東京オリンピックでも注目を集めた競技の1つがスポーツクライミング。
リードクライミングとスピードクライミング、ボルダリングの3種目がありましたが、中でもボルダリングはロープを使わず、5m以下の壁を体のみで登る種目です。
手軽に楽しめるため、スポーツクライミング中でも最も普及しているのがこのボルダリング。
今回は、身近なボルダリングジムやスポーツクラブなど体験できる場所も増えているボルダリングのルールやマナーをご紹介します。
【ボルダリング】ルール
ボルダリングは、壁に付けられたホールドと呼ばれる突起物を手がかりや足がかりとして、設定されたコース(課題)を登るスポーツ。
競技大会では、課題をいくつ登りきれたかを競います。
ルール①課題のグレード
ボルダリングのルールは、とてもシンプル。
壁にはたくさんのホールドが取り付けられていますが、「どのホールドを使っても良いわけではない」というのが主なルールです。
課題となるコースは特定のホールドを結んで設定。その通りに登るのです。
ジムによって異なりますが、指定の方法は主に以下のパターンがあります。
・同じ色のテープで区別する
・同じ色・同じ形のテープで区別する
・同じ色のテープに数字を書いて区別する
・ホールド自体の色で区別する
ホールドの色で区別する場合は、例えば赤なら赤のホールドだけを使って登ることに。
テープの場合、ホールドに沿って貼られているテープの色と形や数字を見て区別します。
ルール②スタートとゴール
一般的なボルダリングジムでよく見られるテープを使用したコース指定の場合、同じようにテープに「スタート(または「S」)」や「ゴール(または「G」)」などと書かれています。
まずはスタートのホールドを両手で保持し、両足が地面から完全に離れた姿勢になってから開始。
コースによって、スタートは右手と左手が別々に指定されている場合もあります。
そして各コースで指定されたホールドを使って登っていき、ゴールのホールドを両手で掴んだら到達です。
ゴールしたら下りはどのホールドでも良いので使いながら、ゆっくりと降りていきます。
【関連記事はこちら】⇩
・【ボルダリング】上達する4つのコツ!初心者が注意すべきことは?
・スポーツクライミングのルールを解説!オリンピックにも選ばれた!
ルール③グレードと段級位制
明確なルールはなくジムによっても違いますが、ボルダリングのグレード(難易度)は段級位制で表すことが一般的です。
例えば10級から8級は易しいグレード。
子ども用や易しいグレードでは足はどのホールドを使っても良いという「足自由」のルールを採用していることもあります。
そして級が上がるにつれて難易度も上昇。
多くのジムでは初段や2段を最高グレードとしています。
各ジムではグレード表を提示。それを参考に挑戦し、より上の級を目指すのです。
ルール④コースの確認
使えるホールドが指定されますから、いきなり登り始めるとほとんどの場合、途中で迷子になります。
そこで最初にしなければならないのがコースの確認です。
コースの下に立ったら、ホールドやテープの色、数字などを見て、これから登るコースを観察します。
そして手足の使い方を事前にしっかりイメージし、その通りに登るのです。
途中で迷っていると余計な体力を使ってしまうため、パズルのように攻略法を組み立てておくことが重要で、それがボルダリングの大きな楽しみにもなります。
【ボルダリング】マナーと注意点
床にマットを敷くなど安全性にも配慮されているボルダリングですが、マナーを守らないと危険なこともあります。
挑戦する場合は、安全のためにもマナーを確実に守るようにしてください。
マナー①登らないときはマットの外に出る
ボルダリングでは突然高い所から人が落ちてくることがあります。
そのためマットの上にいるのはとても危険。
登る前や登った後にマット上に座って話などをしていると、ぶつかってケガをする可能性があります。
登るとき以外はマットの外に出るのがルールでありマナー。
特に親子で楽しむ場合は子どもがマット上で遊んでいないよう注意してください。
マナー②いきなり飛び降りない
ゴールした後や途中でギブアップするときに、壁の高い位置から飛び降りるのも危険。
もし下に他の人がいたら巻き込んでしまうだけでなく、誰もいなくてもケガの可能性があります。
無理なく降りられる高さまでホールドを使って下りてから飛び降りるようにしてください。
着地は必ず両足で行い、ひざを柔らかく使ってショックを吸収します。
下がマットだからと背中やお尻から着地するとケガにつながるため注意が必要です。
また壁とマットの隙間に足が入ってしまうと捻挫や骨折の危険も。
安全のため真下には飛び降りず、壁から少し離れたところに足をつくようにします。
マナー③同時に登ってはならない
ボルダリングは他人と距離を取って登るのがマナー。
特に同じコースを登るのは、1人が落下したときに激突してしまうため厳禁です。
またコースが違っても同じ壁だと、スタートでは離れていても徐々に近づいて邪魔になってしまうことも。
登ろうとしている壁にすでに登っている人がいたら、終了するまで順番を待つのがマナーです。
マナー④ボルト穴に指を入れない
ホールドには壁に固定するためのボルトの穴があります。
ここに指を入れた状態で足を滑らせると、指を骨折や切断することになります。
ボルト穴には指を入れないよう、注意してください。
まとめ
ボルダリングのルールはとても簡単です。
道具もほとんど要らず、ボルダリングジムがあれば簡単に始められる敷居の低さは大きな魅力。
レベルが上がれば攻略は難しくなり、どうやってゴールにたどりつくかを考える楽しさも増えていきます。
奥深いスポーツであるボルダリング。
ぜひ一度体験してみることをお勧めします。
【関連記事はこちら】⇩
・キッズボルダリングとは!?子供にとってのメリットとは?
・【オリンピック】新種目が採用される選定基準とは?新競技もご紹介!