2023年は12月9日に決勝戦が行なわれる天皇杯。
以前は長い間「年明けの風物詩」となっていた歴史ある大会です。
この天皇杯は、規模で言えば日本最大のサッカー大会。
優勝すればまさに日本のサッカーチームの頂点となります。
それはどういうことでしょうか。
そしてこれまでに優勝したのはどのチームなのでしょうか。
今回は、サッカー天皇杯の歴代優勝チームを一覧でご紹介。
最多優勝を誇るチームがどこなのか、ぜひ予測しながらお読みください。
【サッカー】天皇杯とは
まずは天皇杯の概要から。いったいどのような大会なのでしょうか。
概要
天皇杯は、プロ・アマ問わず、日本サッカー協会に第1種登録しているチームが予選に参加できる日本最大のオープントーナメント。
J1リーグ、YBCルヴァンカップと並ぶ日本の国内3大タイトルの1つです。
本戦出場枠は88チームですが、社会人チームから大学サッカー部まで年齢制限なく予選への参加権が与えられています。
しかも「最強のチーム(ベストメンバー)をもって試合に臨まなければならない」という規定があるのも特徴。
まさに日本一を決める大会なのです。
歴史
天皇杯が始まるきっかけとなったのは、1918年の小さなサッカー大会です。
この年、東京など3ヶ所で小規模なサッカー大会が行なわれたことを知った英国大使が、日本のサッカー普及のために全国大会優勝チームに授与するカップを寄贈しました。
ところがこの頃は、日本にまだサッカー協会すらなかった時代。
銀のカップを贈られてしまった日本側はあわててサッカー協会を設立し、全国大会を開くことにしました。それが天皇杯のルーツです。
以後、戦争による中断などはありながらも、天皇杯は歴史ある大会として現在まで続いています。
ただし名称が「天皇杯」となったのは1951年の第31回以降。
それ以前は第1回から第14回が「ア式蹴球全国優勝競技会」、第15回から第20回までが「全日本蹴球選手権大会」、第26回が「復興全日本蹴球選手権大会」、第29回から第30回までが「全日本サッカー選手権大会」という名前でした。
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【サッカー】天皇杯歴代優勝チーム一覧
名称を変更しつつも100年以上の歴史を誇る天皇杯。
過酷なトーナメントを勝ち上がって優勝を果たしたのは、どのようなチームなのでしょうか。
優勝と準優勝一覧
第1回からの優勝チームと準優勝チーム、そして決勝のスコアがこちらです。
回 | 年度 | 優勝 | スコア | 準優勝 |
1 | 1921 | 東京蹴球団 | ○1-0● | 御影蹴球団 |
2 | 1922 | 名古屋蹴球団 | ○1-0● | 広島高師 |
3 | 1923 | アストラ・クラブ | ○2-1● | 名古屋蹴球団 |
4 | 1924 | 広島一中鯉城クラブ | ○4-1● | 全御影師範クラブ |
5 | 1925 | 鯉城蹴球団 | ○3-0● | 東京帝大 |
6 | 1926 | 大正天皇崩御のため中止 | ||
7 | 1927 | 神戸一中クラブ | ○2-0● | 鯉城クラブ |
8 | 1928 | 早大WMW | ○6-1● | 京都帝大 |
9 | 1929 | 関学クラブ | ○3-0● | 法大 |
10 | 1930 | 関学クラブ | ○3-0● | 慶應BRB |
11 | 1931 | 東京帝大LB | ○5-1● | 興文中 |
12 | 1932 | 慶應クラブ | ○5-1● | 芳野クラブ |
13 | 1933 | 東京OBクラブ | ○4-1● | 仙台サッカークラブ |
14 | 1934 | 極東選手権準備のため中止 | ||
15 | 1935 | 全京城蹴球団 | ○6-1● | 東京文理大 |
16 | 1936 | 慶應BRB | ○3-2● | 普成専門 |
17 | 1937 | 慶大 | ○3-0● | 神戸商大 |
18 | 1938 | 早大 | ○4-1● | 慶大 |
19 | 1939 | 慶應BRB | ○3-2● | 早大 |
20 | 1940 | 慶應BRB | ○1-0● | 早大WMW |
21 | 1941 | 太平洋戦争のため諸行事中止 | ||
22 | 1942 | 太平洋戦争のため諸行事中止 | ||
