テニスやバドミントン、バレーボールなどと同じように、卓球もサーブを打たなければゲームは始まりません。
このサーブ、試合を見ているといろいろな打ち方をしていますが、いったい何種類くらいあるのでしょうか?
今回は、卓球のサーブの種類を調査。それぞれの回転のかけ方や特徴を解説します。
【卓球】サーブの種類
サーブの種類は、距離・回転・打ち方で分類することができます。
それぞれどういったものがあるのか、まずはまとめてご紹介しましょう。
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距離による分類
サーブは打つ距離によって2種類に分けることができます。
・ロングサーブ:相手の台の上でワンバウンドしかしないサーブ
・ショートサーブ:相手の台の上でツーバウンド以上するサーブ
ロングサーブはスピード重視で直接ポイントを狙うことができるサーブですが、相手は下がって打つため大きくスイングでき、強打される可能性もあります。
ショートサーブは台の上で短く跳ねるため相手は大きくスイングできず、強打されにくいサーブとされてきました。しかし相手がチキータを使えると、ショートサーブでもレシーブで強打されるかもしれません。
サーブには多くの回転のかけ方や打ち方がありますが、その全てにロングサーブとショートサーブが存在。そしてこの2種類の中間のハーフロングというサーブを使うこともあります。
回転による分類
回転の種類は、大きく5種類に分かれます。
・上回転サーブ:ドライブ回転で前向きに進むカーブ
・下回転サーブ:バックスピンで自分の方に戻ってくるサーブ
・ナックルサーブ:回転のないサーブ
・横回転サーブ:横方向の回転でカーブするサーブ
・ジャイロ回転サーブ:回転軸が球の進行方向で急激に曲がるサーブ
実際のサーブは厳密にこの5種類に収まるわけではなく、同じ横回転でも斜め方向にするなど、選手によって回転を変えています。
またこの中のジャイロ回転サーブはかなり特殊なサーブ。
進行方向と回転軸が全く同じになるジャイロ回転は、回転をかけながら前向きに押す力を加えられないため、卓球では理論上不可能とされています。
前向きの回転も加われば、それは横下回転のサーブと同じ。
そのため実際には使える回転は4種類で、その代わりに横回転には右横・左横・斜め横など多くの種類があるということになります。
打ち方による分類
サーブの打ち方は主に6つの種類に分けられます。
・フォアサーブ:フォアハンドで打つサーブ
・バックサーブ:バックハンドで打つサーブ
・しゃがみ込みサーブ:低くしゃがみ込みながら打つサーブ
・巻き込みサーブ:手首を巻き込むようにして打つサーブ
・ハイトスサーブ:高くトスを上げて打つサーブ
・YGサーブ:ヒジを支点にして内から外にスイングするサーブ
一般的な初心者が使うサーブはフォアサーブで、バックサーブを使うのは少数派。
それ以外の打ち方は難易度が高くなります。
一時期有名になった「王子サーブ」がないと思われるかもしれませんが、王子サーブはしゃがみ込みサーブの一種です。
【卓球】各回転のかけ方
ではそれぞれの回転をかけるにはどのような打ち方をすれば良いのでしょうか。
回転の種類別に、打つための方法を解説します。
上回転サーブ
上回転サーブは基本的なフォアハンドで打てるサーブ。
ラケット面をややかぶせ気味にして後ろから前へ押し出すように打てば自然に上回転がかかるはず。
同じフォームのままスイング速度を変えることでショートにもロングにもなりますが、前進する回転がかかっているため、主にロングサーブに使われます。
下回転サーブ
回転系サーブの中で最も基本的な打ち方となるのが下回転サーブ。
バックスピンで戻ろうとするボールになるため相手が打ちにくいのがメリットで、レシーブの強打を防ぎやすくなります。
下回転サーブはフォアサーブとバックサーブで打てるサーブ。
どちらも前に向かって体重移動しながら、ラケット面を寝かせてボールの底を切るように打ちます。
ナックルサーブ
ナックルサーブは別名「無回転サーブ」。
野球のナックルと同じでボールが空気抵抗を受けやすく、予測不能な動きをします。
また相手がこちらの回転を利用できないため、単純なレシーブになりがち。
その結果、3球目での攻撃がしやすくなります。
ナックルサーブは下回転サーブと同じフォームで打つのがコツ。
下回転サーブではボールの真下をとらえますが、ナックルサーブではやや後ろ側をとらえ、切るのではなく押し出すように打ちます。
または下回転サーブと同じスイングをしながらラケットの根本に当てて遠心力を減らし、回転を少なくするという方法も。
いずれにしても相手には通常の下回転と思わせるのがコツ。それによってミスを誘うことができます。
横回転サーブ
横回転サーブは順横回転、逆横回転、斜め横回転など組み合わせが豊富で、相手にとって返球が難しいのがメリット。
そのため現代の卓球では大きな武器になっています。
フォアハンドで打つ場合はラケットを45度横に傾けた状態で腕を柔らかく振るのがポイント。
そしてさらに強烈な横回転をかけるために開発されたのが、巻き込みサーブやしゃがみ込みサーブ、YGサーブです。
例えば右利きの巻き込みサーブは、右足に重心を移しながらひじを背中側に引いてバックスイング。左足に体重移動し、腰の回転も使いながら、ラケットを左から右斜め前に鋭くスライドします。
こうすることでボールの右側後方を包み込むように打ち、逆横回転となる左横回転をかけるのです。
さらにボールを打つ位置やラケット面に当てる位置を変えることで、左横下回転や左横上回転も可能。
しゃがみ込みサーブやYGサーブも強烈な横回転となりますが、難易度はさらに高く、かなりの練習が必要なサーブとなります。
まとめ
基本のフォアやバック以外にもサーブの打ち方に多くの種類があるのは、主に強烈な回転を生み出すためです。
打ち方の項目で紹介したハイトスサーブは、高く上がったボールの落下速度を利用して回転量を増やすための工夫。
このようにサーブの打ち方と回転は密接に関わっています。
使えるサーブの種類を増やし、変幻自在の回転で相手を翻弄してください。
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