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テックボールの歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

スポーツでかっこよく活躍してみたい。テレビの中継やネットニュースを見て、そんな憧れを抱く人は少なくないことでしょう。

特に、サッカーという競技が世界的に見ても大人気であることは言うまでもありません。サッカーの正確な競技人口ははっきりしていませんが、数あるスポーツの中でも五本の指に入るプレイヤーの数を誇るのは確かなことです。

かっこよくシュートを決めてみたい、パスで味方を助けたい、ゴールを守る守護神になってみたいと、サッカー選手を夢見てクラブや部活動に入る子ども達は非常に多いことでしょう。

しかし、華やかなサッカーという競技で活躍できる人間はごく一握りです。人気があり、競技人口が多いということはライバルも多いということ。自分は体が小さいから、力が弱いから、体力がないからといった理由でサッカーへの憧れを捨ててしまう人も少なくないのではないでしょうか。

また、多くのスポーツと同じように、スライディングなどを行うことによって怪我をする危険性があるのも事実ではあります。

では、そんな怪我の心配がないスポーツがあればどうでしょうか。サッカーに似ているけれどサッカーじゃない、見た目は卓球にも似ている不思議なニュースポーツがあります。

それが今回ご紹介する、テックボールというものなのです。

テックボールの起源・歴史について

一般社団法人『日本テックボール協会』のホームページによると、テックボールはこのように紹介されています。「テックボールは、ハンガリー発祥の卓球×サッカーを組み合わせた新しいスポーツです」と。

卓球とサッカーなんて全く関連性もなさそうなのに!と驚く人も少なくないかもしれません。実際、プレーしている様子は一見すると卓球のようにも見えることでしょう。

実は、ニュースポーツの多くは“元からあるスポーツから着想を得て生まれたもの”がとても多いのです。タックルにおける体格差を帳消しにするスポーツは何か?と考えて生まれた“アルティメットテーザーボール”。

サッカー選手がロッカーにボールを入れる遊びをしていることから発想したという“フットゴルフ”など。新しいスポーツを考えたいと思った時、そのヒントは既存のスポーツや身近にある品、出来事の中に含まれていることが少なくないのです。

このテックボールもそんなスポーツの一つ。このスポーツを考えたのは、元サッカー選手であるガボール・ボルサニ氏と、科学者であるヴィクトル・フスパー氏の二人でした。

彼等が2014年にハンガリーで生み出した、サッカーと卓球を融合させたまったく新しいスポーツ。それこそがテックボールなのです。

日本におけるテックボールの歴史について

先述したように、テックボールが生まれたのは2014年であり、非常に新しいスポーツの一つであると言えるでしょう。その後テックボールを発明したボルサニ氏は、サッカーで言うところのFIFAにあたるFITEQ(Fédération International de Teqball)を2017年にスイスにて設立し、代表に就任しています。

また、日本にも競技成立からかなり早い段階で上陸しています。一般社団法人「日本テックボール協会」初代代表理事を務める阿久津健一氏は、2014年のブラジルワールドカップの直後、インターネットの記事にてテックボールの存在を知ったそうです。

さらに2017年1月、阿久津氏がコーチを務めていたサッカースクールの教え子達にこの競技をプレーさせようとしたところ、テックボールが未だ日本に輸入されていないという事実が発覚。

ならば自分で普及活動をしようとハンガリーにあるTEQBALL社に問合せをし、日本へ広めるべく働きかけを開始したのだそうです。

同年の2月からはTEQBALL社と交渉を開始した上で、5月12日に日本初のテックボールをする為の台、テックテーブルが輸入されることとなりました。

さらには、同年の5月14日には初めてのテックボールのイベントを開催するに至っています。そして同じ年の9月20日には一般社団法人・日本テックボール協会が設立されることになったのです。

テックボールと関連のあるスポーツ

なんといっても、この競技を語るに欠かせないのがサッカーと卓球でしょう。この競技のキモは、いかにリフティングやヘディングで上手にボールを返すことができるかということ。

日本テックボール教会のホームページには、「あなたがボールを3回リフティングすることができれば、あなたもTeqballに参加可能です」という記述があります。
シュートを打つことやプレイヤー同士でぶつかり合うのは苦手だけれど、サッカーのリフティングをするのが得意、という人にはぴったりのスポーツなのです。

サッカーはのべ210を越える国と地域で、プレーされている、言わずと知れたビッグスポーツの一つです。4年に一度行われるFIFAワールドカップのテレビ視聴者数は、全世界でも通算310億人を超えるというデータもあるほど。バスケットボールなどと並び称される人気スポーツの一つと言えます。