23 | 1943 | 太平洋戦争のため諸行事中止 | ||
24 | 1944 | 太平洋戦争のため諸行事中止 | ||
25 | 1945 | 太平洋戦争のため諸行事中止 | ||
26 | 1946 | 東大LB | ○6-2● | 神経大クラブ |
27 | 1947 | 世情不安のため中止 | ||
28 | 1948 | 世情不安のため中止 | ||
29 | 1949 | 東大LB | ○5-2● | 関大クラブ |
30 | 1950 | 全関学 | ○6-1● | 慶大 |
31 | 1951 | 慶應BRB | ○3-2● | 大阪クラブ |
32 | 1952 | 全慶應 | ○6-2● | 大阪クラブ |
33 | 1953 | 全関学 | ○5-4● | 大阪クラブ |
34 | 1954 | 慶應BRB | ○5-3● | 東洋工業 |
35 | 1955 | 全関学 | ○4-3● | 中大クラブ |
36 | 1956 | 慶應BRB | ○4-2● | 八幡製鉄 |
37 | 1957 | 中大クラブ | ○2-1● | 東洋工業 |
38 | 1958 | 関学クラブ | ○2-1● | 八幡製鉄 |
39 | 1959 | 関学クラブ | ○1-0● | 中大 |
40 | 1960 | 古河電工 | ○4-0● | 慶應BRB |
41 | 1961 | 古河電工 | ○3-2● | 中大 |
42 | 1962 | 中大 | ○2-1● | 古河電工 |
43 | 1963 | 早大 | ○3-0● | 日立本社 |
44 | 1964 | 八幡製鉄 | △0-0△ | 古河電工 |
45 | 1965 | 東洋工業 | ○3-2● | 八幡製鉄 |
46 | 1966 | 早大 | ○3-2● | 東洋工業 |
47 | 1967 | 東洋工業 | ○1-0● | 三菱重工 |
48 | 1968 | ヤンマー | ○1-0● | 三菱重工 |
49 | 1969 | 東洋工業 | ○4-1● | 立大 |
50 | 1970 | ヤンマー | ○2-1● | 東洋工業 |
51 | 1971 | 三菱重工 | ○3-1● | ヤンマー |
52 | 1972 | 日立製作所 | ○2-1● | ヤンマー |
53 | 1973 | 三菱重工 | ○2-1● | 日立製作所 |
54 | 1974 | ヤンマー | ○2-1● | 永大産業 |
55 | 1975 | 日立製作所 | ○2-0● | フジタ工業 |
56 | 1976 | 古河電工 | ○4-1● | ヤンマー |
57 | 1977 | フジタ工業 | ○4-1● | ヤンマー |
58 | 1978 | 三菱重工 | ○1-0● | 東洋工業 |
59 | 1979 | フジタ工業 | ○2-1● | 三菱重工 |
60 | 1980 | 三菱重工 | ○1-0● | 田辺製薬 |
61 | 1981 | 日本鋼管 | ○2-0● | 読売クラブ |
62 | 1982 | ヤマハ発動機 | ○1-0● | フジタ工業クラブ |
63 | 1983 | 日産自動車 | ○2-0● | ヤンマー |
64 | 1984 | 読売クラブ | ○2-0● | 古河電工 |
65 | 1985 | 日産自動車 | ○2-0● | フジタ工業 |
66 | 1986 | 読売クラブ | ○2-1● | 日本鋼管 |
67 | 1987 | 読売クラブ | ○2-0● | マツダSC |
68 | 1988 | 日産自動車 | ○3-1● | フジタ工業 |
69 | 1989 | 日産自動車 | ○3-2● | ヤマハ発動機 |
70 | 1990 | 松下電器 | ○0(4PK3)0● | 日産自動車 |
71 | 1991 | 日産自動車 | ○4-1● | 読売クラブ |
72 | 1992 | 日産FC横浜M | ○2-1● | 読売ヴェルデイ |
73 | 1993 | 横浜F | ○6-2● | 鹿島 |
74 | 1994 | 平塚 | ○2-0● | C大阪 |
75 | 1995 | 名古屋 | ○3-0● | 広島 |
76 | 1996 | V川崎 | ○3-0● | 広島 |
