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【アーチェリー】弓道との違いとは?5つの相違点を徹底解説!

弓で矢を射るアーチェリーと弓道。服装などから洋風と和風という違いがあるのは一目瞭然ですが、具体的には何が違うのでしょうか?

実はこの2つは、大きく違う部分ばかりなのです。

ここではアーチェリーと弓道の違いを徹底解説します。

アーチェリーと弓道の違い① 目的の違い

アーチェリーも弓道も、狩りや戦いから生まれたのは同じ。しかし現在のアーチェリーと弓道はその目的が大きく違います。

アーチェリーは命中制度を競う「スポーツ」です。道具や技術を向上させて、高い得点を目指します。

一方の弓道は精神鍛錬も目的とした「武道」です。命中させることも重要ですが、そこに至るまでの動作の美しさや精神の修行も重視。立って行う禅という意味で「弓道は立禅」とも言われます。

アーチェリーと弓道の違い② 命中制度の違い

アーチェリーと弓道の大きな違いが命中制度。アーチェリーの方が圧倒的に命中精度は高いのです。

アーチェリーの競技では、最長90m(女子は70m)離れた的の中心部分を狙います。60m、70m、90mの距離の場合、的の大きさは122cmで、中心の10点部分の直径は12.2cmしかありません。中心から遠くなるほど、得点は低くなります。

一方、弓道の競技は多くの場合、「近的」で行われます。この場合、的までの距離は28mで、的の大きさは36cmです。的にはいくつかの円が描かれているため、中心の方が得点は高いと思われがちですが、実は違います。

弓道では、この36cmの的に中る(あたる)かどうかだけで得点が判断されるのです。

競技では4本を1セットにし、これを2回行います。4本全てが中ると、「皆中(かいちゅう)」。この時だけは会場に拍手が起こります。弓道ではそれほど的に命中させることが難しいのです。

アーチェリーと弓道の違い③ 弓の違い

アーチェリーは道具の進化によって命中制度を上げてきたスポーツ。照準器や安定器、引き尺確認装置、種類によっては滑車なども使います。

一方の弓道は人の鍛錬を求める武道。道具をほとんど進化させないことに意味があります。

弓の形状

アーチェリーの弓にはいくつかの種類がありますが、そのいずれも弓の上下は対称で、中心部分がえぐれています。アーチェリーではえぐれた部分に矢を乗せ、まっすぐに弦を引きます。

一方の弓道の弓は、上下が非対称になっています。上が長くて下が短く、持つのは上から3分の2あたり。これは弓の反動を最も抑えられる位置です。

さらに弦は弓の右側にあって、放つと弓の右側を通る構造になっています。また矢は弓の右側につがえます

弓の長さはアーチェリーのリカーブボウの場合、男性で170cm前後、女性で165cm前後が一般的であるのに対して、弓道は長さ221cm(7尺3寸)が基準とかなり長くなっています。

弓の素材

弓の素材は、どちらも古典的な天然素材からハイテクのカーボンやグラスファイバーまでさまざま。ただし上級者が使う弓の方向は真逆になります。

アーチェリーの場合、上級者になると命中制度を求めて高級なカーボンなどを使用するのが一般的。

一方の弓道の場合は、上級者になると美しい型と精神的な美を求めて竹製の弓を使うことが多くなります。

弦の素材

アーチェリーの弦(ストリング)は、高密度ポリエチレン繊維の「スペクトラ」や「ダイニーマ」などの化学素材が一般的。アーチェリーでは技術革新で伸びにくく切れにくい弦が次々に開発されています。

弓道でもカーボンやグラスファイバーの弓の場合は、テクノーラ繊維やザイロン繊維といった化学素材の弦が一般的。しかし竹弓を使うような弓道上級者は古典的な麻の弦を使うことが多くなります。

アーチェリーと弓道の違い④ フォームの違い

弓の形や大きさが違いますから、アーチェリーと弓道ではフォームも違ったものになります。

引き幅の違い

アーチェリーでは弦はアゴにつけるところまで引きます。途中で矢を落としてしまった場合は、もう一度引き直すことができます。

弓道では弦はさらに大きく、耳の後ろまで引きます。途中で矢を落としてしまった場合、引き直しはできず、アゴを使って矢を乗せ直し、最後まで引くという決まりがあります。

発射時の違い

アーチェリーは弓の中心を矢と弦が通るため、素直に矢が飛んでいきます

しかし弓道の場合、素人が何も考えずに射ると、矢は大きく右側に飛んでいってしまいます。弓道では右に向かう矢を左手の握り方や右腕の捻りで修正するのです。動作がうまくいくと、発射の瞬間に弓が一回転して左手の甲の方に弦がくる「弓返り」が起こります。

アーチェリーと弓道の違い⑤ 習得の難しさの違い

アーチェリーは安定して中心近くに当て続ける競技なので、精度を上げていくためにはかなりの練習が必要です。しかし進化した道具のおかげで、近距離なら初心者でも的に当てることが可能。そういう意味ではアーチェリーの最初の段階の習得は簡単だといえます。

一方の弓道は、習得が難しいことで有名週1程度の練習では正しく弓を引けるまでに半年はかかると言われるほどです。

基本を身につけないと矢がとんでもない方向に飛んでいく上、弦が自分の顔や腕に当たって怪我をすることも。型を身につけてからも、4本中1本でも中るまでに半年、的中率50%を超えるまでに1年から2年はかかると言われています。

まとめ

似ているようで大きな違いがあるアーチェリーと弓道。その最も大きな違いは前者がスポーツ、後者が武道であること。そこからさまざまな違いが生まれています。

それぞれに奥が深く、他方にはない魅力を持ったアーチェリーと弓道、あなたはどちらに惹かれますか?

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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