出現率
主な式別（馬券の種類）の万馬券の出現率は以下のようになります。
単勝：1％前後
馬連：13％前後
馬単：25％前後
3連複：36％前後
3連単：77％前後
単勝は1着を当てる馬券であるのに対して、3連単は1着から3着までを順序も含めて完璧に当てる馬券。
的中させることがとても難しいだけに、万馬券になる確率の方が高いくらいになるのです。
さらに5レースの1位を当てるWIN5になると、歴代最低の配当が15万円。
つまり当たりさえすれば100％の確率で100円の馬券が15万円以上になるということです。
歴代最高配当
では単純に歴代最高はどの馬券かというと、やはりWIN5。
当たる確率が単純計算で190万分の1という宝くじのような馬券で、配当の中央値が230万円と言われていますから、高いのは当然だとも言えます。
そのWIN5の歴代最高配当は、なんと5億5444万6060円。
的中は1票のみでした。くどいようですが、馬券の購入額は100円です。
この日は対象の5レースで1番人気が総崩れとなったのが高額になった原因。
それぞれのレースで以下の人気順の馬が1着になりました。
・阪神10R：4番人気
・中山10R：4番人気
・中京11R・金鯱賞：10番人気
・阪神11R・フィリーズR：8番人気
・中山11R：3番人気
人気上位の馬が負けるレースがこれほど重なるのは、まずありえないこと。
的中させた人はよくぞこの不人気の馬にばかり賭けたというしかありません。
馬券の種類別・高額配当ランキング
一方、他の馬券の最高配当は、以下のようになります。
3連単：中央競馬・新潟競馬場 2012年8月4日：2983万2950円
3連複：中央競馬・中京競馬場 2006年9月9日：695万2600円
馬単：地方競馬・盛岡競馬場2006年5月20日：330万8610円
馬連：地方競馬・園田競馬場2010年12月21日：53万6750円
枠連：地方競馬・高知競馬場1997年1月14日：25万8840円
ワイド：地方競馬・浦和競馬場2001年11月5日：28万6620円
単勝：地方競馬・姫路競馬場2001年7月18日：20万5760円
複勝：地方競馬・佐賀競馬場2005年3月7日：7万5180円
単勝で20万円や複勝で7万円以上という配当は地方競馬ならでは。購入者が少ないことによる異常なオッズが原因と考えられています。
まず当たらないとはいえ、地方競馬で異常に高いオッズを見かけたら100円だけ購入しておくのも夢があってよいかもしれません。
単勝・高額配当ランキング
では最も基本となる単勝での高額配当ランキングはどうなっているのでしょうか。
購買人数が多く、異常な値にはなりにくいJRAの全てのレースでのランキングと、重賞レースでのランキングをご紹介します。
JRA歴代高額配当ランキング
JRAの歴代単勝高額配当ランキングは、以下の通り。
1位：2014年4月26日・福島8R ：5万6940円
2位：1955年10月22日・阪神6R ：5万5870円
3位：2022年2月12日・東京12R ：5万4940円
上位には5万馬券が並んでいます。
福島8R ・5万6940円の背景
歴代1位となった2014年4月26日の福島競馬場第8レースは、4歳以上500万円以下（芝1200m）というレース。
16頭の中最低人気だったリバティーホール号は、中央競馬での通算成績は41戦1勝というほぼ負けっぱなしの馬。ところがこのレースではいきなりの激走を見せ、関係者の誰もが驚くまさかの勝利を収めてしまったのです。
騎手も驚き、調教師も「まさか勝つとは思ってなかった」と言うほどの意外な勝利で59年ぶりに高額配当の記録を更新。
しかしこの歴代最高記録でも単勝馬券は279票の購入があったそうです。
GⅠ歴代単勝高額配当ランキング
日本の競馬の最高峰であるGⅠの歴代単勝高額配当ランキングは、以下の通り。
1位：1989年11月12日・エリザベス女王杯：4万3060円
2位：2014年02月23日・フェブラリーS：2万7210円
3位：2000年10月01日・スプリンターズS：2万5750円
こちらはエリザベス女王杯の結果が他を圧倒しています。
エリザベス女王杯・4万3060円の背景
1989年のエリザベス女王杯でG1歴代1位の4万3060円を記録したのは、サンドピアリスという馬でした。
サンドピアリスは実力馬が揃うエリザベス女王杯には明らかに実力不足と思われていた馬。それは過去の戦績からも明らかで、直前4レースは6位、9位、8位、9位という成績でした。
しかしなんとかG1に出走させたいという馬主の思いと、騎手の岸滋彦をG1に出走させてやりたいという調教師の思いが重なって出走。つまりいわゆる記念出走だったのです。
その結果、当然のように20頭中20番人気でしたが、レース本番の最後の直線で、サンドピアリスは脅威の激走。
「サンドピアリスだ、おおなんとサンドピアリスだ！しかしびっくりだ。これはゼッケン番号6番、サンドピアリスに間違いない！」と実況アナウンサーまでもが驚いて絶句する結果になりました。
ちなみに勝利インタビューでは騎手と調教師が「サンドピアレス」と名前を間違え続けていたそうで、サンドピアリスはこの後引退するまで9戦0勝という成績でした。
まとめ
高額配当のレースばかり見ていると、つい万馬券を狙いたくなってしまうもの。
しかし基本的に高額配当の馬券は、簡単に当たらないからこそ高額なのです。
とはいえ意外な馬が勝つレースは夢があるもの。
記録を更新するような高額配当を、いつかは当ててみたいものです。
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