パリオリンピックのスケートボードは人気競技のひとつ。
今回はそのスケートボードのルールが変更されます。2020東京大会と同じだと思っていると、少し戸惑うはず。
今回は、パリオリンピックのスケートボードのルールを調査しました。
大きく変わった採点方法とその影響について解説。
またスケートボード競技の採点のポイントについてもご紹介します。
【パリオリンピック】スケートボードの変更点
スケートボードは前回の東京大会で初めて採用された競技。
街にあるような階段や縁石、手すりなどを模したコースで行うストリートと、坂や曲面が複雑に組み合わされたボウル状のコースで行うパークの2種目があります。
男女それぞれで合計4種目ある中、東京大会では日本が金3個を獲得。今回も日本勢の活躍が期待される中、一部にルール変更が行われました。
出場枠の変更
東京大会のスケートボードは、男女のストリートとパークそれぞれの予選に各20人が出場。得点の高い上位8人が決勝に進出するというルールでした。
今回のパリオリンピックでは各種目22人に出場人数が増加。上位8人が決勝進出するのは同じです。
スケートボードのルール
スケートボードのストリートとパークは、選手が披露したトリック(技)を審査員が採点し、得点を競うルール。
タイムを競う競技ではありません。
パークはルール変更なし
スケートボードの2種目のうち、パークは東京大会からの変更がありませんでした。
その基本的なルールはとてもシンプルです。
・45秒の制限時間内のラン(試技)の間にトリックを披露する
・制限時間内にトリックは何回でも出せるが、ボードから落ちたり手をついたりしたら競技終了
・毎回の45秒間のランを100点満点で採点
・3回のランのうちベストスコアで競う
採点ではトリックの高さやスピードなどに加えて、コース全体をうまく活用することも審査の対象になります。
ストリートはルール変更あり
一方、ストリートは東京大会から変更があった種目。
とはいえ基本的な競技内容に変更はありません。
・45秒の制限時間内にトリックを披露するランを2回行う
・一発の大技で勝負するベストトリックを5回行う
・それぞれの試技を採点する
・得点の高かった試技を合計して最終スコアとする
では変更されたのはどこなのでしょうか?
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【パリオリンピック】スケートボードの採点法
スケートボード競技のストリート種目で主に変更されたのは、最終スコアの集計方法です。
どのように変わったのか、ご紹介しましょう。
東京大会からの採点ルール
東京大会では、ランとベストトリックの1回の試技がそれぞれ10点満点で採点されました。
そして順位を決める最終スコアは、ラン、ベストトリック関係なく、すべての7回の試技の中で高い得点4つの合計。
ランの得点が悪くても、ベストトリックで4つの高得点を出せばよいというルールでした。
パリ大会での変更点
今回のパリ大会では、ランとベストトリックの1回の試技は、それぞれ100点満点で採点されます。
そしてランの高い得点1つと、ベストトリックの高い得点2つを加算。
ランとベストトリックの両方が最終スコアに残ることになりました。
ルール変更の影響
このルール変更は、特にベストトリックを武器にしている選手に大きくなりそうです。
東京大会の堀米雄斗選手の最終スコアはベストトリックの4つで獲得。2本のランは彼の7回の演技の中で最も低い得点でした。
パリ大会ではラン1本分が必ず最終スコアにカウントされるため、両方で高得点を取れる選手が有利になるのです。
採点拒否
またパリ大会ではトリックの採点拒否という新ルールが加わりました。
これはあるトリックでミスをして、同じトリックに再挑戦したいときに使う権利。
ベストトリックでは同じトリックを行うと反復練習のペナルティが発生して得点が低くなってしまいます。
そこで採点拒否を使えば、ペナルティなしにもう一度同じトリックを行えるのです。その代わりに採点を取り消した試技は0点としてカウントされます。
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スケートボードの採点の難しさ
このスケートボードは、フィギュアスケートのようにトリックに得点をつける競技。しかしそこにはスケートボードならではといえる難しさがあります。
全体的な印象を公正に
フィギュアスケートは技それぞれに基礎点があり、それぞれの出来栄えを判定することでかなり客観的な評価ができるようになっています。
しかしスケートボードは「全体的な印象」が最も重要な基準。
技のスピードや高さ、着地の仕方など全体を見て、より良く成功したトリックに高いポイントを与えることになります。
これはかなり主観的に見えますが、それだけに審判員は客観性を重視しているそう。
審判員たちは主観を可能な限り数値に置き換える基準づくりを行い、同じトリックに対する評価が異なることがないよう、その基準を微調整し、共有しています。
準備が重要
スケートボードは点数を標準化するのがとても難しい競技。
それは大会によってコースが全く異なるからです。
コースが違えばトリックの難しさも変化。あるコースではとても難しかったトリックがコースの配置によって比較的簡単になることもあるのです。
そのため審査員たちは大会のコースに合わせて基準を調整していきます。
どのようなレイアウトになるのか事前にプランを見て、コースに立って、さらに実際に滑って、それぞれのトリックの難易度を判断。
さらに選手たちの練習を観察し会話をするのも大切な仕事です。そこでコースを把握し、それぞれのトリックをどのくらいの基準で評価するかを考えます。
それでも大会では初めてのトリックを見ることも多く、審判員はかなり苦労するそうです。
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まとめ
パリオリンピックでは採点の項目が変わるスケートボードのストリート種目。
ランとベストトリックの両方が最終スコアに反映されるため、苦手項目を作れないことになります。
今回は審判員の採点の難しさもご紹介しましたが、競技の裏で審判員も苦労していると考えながら見ると、より面白く観戦できるかもしれません。
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