先発投手にとって、1つの目標となる「最多勝利」。
最多勝利を獲得するということは、その年において最も優れた先発投手の証ということになります。
過去に最多勝利を獲得した選手にはどんな投手がいるのでしょうか。
今回は過去に最多勝利を獲得した投手の中で、複数回獲得した投手を紹介します。
最多勝利とは
最多勝利とは日本プロ野球の個人タイトルの1つで、シーズンを通して最も多く勝利投手となった選手に与えられます。
勝利投手に選ばれるということは、チームの勝利に導いたということになるため、最多勝利のタイトルを獲得した投手は、そのシーズンにおいて最も所属チームの勝利に貢献した投手ということになります。
日本プロ野球には数々のタイトルがありますが、最多勝利は投手部門において主要タイトルの1つであり、「最多奪三振」「最優秀防御率」と同時に獲得した場合は「投手三冠王」と呼ばれます。
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ヴィクトル・スタルヒン
【個人プロフィール】
生年月日：1916年5月1日
出身地：ロシア帝国
利き手（投・打）：右・右
プロ野球歴：東京巨人軍、太陽ロビンス、大映スターズ、トンボユニオンズ
タイトル・表彰歴：最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、最高殊勲選手、ベストナイン、野球殿堂競技者表彰【最多勝利】
獲得回数：6回
獲得年度：1973年秋、1938年春、1938年秋、1939年、1940年、1949年
通算勝利数：303回
伝説の投手である沢村栄治と並び称されたスタルヒンは日本プロ野球歴代1位である最多勝利6回を記録している大投手です。
1939年に42勝で最多勝利を獲得しましたが、戦後に戦前のスコアブックを見直した結果、スタルヒンに勝利が付かないケースが2試合あることから40勝に一度訂正されました。
しかし、稲尾和久が1961年に同じく42勝を達成したことから議論が再び起き、「当時の公式記録員を尊重すべき」ということで42勝に戻される出来事がありました。
斎藤雅樹
【個人プロフィール】
生年月日：1965年2月18日
出身地：埼玉県
利き手（投・打）：右・右
プロ野球歴：読売ジャイアンツ
タイトル・表彰歴：最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、沢村栄治賞、最優秀選手、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、野球殿堂競技者表彰、最優秀投手【最多勝利】
獲得回数：5回
獲得年度：1989年、1990年、1992年、1995年、1996年
通算勝利数：180回
プロ野球の生涯を読売ジャイアンツでプレーした斎藤雅樹は「平成の大エース」と呼ばれました。
日本プロ野球記録である連続完投勝利記録11回、シーズン最多完封回数7回を達成し、平成初の沢村栄治賞を受賞しました。
最多勝利を獲得するということは、その年において最も優れた先発投手の証ということになります。
そんな大投手である斎藤雅樹は最多勝利を歴代2位の成績である5回獲得しました。
稲尾和久
【個人プロフィール】
生年月日：1937年6月10日
出身地：大分県
利き手（投・打）：右・右
プロ野球歴：西鉄ライオンズ
タイトル・表彰歴：最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、最高殊勲選手、新人王、ベストナイン、野球殿堂競技者表彰、最優秀投手、日本シリーズMVP【最多勝利】
獲得回数：4回
獲得年度：1857年、1958年、1961年、1963年
通算勝利数：276回
日本プロ野球における伝説の投手として名を馳せた稲尾和久は最多勝利のタイトルを4回獲得しています。
当時は連投・多投が通常で、稲尾和久も例外ではありません。
1958年の日本シリーズではチームが3連敗した後で、稲尾和久が4連投・4連勝して日本一に導いたことから「神様・仏様・稲尾様」と称賛されました。
1961年に日本プロ野球歴代シーズン最多勝利数である42勝で最多勝利を獲得し、他にも「最優秀防御率」「最多奪三振」「最高勝率」を獲得したため「投手四冠」を達成しました。
野茂英雄
【個人プロフィール】
生年月日：1968年8月31日
出身地：大阪府
利き手（投・打）：右・右
プロ野球歴：近畿バファローズ、ロサンゼルス・ドジャース、ニューヨーク・メッツ、ミルウォーキー・ブルワーズ、デトロイト・タイガース、ボストン・レッドソックス、ロサンゼルス・ドジャース、タンパペイ・デビルレイズ、カンザスシティ・ロイヤルズ
タイトル・表彰歴（NPB）：最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、沢村栄治賞、最優秀選手、新人王、ベストナイン、野球殿堂競技者表彰
タイトル・表彰歴（MLB）：最多奪三振、新人王【最多勝利】
獲得回数：4回
獲得年度：1990年、1991年、1992年、1993年
通算勝利数：78回
「トルネード投法」と呼ばれる独特なフォームで有名な野茂英雄は最多勝利を4回達成しています。
4年連続での達成は2リーグ制以降の投手としては最長記録です。（1リーグ制時代の最長は5年連続のスタルヒン）
プロ5年目でMLBに挑戦し、ノーヒットノーラン2回達成、最多奪三振2回獲得、新人王受賞というアジア人史上初の快挙を成し遂げています。
涌井秀章
【個人プロフィール】
生年月日：1986年6月21日
出身地：千葉県
利き手（投・打）：右・右
プロ野球歴：埼玉西武ライオンズ、千葉ロッテマリーンズ、東北楽天ゴールデンイーグルス
タイトル・表彰歴：最多勝利、沢村栄治賞、ゴールデングラブ賞【最多勝利】
獲得回数：4回
獲得年度：2007年、2009年、20015年、2020年
通算勝利数：154回
東北楽天ゴールデンイーグルスのエースとして活躍する涌井秀章はパ・リーグタイ記録である最多勝利4回を獲得しています。
他にパ・リーグタイ記録を持っている投手は「稲尾和久」「野茂英雄」といますが、3球団（西武・ロッテ・楽天）、3つの年代（2000年代、2010年代、2020年代）での受賞は史上初の快挙です。
パ・リーグだけでなく日本を代表する投手となりました。
まとめ
今回は過去に複数回最多勝利を獲得した投手について紹介しました。
最多勝利のタイトルはチームを最も勝利に導いた投手であることから、先発投手が目指すタイトルの1つです。
今後どのような選手が最多勝利を獲得するのか楽しみです.
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