サッカーの主目的は“ボールをゴールに入れて相手チームより点数を稼ぐこと”にありますが、手を使ってはいけないことや細かなボールコントロールが要求されることなどは、テックボールのルールにも強く引き継がれています。

また、テーブルの上で小さなボールを打ち合い、いかに相手よりも早く特定のポイントを稼ぐかを競う卓球も世界的に人気のスポーツの一つと言えるでしょう。数多くの国々でプレーされているという意味でもサッカーと共通しています。

特に近年のオリンピックなどで、日本の卓球選手達のめざましい活躍は記憶に新しいことでしょう。2021年の東京オリンピックにて、新種目となった混合ダブルスでは史上初の金メダルを獲得するという功績を上げています。

テックボールの競技人口について

まだまだ新しいスポーツではありますが、世界的に人気が高いフットボールを土台にしている点、そして元サッカーブラジル代表・ロナウジーニョ選手が、競技普及のためのアンバサダーに就任している点などから、現在EUを中心に競技人口が急速に高まっているそうです。

世界的の競技人口ははっきりしていませんが、国際テックボール協会(FITEQ)が発足した2017年からは毎年世界選手権も行われており人気を博しています。

さらにハンガリーで行われた2019年世界選手権には約50ヵ国が参加。2020年には普及国が100ヵ国を越えると言われ、競技人口のさらなる増加が期待されています。

テックボールのルールについて

テックボールコートの公式競技サイズは幅12メートル、長さ16メートル、高さ7メートルと規定されています。とても簡単に説明するのであれば、“卓球のような台を使って、ラケットではなく人の体を使い、サッカーボールを打ち合うことによってポイントを競う競技”と言えます。

サッカーと同じように、手や腕でボールを打ってはいけません。また、最大3回までのボールタッチで返さなければいけない、同じ身体の部分で2回連続タッチしてはいけないなどの禁止事項があります。このルールで分かるように、体の様々な場所で細かなコントロールをする技術が求められるのです。

2回連続でサーブを失敗すると相手の得点になることや、サーブ権は4ポイントごとに相手に移るなどの項目はバレーボールなどの競技を想起させるかもしれません。

また、テックボールにはサッカーなどと同じようにイエローカードやレッドカードがあります。基本的には、不適切な行動をとったと審判が判断した場合、イエローカードが提示されることになるのです。

サッカーと違うのは、監督やコーチがレッドカードに該当する行動をとった場合はプレーエリアから退場になり、その場で相手の勝利で試合が終わってしまうことでしょう。

マナーのある行動、紳士的なプレーが求められるのは、他の多くの競技と同じなのです。

テックボールの国際的な大会について

なんといってもテックボールは、正式な協会が設立されるよりも前に、普及のための様々な大会が開催されていることが異色と言えるでしょう。ハンガリーのブダペストではコカ・コーラ国立大学TEBBALLチャンピオンシップシリーズが開催。

設立後の2017年からは、国外の大会も開催されています。ルクセンブルクで開催されたTEQBALLオールスターズカップ2017や、モナコで開催されたTeqball All Stars Show SPORTELモナコ2017などです。

さらに2017年6月には、テックボールの第1回ワールドカップがハンガリーで開催されることとなりました。20カ国の選手が集い、シングルスとダブルスで戦いが繰り広げられたと言います。

世界から見た日本のテックボールの強さのレベル

日本テックボール協会によると、現在の国内競技人口は東京や京都を中心に約100人程度であるとのこと。しかし、既に日本人の中には世界の大会で活躍している選手もいます。

2017年6月22日から24日にかけて、ハンガリーで開催された第1回世界選手権では、日本はWasse(早稲昭範)選手、菅原佳奈枝選手を日本代表に選出し、シングルス、ダブルスにエントリーしました。

2人で臨んだダブルスではベスト8の戦績を残し、シングルスにおいても両者ベスト16という好成績を残しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。凄まじい速度で成長を遂げ、国際大会も開催されているテックボール。ぶつかり合うのが怖い、怪我をするのが怖い、だからスポーツはちょっと、と思っている人でも安全にできる競技なのは間違いありません。

まだ競技人口の少ないスポーツですが、だからこそ色々な人にチャンスのある競技であるとも言えます。

興味を持った人はぜひ、詳しくチェックしてみてください。



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初音

初音

おうちでまったり、頑張る人達を応援するのが好きです。

インドア派ですが、スポーツをはじめ頑張っている人達をおうちで応援してる系ライターです。子供の頃は水泳大好き少女でした。運動音痴だけどスポーツ見るのは大好きです!

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