トライアスロンといえば、「鉄人レース(アイアンマンレース)」と言われるほど過酷なレース。
一般的な体力の人間にはとても無理と思われがちですが、実はそうとは限りません。
意外に短い距離の大会もあるのです。
今回は、トライアスロンの大会別の距離をご紹介します。
もしかしたらあなたが出られる大会が見つかるかもしれません。
【トライアスロン】基本の距離
トライアスロンが初めて行われたのは1974年。
アメリカのサンディエゴにある陸上クラブで、レクリエーションとして開催されたのが始まりといわれています。
過酷な競技として初めての大会が行われたのは1978年のことです。
最初のトライアスロンの距離
最初の本格的なトライアスロン大会は、「世界で最高の競技能力を持つアスリートは何の選手か」という会話から始まりました。
その会話が行われたのはハワイ。そこで「じゃあハワイで行われている3つのレースを一度にやって、すべてをクリアした勝者をアイアンマン(鉄人)と呼ぼう」ということになり、始まりました。
その3つのレースとは、「ワイキキ・ラフウォーター・スイム(3.8km)」、「アラウンド・ジ・アイランド・バイク・レース(180.2km)」、「ホノルル・マラソン(42.195km)」。
その結果トライアスロンは合計226.2kmの距離になったのです。
この最初の鉄人レースの参加者はわずか15名。
そのうち12名が見事に完走して、初代アイアンマンとなりました。
【関連記事はこちら】⇩
・【トライアスロン】初心者は何から始めるべき?注意点も要チェック!
・トライアスロンとは?競技内容や正式距離を詳しく解説!
トライアスロン・シリーズの公式距離
1982年、米国トライアスロン・シリーズ(USTS)が始まりました。
このとき公式の距離として決まったのが、スイム1.5km、バイク40km、ラン10kmの合計51.5km。
これは通称「オリンピック・ディスタンス」または「ショートディスタンス」と呼ばれ、現在では世界選手権など多くの大会で採用されています。
つまり一般的にトライアスロンといえば、この距離を表すことが多いのです。
さらにその1/2の距離は「スプリント・ディスタンス」。
ジュニアの大会や初心者向け一般大会ではこちらもよく採用されています。
主な大会の距離
では現在行われている主な大会の距離はどのようになっているのでしょうか。
世界と日本の主なレースの距離をご紹介します。
アイアンマン
過酷なトライアスロンの代名詞でもある「アイアンマン」は、先述のハワイの大会から始まった最古のロングディスタンス・トライアスロン・シリーズ。
同時に世界最大規模のシリーズでもあります。
アイアンマンは世界22ヵ国で年間40大会が開催されていて、ハワイで行われるアイアンマン世界選手権の予選にもなっています。
レース距離は第1回大会と同じです。
スイム:約3.8km(2.4マイル)
バイク:約180.2km(112マイル)
ラン:42.195km(26.2マイル)
合計:226.2km(140.6マイル)
このシリーズは総合順位もつきますが、主に5歳刻みの年代別で順位を競うのが特徴。しかもプロの競技というよりも普通の人が参加するレースとして人気を集めています。
テーマは「Anything Is Possible(不可能はない)」。
実は生涯競技として挑戦し続けている人もたくさんいるというシリーズなのです。
ワールドトライアスロンシリーズ
ワールドトライアスロンシリーズ(WTCS)は、世界中の大会を転戦してポイントを獲得し、年間チャンピオンを決めるシリーズ戦。
下は一般大会や国別選手権から始まり、成績の優秀な選手は大陸別選手権、ワールドカップ、ワールドシリーズと、より上位の大会に参加していきます。
そしてワールドシリーズの優秀選手はオリンピックに出場可能。
まさに世界最高峰のシリーズとなっています。
レースの距離はオリンピック・ディスタンスに準じたものです。
スイム:1.5km
バイク:40km
ラ ン:10km
合計:51.5km
日本ではワールドシリーズの一戦を2009年のシリーズ設置当初から横浜で開催。
山下公園前を中心とした会場で熱戦が繰り広げられます。
また年齢別のエイジグループ競技では半分のスプリントディスタンスも開催。
スイム:0.75km
バイク:20km
ラ ン:5km
合計:25.75km
さらにオリンピックディスタンスを3人で繋ぐリレー競技も行われます。
佐渡国際トライアスロン
トライアスロンの距離のうち、ミドルやロングはそれぞれの距離の制限が幅広くなっています。
例えばロングの場合、スイムが3000mから4000mで、バイクは91kmから200km、ランは22kmから42.2kmの範囲。
そのためオリンピックディスタンスやアイアンマンディスタンスに準じない距離の大会も数多くあります。
日本屈指の大会である「国内佐渡国際トライアスロン」も独自の距離を設定している大会。
その距離は以下のようになっています。
Aタイプ スイム:4.0km バイク:190.0km ラン:42.2km 合計:236.2km
Bタイプ スイム:2.0km バイク:108km ラン:21.1km 合計:131.1km
ちびっこクラス スイム:50m バイク:1500m ラン:600m 合計:2150m
キッズクラス スイム:100m バイク:2500m ラン:1000m 合計:3600m
ジュニアクラス スイム:200m バイク:5000m ラン:1800m 合計:7000m
ちびっこクラスは小1〜小3、キッズクラスは小4〜小6、ジュニアクラスは中学生で、他にBタイプの距離を3人で繋ぐリレーも行われます。
全日本トライアスロン宮古島大会
「宮古島トライアスロン」とも呼ばれる全日本トライアスロン宮古島大会はやはり独自の距離を設定していて、その美しいコースでも知られる大会。
過去5年間に51.5km以上のトライアスロンの大会で完走していることが出場条件になります。
その距離は以下の通りです。
スイム:3km
バイク:123km
ラ ン:30km
合計:156km
なお最初のスイムをランに置き換えたデュアスロンも開催されていて、その場合の距離は以下のようになります。
ラン:4,5km
バイク:123km
ラ ン:30km
合計:157.5km
前橋トライアスロンフェスタ
「日本一やさしいトライアスロン」というキャッチフレーズを掲げているのが前橋トライアスロンフェスタ。
距離が短く、ママチャリでの参加も可能、スイムは室内プールと、とにかくハードルが低くなっています。
短さが自慢のその距離は以下の通り。
未就学児 スイム:15m バイク:400m ラン:100m 合計:515m
小1〜小3 スイム:50m バイク:1500m ラン:700m 合計:2250m
小4〜小6 スイム:100m バイク:3000m ラン:1000m 合計:4100m
ビギナーチャレンジ スイム:50m バイク:3000m ラン:1500m 合計:4550m
パラ スイム:25m バイク:3000m ラン:800m 合計:3825m
ビギナー スイム:300m バイク:7000m ラン:2300m 合計:9600m
一般・リレー スイム:500m バイク:16000m ラン:4000m 合計:20500m
まさに誰でもチャレンジできるトライアスロンの入り口となっています。
まとめ
スイム、バイク、ランと3種目に挑戦するトライアスロンは、バランスよく体を鍛えるためにも適した競技。
飽きっぽい人にも向いているかもしれません。
しかもトライアストンは意外なことに生涯スポーツでもあるのです。
まずはビギナーチャレンジの合計5km以下からスタートして、最終的には合計226kmオーバーのアイアンマンを目指してみてはいかがでしょうか。
【関連記事はこちら】⇩
・【トライアスロン】初心者は何から始めるべき?注意点も要チェック!
・トライアスロンとは?競技内容や正式距離を詳しく解説!