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【パリオリンピック】アーティスティックスイミングの変更点を解説

パリオリンピックのアーティスティックスイミングは過去にないほどの大変更があることで話題になっています。
オリンピックの種目にルール変更はときどきあること。今回もスポーツクライミングや競歩などにとても大きな変更がありました。
中でも画期的といえる変更があったのがアーティスティックスイミング。
今回は、パリオリンピックでアーティスティックスイミングがどう変わるのか、解説します。

アーティスティックスイミングの変更①:男子が参加可能に!

2024パリオリンピックのアーティスティックスイミングで最大の変更点は、男子が参加可能になったということです。

アーティスティックスイミングの種目の変遷

アーティスティックスイミングは、1984年のロサンゼルス大会から実施された競技。当時はシンクロナイズドスイミングという名称で、2人で行うデュエットと1人で行うソロが行われていました。
1996年のアトランタ大会では8人で行うチームのみになり、2000年のシドニー大会以降はチームデュエットの2種目で行われています。
その間の2017年にシンクロナイズドスイミングからアーティスティックスイミングに名称が変更。それでもずっと守ってきたのが、アーティスティックスイミングは女子のみの競技だということ。
世界選手権では2015年大会から男女1人ずつによる混合デュエットが実施されていましたが、オリンピックでは頑なに男子禁制を守ってきたのです。

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チーム種目に男子参加が可能に

しかし今はジェンダー平等の時代。男子のみの競技が減っているのと同じ理由で、女子のみと思われていた競技にも男子が参加できるようになっています。
世界選手権を主催している国際水泳連盟(FINA)は、オリンピックのアーティスティックスイミングに男子の参加を認めるよう国際オリンピック委員会(IOC)に要請。IOCがこれを受けてチーム種目男子が参加することを認めたのです。
具体的には各チームの8選手のうち、最大2人までを男子選手にできるというルール
これは強制ではなく、男子を入れるかどうかは各チームの自由となります。

男子参加の可能性は?

では実際に男子選手が出場することはあるのでしょうか?
パリオリンピックに出場を決めている日本代表チームは、現段階では8人すべてが女性となっています。
しかしパリオリンピック出場を決めたイタリア代表は2023年夏のヨーロッパ競技大会で男子のジョルジョ・ミニシーニ選手をメンバーに起用。チームは2つの銀メダルと1つの銅メダルを獲得しています。
この結果から見ても、オリンピックで男子選手を見られる可能性はありそうです。

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アーティスティックスイミングの変更②:アクロバティックルーティン

オリンピックのアーティスティックスイミング競技は、競技内容も大きく変わります。
これまで行われてきたのはテクニカルルーティンフリールーティン
それに加えて、今回からアクロバティックルーティンが追加され、3つのルーティンの合計得点で順位が決まることになったのです。

アクロバティックルーティンとは

アクロバティックルーティンはこれまで「ハイライト」と呼ばれていたもの。
2019年の世界選手権で初めて実施されました。
アクロバットルーティンは、複雑な隊形、空中での動き、アクロバットな動きの多様な組み合わせを行うもの。その難易度と完遂度、芸術性が評価されます。
つまりその名の通り、これまでよりもアクロバティックな大技が見られるということです。

アクロバットルーティンの4つのグループ

アクロバットルーティンの動きは4つのグループに分けられます。
ルーティンの中でチームは以下の4つのグループから少なくとも1つずつ、合計7つの動作を披露します。

エアボーン:すべての要素を空中で行う
バランス:すべての要素をサポートやベースの上で行う
コンバインド:エアボーンとバランスの要素を含む
プラットフォーム:土台となってサポートする選手の難易度

アクロバティックルーティンはよりダイナミックな技が求められますから、男子が活躍できる可能性がより高まるかもしれません。

アーティスティックスイミングの変更③:採点方法

パリオリンピックでは採点方法もこれまでとは大きく変わります
それは2023年の世界選手権福岡大会でも採用されたもの。変更の結果、順位にも大きな影響を与えています。

従来の採点方法の問題点

2020東京大会まで、アーティスティックスイミングは演技全体を通して100点満点で評価していました。
例えばフリールーティンなら、全体の芸術性・難易度・完遂度の3要素で採点。しかしその内訳は示されないため、なぜその得点になったのかは審査員にしか分かりませんでした。
そしてアーティスティックスイミングの世界でよく言われたのが序列という言葉。これは国際的な舞台でのチームの格の違いのことで、審査員は演技に対して点を付けながらも過去の成績による格に影響を受けてしまっていたというのです。
こうした不透明な部分が時代にそぐわないということで、大きく変更されることになりました。

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新しい採点方式

新しい採点方式では、それぞれの技の難度点出来栄えの評価を掛け合わせたものが技の得点となり、その合計で競うことになりました。
つまりフィギュアスケートのような採点法になったということ。
演技の構成は事前申告制で、コーチカード(難易度カード)を審査員に渡すことになります。そして違う演技をすると点数は大幅に減点。これまでのように100点満点の上限がないため、技の難度を上げるほど高得点が狙えます。
これによってアーティスティックスイミングの採点は分かりやすく、公平になったのが大きなメリット。
一方で難度点を上げないと勝てないルールになり、各チームはさらに難しい技を取り入れた構成を求められるようになったといえます。

まとめ

競技内容やルールが大きく変わったアーティスティックスイミング。
それらは時代に合わせた変更だといえます。
同時に今回の変更の結果、アーティスティックスイミングはよりダイナミックな競技になっていくと考えられています。
新しくなったアーティスティックスイミングがパリオリンピックでどのようなシーンを見せてくれるのか、楽しみですね。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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