野球場には、選手の紹介をしてくれる人がいます。
それはウグイス嬢と呼ばれる仕事。
憧れる人も多いウグイス嬢には、どうやったらなれるのでしょうか。
今回は、野球のウグイス嬢について調査。
その仕事内容や給料もご紹介します。
【ウグイス嬢】プロ野球
そもそもプロ野球では、球場の選手紹介は男性が行なっていました。
それが女性になったのは1947（昭22）年のこと。
いったいなぜ女性が担当し、ウグイス嬢と呼ばれるようになったのでしょうか。
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ウグイス嬢の歴史
ウグイス嬢の第1号は、後楽園球場でアナウンスを始めた青木福子さん。
彼女は元NHK職員でしたが戦時中に中国の大連に移転になり、戦後は復職も叶いませんでした。
その頃、プロ野球の後楽園球場の試合ではスポンサーの広告を読むことに。男性よりもソフトな女性の声が良いだろうという意見があり、野球放送の名アナウンサーの紹介で青木さんが任されることになったのです。
それまで野球を全く知らなかった青木さんはルールや選手について猛勉強。見事役割を果たし、女性の場内アナウンスは大評判になりました。
そして美しい声で客を呼び寄せることからマスコミが「ウグイス嬢」と命名。各球団も場内アナウンスに女性を採用するようになったのです。
ウグイス嬢の所属
プロ野球のウグイス嬢は球団職員が行うのが一般的です。
まずは球団職員として就職し、その中でウグイス嬢の仕事を任されることも。
また他の仕事と兼任でウグイス嬢を務めていることもあります。
とはいえ、就職時から主にウグイス嬢として募集する球団も多いのが実情。アナウンス専門学校などには球団のウグイス嬢を目指すためのカリキュラムもあります。
仕事内容
ウグイス嬢の仕事の仕方は球団によって大きく異なります。
就職し、ウグイス嬢の部門に配属されると、まずは研修が行われるのが一般的。
ここではショートをショートストップと表現するなど、各球団の伝統的なアナウンス方法も覚えます。
そしてウグイス嬢としてデビューすると、公式戦当日は試合開始の3時間以上前に球場入り。ベンチ入りメンバーの確認や開場時間の場内アナウンスを行い、スコアをつける場合はその準備もします。
ホームチームだけでなくビジターチームの選手を担当することも多く、2軍のアナウンスも行うため、他球団の選手を覚えるのも重要な仕事です。
また担当する試合がない日には、野球教室のアナウンスや野球イベントのMCなどを行い、オフシーズンには球団事務所の仕事も担当します。
給料
プロ野球の球団職員の給料は、年に350万円から550万円ほど。
球団によっても違いますが、一般的な企業とほぼ同じ水準だと言われています。
また2020年には巨人が主催試合で場内アナウンスを担当するウグイス嬢を42年ぶりに募集して話題になりました。
このときに発表された報酬は、1軍戦が1試合4万円で、2軍戦は1試合1万5000円でした。
【ウグイス嬢】高校野球
ウグイス嬢といえば、高校野球甲子園大会の声の方が印象に残っている方も多いはず。
甲子園は阪神タイガースの本拠地でもありますから、あの声は阪神の球団職員なのでしょうか。
それとも高校野球連盟の職員なのでしょうか。
甲子園
結論から言うと、高校野球甲子園大会のウグイス嬢は、阪神の職員です。
しかし厳密には阪神タイガースの球団職員ではなく、阪神電鉄の甲子園事業部運営担当（放送）という部門の方。
数人の専属職員がローテーションで球場内の放送を担当しています。
では阪神タイガースのウグイス嬢とは別の部門なのかと言うと、実は同じ。
甲子園球場でのタイガースのホーム戦も、同じ方たちが担当しています。
甲子園ウグイス嬢への道のり
阪神電鉄の甲子園事業部運営担当（放送）は、常に新人を募集しているわけではありません。欠員が出ないと募集はなく、情報誌に載るようなこともないため、採用されるためにはタイミングと運も必要。
そして運良く採用されてもすぐに甲子園デビューできるわけではありません。
まずは甲子園球場に電話すると流れるテレホンサービスの録音や、開門案内などの場外放送のアナウンスを担当。次はオフの間の貸しグラウンドの放送業務を行います。
ウグイス嬢デビューはプロ野球のファームから。ウエスタン・リーグ阪神戦の試合で経験を積みます。
そしていよいよ高校野球甲子園大会を担当。その後はプロ野球の1軍戦にもデビューすることになるのです。
独特な抑揚の理由
甲子園のウグイス嬢といえば、耳に残る独特なイントネーションが特徴。
しかも数人の方が担当しているのにこのイントネーションは揃っています。
いったいなぜあのような抑揚になったのでしょうか。
それは甲子園球場が野外で、しかも歓声や売り子さんの声で溢れているから。
雑音が混ざりやすい環境で普通のイントネーションのアナウンスをすると、声が紛れてよく聞こえなくなってしまいます。
そのためあえて普通ではなく耳に残る発音に変えて、目立たせているのです。
さらに高校野球では名前の後に「くん〜」をつけるため、より抑揚のあるアナウンスとなります。
まとめ
野球場のウグイス嬢はアナウンス学校などで学んで目指すことが多い職業。
しかしその前には高校野球のマネージャーをしていたという方が多いのも特徴です。
それはアナウンスの技術だけでなく、野球の知識がとても重要だから。
高校野球の地方大会ではマネージャーが球場内のアナウンスを務めることもよくあります。
つまり野球部のマネージャーはウグイス嬢への近道。
将来ウグイス嬢を目指している方は、まずは野球部のマネージャーをしながらアナウンスの練習をすると良いかもしれません。
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