どこよりも熱くお届けするスポーツコンテンツ

NEW POST

スポスルマガジンの最新記事

スポーツを探求する

【インド】スポーツ事情|人口に対して盛んではない理由も解説!

2023年4月、ついにインドが人口で中国を抜いて世界一になりました。
14億2860万人は、なんと全世界の2割近い数です。
その膨大な人口にふさわしく、インドの映画制作本数は世界一。近年は世界的なヒット作も生まれています。
ところがスポーツに関しては、インド選手の活躍を目にすることはほとんどないはず。それとも実は日本人が知らないだけで隠れたスター選手が大勢存在するのでしょうか。
今回は、インドのスポーツ事情について解説します。

【インド】スポーツ事情 オリンピック

まずは多くのスポーツを網羅しているオリンピックから。
その過去の結果を見れば、その国でどのようなスポーツが盛んなのか、また国としてスポーツ選手の育成にどの程度力を入れているのかが分かるはずです。
そこで調査をしてみると、興味深い数字が浮かび上がりました。

【関連記事はこちら】⇩
【ブラジル】スポーツ事情|人気・有名・発祥など幅広く解説!
【フランス】スポーツ事情|人気・有名・発祥など詳しく解説!

インドのメダル数

まずは比較のために、ほぼ同じ人口である中国の近代オリンピックのメダル数から。
中国は夏季オリンピックには11回参加しています。

夏季オリンピック
メダル個数
262
199
173
634

一方、冬季オリンピックの参加も11回です。

冬季オリンピック
メダル個数
13
28
21
62

夏と冬の合計は696個。この数字はアメリカ、旧ソ連、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアに続く7位です。
ちなみに日本は夏冬合わせて45回のオリンピックに参加し、メダルの合計は573個。第9位となっています。
では今回のテーマであるインドはどうなのかというと、まず夏のオリンピックには25回参加しています。つまり中国の2倍以上。メダルの数も期待できそうなところですが……

夏季オリンピック
メダル個数
10
9
16
35

なんと中国の18分の1以下しかメダルを取っていません。金メダルの数では26分の1以下です。
では冬季はどうかというと、こちらは中国より少ない10回の参加。
そしてメダルの数は……

冬季オリンピック
メダル個数
0
0
0
0

そもそも冬季のスポーツに強そうな環境ではありませんが、それにしても世界一の大国にしてメダル0とは衝撃的な数字ではないでしょうか。
ということで合計メダル数は35個
世界60位という順位で、人口が280分の1のアイルランドと同じ数になります。
これを見てもインドがいかにスポーツに力を入れていないかがよく分かります。

【インド】スポーツ事情 盛んではない理由

オリンピックでのこれまでの結果については、インドオリンピック委員会でも「人口にふさわしい結果ではない」と認めています。
ではなぜインドではスポーツが盛んではないのでしょうか。
そこには4つの理由があると言われています。

理由① 非同盟主義

まずは1947年の独立以降、インドが非同盟主義を貫いたことです。
実は多くの先進国が第二次世界大戦後にスポーツに力を入れたのは、東西冷戦の時代にスポーツを国威発揚の道具として使ったからだと言われています。
つまりスポーツによる代理戦争。各国は国の力を上げて選手を育成し、その結果で国力を誇示してきました。
ところがインドは東西いずれの陣営にも属さない非同盟主義。スポーツ戦争にも加わらないという道を選んだため、スポーツへの予算が極端に不足することになったのです。特に競技場や練習施設の整備は全く進まない状態に。
インドがようやくスポーツ振興に目を向け始めたのは、経済が大きく成長した近年になってからなのです。

理由② カースト制

インドの都市部では古くから続くカースト制はかなり薄れてきたと言われています。しかし地方ではいまだにその影響が残っていて、異なるカーストの人々が同じスポーツを楽しむことに抵抗を感じる人も多いのです。
このカースト意識は特にチームスポーツを難しくする元凶。
一丸となることへの拒否反応がスポーツ振興を妨げていると言われています。

理由③ 貧困

インドは経済成長を遂げていますが貧富の差は激しく、人口の約20%が1日200円以下での生活を強いられています。またインドで生み出された富の70%以上を1%の金持ちが独占しているという統計も。このような状況の中、人々は必死に勉強をしてホワイトカラーの労働者を目指します
そのインド人の考え方を表した諺が「勉強をすれば王様になれるが、運動にうつつを抜かせば没落する」というもの。
同じような貧困の中でも、サッカーなどのスポーツで一攫千金を狙う南米の子どもたちとは違い、インドでは堅実に勉強して出世することを選ぶのです。

理由④ クリケット人気

そのインドにも実は圧倒的な人気を誇るスポーツがあります。
それはクリケット
日本ではマイナーなクリケットは、インドでは競技人口1億5千万人以上というとんでもない人気スポーツです。
テレビでの視聴者数も膨大。トップ選手になると年俸やスポンサー収入で年収が20億円を超えます。
このクリケットがあまりにも突出した人気のため、インドの若者は他の競技に見向きもしないことに。その結果としてインドではクリケット以外のスポーツがほとんど発展しなかったのです。
その唯一の例外はホッケー。インドがこれまでに獲得した10個の金メダルのうち8個はホッケーのもので、インドは1928年から1956年まで6連覇も達成しています。

まとめ

これまではスポーツ振興が進んでいなかったインド。
しかし途中で断念はしたものの、一度は2032年のオリンピック招致を目指すという動きもありました。
今後、国が一丸となってスポーツ振興に力を入れるようになったとき、インドは世界最大のスポーツ大国になるかもしれません。

【関連記事はこちら】⇩
【カナダ】スポーツ事情|有名・盛んな競技など背景も交えて解説!
【クリケット】年俸は〇〇億円?!スポーツミリオネアの全貌をご紹介!



  • この記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
HIT

HIT

スポーツなんでも見たいやりたいライター

好奇心旺盛で面白いこと大好き。アウトドアスポーツを中心に、陸上・水泳・テニス・武道など広〜く浅くなんでも挑戦してきたアクティブ派ライターです。

  1. 風速8mはどのくらいの強さ?屋外スポーツに与える影響を調査!

  2. ファウルチップとは?ファウルフライとの違いやルールを解説!

  3. 【バレー】ダブルコンタクトってなに?どんな時に起きる?旧称も紹介!

PAGE TOP