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キンボールスポーツの歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

人生において、スポーツ、特に球技に一度も触れたことがないという人は少ないことでしょう。

特に小学校に通っていた頃、体育の時間や休み時間にドッジボールを楽しんだという人は非常に多いのではないでしょうか。

あるいは中学高校などの部活動で、バレーボール部やサッカー部、バスケットボール部や野球部というスポーツに青春を賭けていたという人もいることでしょう。

実際にそういったスポーツをプレーすることがなかったとしても、テレビをつければ野球中継やサッカー中継などを見ることができますし、今ではインターネットの配信などでも様々な球技の試合を楽しむことができます。

そんな時、ふとこのような疑問を持ったことはないでしょうか。

「いろんな球技があるけれど、その中で扱われるボールはどれくらいの種類があるのだろう?」「一番小さなボールや大きなボールを扱うスポーツはなんだろう?」と。

一番大きなボールを扱うスポーツと聞いた時、バスケットボールやラグビーボール、アメリカンフットボールのボールあたりが該当するのではと思った人もいるかもしれません。

しかし、実はそれらと比較にならないほど大きなボールを扱うスポーツがあります。

それが、今回ご紹介する、キンボールスポーツというものなのです。

キンボールスポーツの起源・歴史について

キンボールなんてスポーツは初めて聞いた!という人も少なくないことでしょう。

実際、このスポーツはサッカーや野球などと比べるとかなり新しいスポーツに該当します。

始まりは1986年のこと。カナダのモントリオール大学体育学部を卒業し、ケベック州で体育教師をしていたマリオ・ドゥマース氏によって考え出されたのが、このキンボールスポーツでした。

彼は教師として生徒達と接する中、若者たちの無気力感や他人事には無関心である様子を見て危機感を抱いたと言います。

そこで、スポーツによって「生きる喜びなど感動の共有や協調性を高める」ことができるのではないかと考え、悩んだ末このキンボールというスポーツを考案するに至ったのです。

カナダのケベック州に、キンボール連盟が政府公認のものとして設立されたのも同年のことでした。

カナダから始まったこのスポーツは、アメリカでも5000校を超える学校や地域で採用され、現在ではベルギーやフランス、ドイツといったヨーロッパを中心に大きな人気を博しています。

日本におけるキンボールスポーツの歴史について

さて、このキンボールスポーツはいつ頃日本にやってきたのでしょうか。

日本でキンボールスポーツが紹介されたのは1997年10月のことだったと言います。

紹介者である吉田正信氏は共遊、主体、創造を主な理念とした上で1998年2月に国際キンボール連盟日本事務局を設立し、日本各地での普及活動に邁進しました。

その結果、現在では小学校の体育の授業でも安心して行えるスポーツとして取り入れられつつあります。

大きなアドバルーンのようなボールを床に落とさないようにチームの皆で協力しながら行うスポーツであるため、ボールが柔らかくて衝撃が少なく、他のスポーツと比べると安全に行うことができるからです。

また、キンボールスポーツの「キン」は、英語の「キネスシス/kinesthesis」=「運動感覚/感性」の略語であると言われています。


多くの競技にある“個人の身体能力や技術を磨いて競い合う”ことよりも、「励まし、助け合い、感動の共有や協調性を高める」ことを大切にするスポーツとされているため、子供達が仲間との絆を学ぶのにも非常に適しているのです。

吉田正信氏は、1999年4月になると日本人の国際大会への参加を視野に入れ、国際キンボール連盟日本事務局を発展的に解消するに至りました。

そして組織の名前を日本キンボール連盟(後に日本キンボールスポーツ連盟として社団法人化しています)と改めた上で、新しい組織として再出発したのです。

現在では国際大会も多く開催され、日本のチームも参加して大きく盛り上がりを見せています。

キンボールスポーツと関連のあるスポーツ

競技風景を見ていると気付きにくいかもしれませんが、このスポーツはあのバレーボールといくつも似通った側面があります。

最大の点は、ボールが床につくと、レシーブができなかったチームが失点するという点でしょう。またキンボールスポーツもバレーボールも、ボールを打つ動作をレシーブと呼ぶ点でも同じだと言えます。