77 | 1997 | 鹿島 | ○3-0● | 横浜F |
78 | 1998 | 横浜F | ○2-1● | 清水 |
79 | 1999 | 名古屋 | ○2-0● | 広島 |
80 | 2000 | 鹿島 | ○3-2● | 清水 |
81 | 2001 | 清水 | ○3-2● | C大阪 |
82 | 2002 | 京都 | ○2-1● | 鹿島 |
83 | 2003 | 磐田 | ○1-0● | C大阪 |
84 | 2004 | 東京V | ○2-1● | 磐田 |
85 | 2005 | 浦和 | ○2-1● | 清水 |
86 | 2006 | 浦和 | ○1-0● | G大阪 |
87 | 2007 | 鹿島 | ○2-0● | 広島 |
88 | 2008 | G大阪 | ○1-0● | 柏 |
89 | 2009 | G大阪 | ○4-1● | 名古屋 |
90 | 2010 | 鹿島 | ○2-1● | 清水 |
91 | 2011 | FC東京 | ○4-2● | 京都 |
92 | 2012 | 柏 | ○1-0● | G大阪 |
93 | 2013 | 横浜M | ○2-0● | 広島 |
94 | 2014 | G大阪 | ○3-1● | 山形 |
95 | 2015 | G大阪 | ○2-1● | 浦和 |
96 | 2016 | 鹿島 | ○2-1● | 川崎 |
97 | 2017 | C大阪 | ○2-1● | 横浜M |
98 | 2018 | 浦和 | ○1-0● | 仙台 |
99 | 2019 | 神戸 | ○2-0● | 鹿島 |
100 | 2020 | 川崎 | ○1-0● | G大阪 |
101 | 2021 | 浦和 | ○2-1● | 大分 |
102 | 2022 | 甲府 | ○1(5PK4)1● | 広島 |
第44回大会の八幡製鉄と古河電工は、両チームが優勝となっています。
1992年のJリーグ発足以降、Jリーグ以外のチームの優勝はありませんが、2011年のFC東京と2022年のヴァンフォーレ甲府はJ2からの優勝です。
【サッカー】天皇杯|最多優勝チームは?
では最多優勝を誇るチームはどこなのでしょうか?
Jリーグ発足後
Jリーグが発足した1992年以後に複数回数優勝したチームのランキングがこちらです。
鹿島アントラーズ:5回
ガンバ大阪:4回
浦和レッズ:4回
横浜F・マリノス:2回
横浜フリューゲルス:2回
名古屋グランパス:2回
東京ヴェルディ:2回
鹿島アントラーズが最高の5回となっています。
歴代ランキング
では第1回大会からの優勝回数はどうでしょうか。
3回以上優勝しているチームを、回数の多いチームから並べました。
()内は旧チーム名
浦和レッズ(三菱重工):8回
慶應BRB(慶應クラブ、全慶應):8回
横浜F・マリノス(日産自動車):7回
関学クラブ(全関学):7回
東京ヴェルディ(読売クラブ):5回
ガンバ大阪(松下電器):5回
鹿島アントラーズ(住友金属工業)5回
セレッソ大阪(ヤンマー):4回
ジェフユナイテッド千葉(古河電工):4回
サンフレッチェ広島(東洋工業):3回
湘南ベルマーレ(フジタ):3回
柏レイソル(日立製作所):3回
東大LB(東京帝大LB):3回
早稲田大学:3回
以前の成績も含めると浦和レッズと慶應BRBは8回で1位になっています。
この慶應BRBは、慶應義塾体育会ソッカー部卒業生による社会人チーム。
慶應ソッカーは1960年頃まで学生と社会人の混成チームで天皇杯に挑んできた歴史があり、この間に最多の8回も優勝をしているのです。
さらに1937年の慶應大学ソッカー部の優勝も含めると、慶応の優勝は9回で単独トップになります。
ちなみに「ソッカー部」という名前は間違いではありません。長い歴史を誇る慶大流のサッカーの呼び名です。
まとめ
100年以上の歴史を誇る天皇杯。
全国のチームがしのぎを削る大会で優勝をすることは大変な名誉です。
その最多優勝はなんと慶應大学とそのOB。
Jリーグ発足以降はJリーグのチーム以外の優勝はもちろん、決勝進出もありませんが、高校や大学、社会人チームの躍進もぜひ見てみたいものです。
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