どこよりも熱くお届けするスポーツコンテンツ

NEW POST

スポスルマガジンの最新記事

スポーツを探求する

サッカーの見方について・1【くぼっちコラム】

こんにちは。今回は「サッカーの見方」についてです。

普段、Jリーグや海外のサッカーの試合を観られるときに、皆さんはどんなところに注目していますでしょうか。

もちろん、好きなチームや好きな選手を応援しながら観る方もいれば、そのチームの戦術や個々の選手の技術などに注目して観る方もいるでしょう。それは人それぞれで様々あっていいですし、だからサッカーは楽しいのだと思います。

なので、今回から3回にわたり「サッカーの見方」シリーズとして書いていこうと思いますが、あくまでも「こういう見方をしたらもっと楽しいかも」「もっとサッカーの奥深さに気づけるかも」という視点で、読んでいただけたらと思います。

なお「観戦」というところから一歩踏み込んで「どう見るか」について話を進めるので、ここからは「観る」ではなく、あえて「見る」「見方」と表記していきます。

派手なプレーと地味なプレー、両方に注目してみよう!

試合を見ていてとてもわかりやすいのは、例えばオーバーヘッドシュートとか、強烈なロングシュート、綺麗なパス回しからの崩し、ゴールキーパーのスーパーセーブなどですよね。

しかしそんな「派手なプレー」の裏、もしくはその前段階には、必ず「地味なプレー」があります。

地味なプレーの積み重ねの結果、最後に「派手に見えるプレー」となって表れるわけです。

派手なプレーだけに目が行きがちですが、それを生み出す地味なプレーにも気づけるようになると、サッカーをより深く、そしてさらに楽しく見られるようになってくるのではないでしょうか。

ここからは、実際にどういう見方をすればいいのか、攻撃時と守備時に分けていくつか例をあげてみます。

派手なプレーと地味なプレー、攻撃のとき

攻撃時の派手なプレーと言えば、アクロバティックなオーバーヘッドやジャンピングボレーシュート、強烈なロングシュート、華麗な崩し、鋭いドリブル突破、走った味方にピタリと合わせるスルーパス、爽快なサイドチェンジなどでしょうか。

これらは確かに見ていてとても楽しいですし、時には驚かされ、歓声も大きく上がります。

では、これらを生み出す「攻撃時の地味なプレー」とは、実際にはどんなものがあるでしょうか。

オーバーヘッドやジャンピングボレーを打つ選手にボールが渡る前に、相手と競り合ってボールをこぼれさせた味方。

相手のセンターバックを横に釣り出す動きをして、ロングシュートを打つコースを作った味方。

前線の選手達が華麗なパス回しをしている時、奪われてもまたすぐに奪い返せるような位置にちゃんといてあげる味方。

ドリブル突破を仕掛けようとしている味方とクロスするように走り、コースを開けさせた味方。

相手選手が一瞬ボールに目をやった瞬間に裏を取って走り出し、スルーパスを引き出させた味方。

味方が反対サイドで相手数人を引きつけている間に、この後にきっとサイドチェンジが来る⋯と、準備をして待っている味方。

あげたらキリがないけれど、こんなにあるわけです。

またこれら全て、その前に「相手からボールを奪ってくれた」味方の存在も、決して無視できないですよね。

うーん、しかしそれはもう守備時の話になるのかな?いや、攻守は一体に行うものなので、これはどちらにも当てはまる、地味だけどスーパーなプレーヤーと言えるでしょう。

また、例えば派手なボールテクニックを披露する前にも、実はちょっとしたステップでいい場所に移動して(数十センチレベルの話)ボールをさわりやすくしているようなことも、うまい選手はみんなしています。

観客にも相手選手にも気づかれないタイミングで首を振って背後の味方を見ておいて、ボールが来た時にいきなりノールックパスを繰り出すとか。そんな地味な準備も、うまい選手はやはり必ずしているのです。

派手なプレーと地味なプレー、守備のとき

守備時の派手なプレーといえば、ゴールキーパーのスーパーセーブ、相手のパスをまるで待っていたかのように見事に奪うインターセプト、そして相手の持つボールを一人で奪いに行って奪ってしまう選手とか、ですかね。

やはりこれらの派手に見えるプレーの前にも、地味な働きがあり、地味な準備が隠されています。

相手シュートのコースを切って、飛んでいくコースを限定させてキーパーにセーブしやすくしてあげた味方。

パスコースを限定させ、後ろの選手にインターセプトをしやすくしてあげた味方。

さらにインターセプトで言えば、インターセプトをしやすくするために、相手にあえてそこにパスを出させるように仕向けるような駆け引きも、ピッチ上では繰り広げられています。

相手ボールを奪いに行った選手の後ろには、その選手が奪えなくて抜かれてもすぐにカバーできるように、味方がちゃんといてくれる。

何もプレーしていないように見えるけれど、そこに「いてくれた」だけで安心して奪いに行けたわけですから、地味だけど、味方やチームを助けたナイスプレーなわけです。

最後に

いかがだったでしょうか。

上にあげた以外にも「派手さの裏にある地味さ」はピッチ内にたくさん転がっていると思います。

派手で華麗なプレーを楽しみながらも、そこに隠れる地味なナイスプレーを自分で見つけようとしてみるのも、サッカーの楽しい見方かもしれませんね。

ここまで書いて今ふと思ったのですが、派手なプレーは「スーパープレー」そして地味なプレーは「ナイスプレー」と、言い換えてもいいかもしれません。

スーパープレーもとても大事。だって楽しいし!ワクワクもするし。

でもそれと同じくらい、地味なナイスプレーもたくさん必要なのです。

「サッカーの見方」シリーズの2回目となる次回は、「試合運び」について書きたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

くぼっちコラム サッカーの見方について第2回はこちら】⇩
サッカーの見方について・2【くぼっちコラム】



  • この記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
くぼっち

くぼっち

見方と考え方が変われば違う景色が見える。違う自分になれる。現実の殻を破るのだ

20年以上サッカーのプロコーチをしてきましたが、サッカーよりも好きなものがたくさんありすぎて、その影響か、サッカーを別の角度から見たり、疑ったり、これまでの見方を変えてみるという悪癖があります。でもそうすると、これまでとは全く違う景色が見えたり、新たな興味も湧いてくるんですよね。理想が現実を塗り替えていく、そんな世の中にしたいです。

  1. サッカーにおける「攻撃」とは・1【くぼっちコラム】

  2. 指導者と選手の素敵な関係性【くぼっちコラム】

  3. 育成年代においての試合の「やり方」【くぼっちコラム】

PAGE TOP