野球の国際大会といえばWBC(ワールドベースボールクラシック)やオリンピックが有名ですが、実はもう一つ、重要な国際大会があります。
それが「アジアプロ野球チャンピオンシップ」です。
いったいどのような大会なのでしょうか。
今回は、アジアプロ野球チャンピオンシップについて調査しました。
大会の概要や特徴的な出場資格、大会の目的、ルールの詳細について分かりやすく解説。
2023年大会に出場する日本代表選手一覧もご紹介します。
アジアプロ野球チャンピオンシップとは
多くの人にとってあまり耳馴染みがないはずの「アジアプロ野球チャンピオンシップ」。
いったいどのような大会なのでしょうか。
概要
アジアプロ野球チャンピオンシップは野球の国別対抗戦です。
その名の通りアジアのプロ野球を対象としたもので、日本の「日本野球機構(NPB)」、韓国の「韓国野球委員会(KBO)」、チャイニーズ・タイペイの「中華職業棒球大聯盟(CPBL)」、オーストラリアの「オーストラリア野球連盟(BA)」が主催。
2023年は東京ドームを舞台に11月16日から4日間開催し、4カ国の代表チームが優勝を競います。
歴史
この大会の歴史はまだ浅いものとなっています。
始まったのは2017年。
そもそも4年に1度の大会となっていてコロナ禍での中止もあったため、2023年がまだ2回目の大会ということになります。
2017年の第1回大会は、今回と同じ11月16日から19日に東京ドームで開催。参加は日本、韓国、チャイニーズ・タイペイの3カ国で、将来的にはアジア諸国によるアジアチャンピオンシップに発展していくことを目指した第一歩でした。
この大会では日本が優勝。
4年後の2021年に第2回大会を実施する予定で幕を閉じましたが、コロナ禍の影響で第2回は2023年まで延期となっていたのです。
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アジアプロ野球チャンピオンシップの出場資格
このアジアプロ野球チャンピオンシップがユニークなのは、プロの大会でありながら出場資格に年齢制限があること。
どのような制限で、その目的は何なのでしょうか。
年齢制限
この大会の参加資格は、24歳以下であること。
2023年大会の場合、1999年1月1日以降生まれであることが条件となります。
ただし「または入団3年目以内」という決まりもありますので、社会人からプロ入りした選手などは年齢が25歳以上でもチャンスがある場合も。
そしてオーバーエイジ枠は3名まで使えますが、その場合も29歳以下(1994年1月1日以降生まれ)となっています。
年齢制限の目的
この大会の目的は、国のベストメンバーで勝つことではなく、アジア地域における若手選手の育成。
この大会を機に若手選手が国際的な実力をつけていくことを狙っています。
2023年の出場選手
2023年10月に就任した井端弘和監督がメンバーに選んだのは以下の26人でした。
(◯はオーバーエイジ枠)
投手
楽天:早川隆久投手
日本ハム:根本悠楓投手
西武:隅田知一郎投手
西武:佐藤隼輔投手
西武:今井達也投手◯
巨人:赤星優志投手
ロッテ:横山陸人投手
ヤクルト:吉村貢司郎投手
ヤクルト:田口麗斗投手◯
阪神:及川雅貴投手
阪神:桐敷拓馬投手
中日:清水達也投手
捕手
西武:古賀悠斗選手
広島:坂倉将吾選手◯
中日:石橋康太選手
内野手
オリックス:野口智哉選手
オリックス:紅林弘太郎選手
DeNA:牧秀悟選手
阪神:佐藤輝明選手
巨人:門脇誠選手
広島:小園海斗選手
外野手
日本ハム:万波中正選手
ロッテ:藤原恭大選手
阪神:森下翔太選手
巨人:秋広優人選手
中日:岡林勇希選手
プロ2年目で9勝を挙げた西武の隅田知一郎投手や、今シーズン最多安打と打点王のタイトルを獲得したDeNAの牧秀悟選手、阪神のドラフト1位ルーキー森下翔太選手など注目の若手選手が並んでいます。
そしてオーバーエイジ枠はバッテリーが3人。プロ7年目で10勝を挙げた西武の今井達也投手、今シーズン33セーブを挙げたヤクルトの田口麗斗投手、3年連続で2桁ホームランを打った広島の坂倉将吾捕手が試合を引き締めます。
アジアプロ野球チャンピオンシップの試合形式
4カ国が優勝を争うこの大会、どのような形式で行われるのでしょうか。
予選
大会は4日間の日程のうち、3日間で4チームによる総当たりの予選が行われます。
日本は1日目にチャイニーズ・タイペイ、2日目に韓国、3日目にオーストラリアと対戦。
その結果で予選の1位から4位の順位が決まります。
決勝・3位決定戦
4日目の11月19日には、デーゲームで3位決定戦を開催。
予選3位と4位のチームが対戦します。
そして同日のナイターがいよいよ決勝戦。
予選1位チームと2位チームが対戦し、優勝が決まります。
大会規定
開催にあたって、細かな大会規定も発表されています。
基本的なルールは公認野球規則に準じたもので、全試合DH制を採用。
そしてこの大会では、ルールとしての投球制限はありません。
延長に関しては、9回を終了して同点の場合、10回からタイブレーク制に突入。
無死一・二塁、継続打順でスタートします。
そして予選と3位決定戦については12回で打ち切り。決着がつかない場合は引き分けとなります。
また決勝戦以外では、7回以降10点差以上でコールドゲームというルールも。
WBCのコールドゲームは1次ラウンドのみでしたが、この大会ではちょっと珍しい3位決定戦でのコールドゲームが見られるかもしれません。
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まとめ
注目の若手メンバーが世界に挑むアジアプロ野球チャンピオンシップ。
韓国、オーストラリア、チャイニーズ・タイペイと強敵ばかりの大会は、将来のWBCやオリンピックを占う大会という見方もできます。
国際大会で躍動する若手選手の活躍にぜひご注目ください。
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