このスポーツは、バスケットボールに向かない子供や女性、高齢者でも気軽に楽しめる室内スポーツとして考え出されたものでした。

屋内で行うことのできるスポーツであり、他の球技と比較して危険性が少ないという意味でも、バレーボールとキンボールは共通項が多いスポーツと言えるかもしれません。

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キンボールスポーツの競技人口について

1986年考案という極めて新しいスポーツにも関わらず、現在はヨーロッパを中心に、老若男女問わず幅広い世代で親しまれているスポーツです。

その競技人口は現時点で既に500万人という数にのぼり、日本でも連盟登録者数だけで2万人をゆうに超えると言われています。

日本でのアメリカンフットボールの競技人口と同じくらいと言えば、この数字がいかに凄いものなのかがよくわかるのではないでしょうか。

大人数で楽しめるスポーツであり、小学校のレクリエーションなどでも取り入れられているため、“授業などで一度でもプレーしたことがある人”や“趣味で楽しんでいる人”を含めて数えた場合は大幅に人数が増えるであろうと予想されています。

キンボールスポーツのルールについて

他の球技と大きく異なる点は、このスポーツが3チーム同時に行う競技であるという点でしょう。

1対1の対戦ではなく、3チームが同時にコートに入って一番点数が入ったチームが勝利となるのです。

コートサイズは18~21m×18~21mと決まっていますが、正方形でなくても問題ありません。

そのコートに3つのチーム(1チームは4人です)が同時に入り、まずはじゃんけんなどで3チームのうちの1チームのヒット権(バレーボールなどでいうところのサーブ権に該当します)を決めます。

ヒット権を得たチームは、3人で大きなボールをしっかり支え、1人がヒットを行います。この時、ヒットの瞬間必ずチームのメンバー全員がボールに触れていなければなりません。

ヒット=サーブを行うメンバーは、審判に聞こえる大きな声で「オムニキン〇〇!」と叫びます。この〇〇、には自分達以外のチームのゼッケンカラーが入ります。

例えば赤、青、緑の3チームで競技を行い、ヒットを行うのが赤チームだった場合は、ブルー、もしくはグリーンとコールするといった具合です。叫んでから、両手でレシーブするように上に向かってボールを打ち上げます。

ヒットしたボールが1.8m以上飛ばなかった場合は反則となってしまうので注意が必要です。反則の場合は、反則したチーム以外に2点が入ってしまいます。

コールされた敵チームは、ボールが地面につくまでにレシーブしなければいけません。たとえば「オムニキン、ブルー!」と言われた場合は青チームの誰かがレシーブを行います。

体のどこを使ってレシーブしても問題ないですが、失敗してボールが地面についてしまうと、青チーム以外の赤、緑チームに1点ずつ点が入ります。

レシーブに成功すると、今度は青チームにヒット権が移り、再びヒットを行って同じ流れを繰り返します。

キンボールスポーツの国際的な大会について

現在、3年に1度(第3回大会~第10回大会までは2年に1度でした)ワールドカップが開催されています。

2001年6月に記念すべき第1回大会が行われ、当時の参加国は発祥の地であるカナダ、そして日本とベルギーの3か国のみでした。

男女ともに行われたこの大会では、どちらもカナダが発祥国の意地を見せ、優勝を飾っています。

第1回、第2回はカナダで行われましたが、第3回大会からはベルギーやスペインといった他の国でも開催されるようになりました。

殆どの大会でカナダが圧倒的な強さを見せて優勝していますが、2015年の第8回大会では日本が初めてそのカナダを破り、金メダルを勝ち取っています。

また、参加国も少しずつ増えてきており、2019年の第10回大会では男女ともに11もの国が大会に参加しました。

世界から見た日本のキンボールスポーツの強さのレベ

先述したように、現在は3年に1度ワールドカップが行われ、日本は第1回大会から参加している数少ない国の1つです。

カナダの圧倒的な強さに押されて、長年準優勝止まりだった日本のチームですが、第8回大会ではそのカナダを破り優勝を飾っています。

世界的に見ても、日本のキンボールの強さはカナダに次ぐものと言っても過言ではありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。子供でもできる安全性を誇ると同時に、シンプルながらも工夫と戦略が求められる興味深いスポーツ、それがこのキンボールスポーツなのです。

大きなボールをみんなで支え、協力して得点を狙うこのスポーツは、仲間との絆を育むのにも最適と言えます。

わかりやすくルールを説明してくれる動画などもあるので、興味を持った方は是非調べてみることをおすすめします。

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初音

初音

おうちでまったり、頑張る人達を応援するのが好きです。

インドア派ですが、スポーツをはじめ頑張っている人達をおうちで応援してる系ライターです。子供の頃は水泳大好き少女でした。運動音痴だけどスポーツ見るのは大好きです!

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