国家レベルでエリート選手を育成しているイメージがある中国。
実際にオリンピックなどの世界的大会では多くの優勝を果たしています。
特に強い印象があるのは、卓球やバドミントン。
では他にはどのようなスポーツを得意としているのでしょうか?
また中国の一般の人たちに人気のスポーツは何なのでしょうか?
今回は、中国のスポーツ事情を調査。
特に強い競技や人気のある競技などをご紹介します。
【中国】スポーツ事情 強い競技
まずは中国が得意としているスポーツから。
中国国家体育総局が2022年12月27日に「2022年わが国選手の成績報告」というレポートを発表しています。
それによると2022年の1年間に中国のスポーツ選手は21種目で93の世界1位を獲得しているのです。
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中国が強い競技一覧
中国が2022年の大会で世界1位となった競技と回数は以下の通りです。
競技 | 2022年の優勝回数 |
飛び込み | 21 |
ウエイトリフティング | 19 |
射撃 | 12 |
フィンスイミング | 8 |
フリースタイルスキー | 4 |
アーティスティックスイミング | 4 |
陸上 | 4 |
体操 | 3 |
バドミントン | 2 |
卓球 | 2 |
テコンドー | 2 |
ショートトラックスピードスケート | 2 |
象棋(中国将棋) | 2 |
競泳 | 1 |
ボート | 1 |
カヌー | 1 |
トランポリン | 1 |
スノーボード | 1 |
フィギュアスケート | 1 |
スピードスケート | 1 |
チェス | 1 |
卓球のイメージが強い中国ですが、最も多く勝っているのは実は飛び込みやウエイトリフティングなのです。
また五輪種目とそうでないものを分けると、五輪種目の世界1位が51で、非五輪種目の世界1位は42。
国の威信をかけて五輪選手を育成するイメージがありますが、そうではない種目でも中国は強さを発揮しています。
【中国】スポーツ事情 人気の競技
では中国の一般の人に人気のスポーツは何でしょうか。
観戦するスポーツと行うスポーツ別に調査してみました。
観戦
中国でスタジアムなど現地に行って応援する人とテレビで視聴する人を合算した視聴率ランキングトップ5は以下のようになります。
順位 | 競技 | 視聴率(現地+テレビ) |
1 | バスケットボール | 34.9% |
2 | サッカー | 10.4% |
3 | 卓球 | 7.1% |
4 | 体操 | 6.8% |
5 | バトミントン | 5.9% |
意外なことにバスケットボールが圧倒的な1位です。
実は中国ではバスケットボールは「国民的スポーツ」と呼ばれるほどの人気。
中でもNBAが人気で、約5億人が少なくとも年に1回はNBAの試合を観戦すると言われています。
その人気を牽引したのは、なんといっても中国のスーパースター姚明(ヤオ・ミン)選手。身長229cmで「歩く万里の長城」と言われた彼はNBA全体ドラフト1位でヒューストン・ロケッツに入団し、大活躍しました。
またオリンピック中国代表ではその長身を活かしたリバウンドとブロックでチームをベスト8に導き、バスケットボール人気を絶対的なものにしたのです。
日常スポーツ
では中国の人が日頃行っているスポーツは何でしょうか。
「日頃行っているスポーツは?」と質問をしたアンケート結果がこちら。
順位 | スポーツ | 割合 |
1 | ジョギング・ランニング | 69% |
2 | ウォーキング | 53% |
3 | バドミントン | 47% |
4 | サイクリング | 41% |
5 | 登山・ハイキング | 40% |
6 | 水泳 | 35% |
7 | 卓球 | 33% |
8 | ヨガ/フィットネスダンス | 29% |
9 | 器具を使ったトレーニング | 27% |
10 | バスケットボール | 25% |
11 | テ ニ ス | 17% |
12 | サッカー | 17% |
13 | バレーボール | 13% |
14 | ローラースケート/スケートボード | 11% |
15 | スキー | 10% |
16 | スケート | 10% |
同じような調査は日本でも行われています。
ただしこちらは「この1年間に1度でも参加したことがあるスポーツは?」という質問。
そのトップ3は以下のようになります。
順位 | スポーツ | 割合 |
1 | ウォーキング | 64.1% |
2 | 体操 | 15.2% |
3 | トレーニング | 14.4% |
比べてみると、中国の人たちがいかによく体を動かしているかが分かります。
ランニング
中国の人口は14億人ですから、単純計算では約10億人が日常的にジョギングやランニングをしていることに。これは誇張ではなく、実際にとても多くの人がジョギングを日常的に行っています。
マラソンイベントの数は年間1000以上。本気のマラソンランナーの数はこの数年間で50倍になり、大会に参加するランナーだけで年間に延べ800万人になると言われています。
バドミントン
球技のNo.1はバドミントンで、なんと47%。
単純計算では日常的に楽しんでいる競技人口が6.6億人にもなります。
ちなみに日本では、日常的にどころか「この1年間にバドミントンをやったことがある」という人ですら、わずか2.7%です。
実際に中国ではバドミントンは日常的に行われているスポーツ。道沿いや公園でバドミントンを楽しんでいる人の姿を頻繁に見かけることができます。
またマンションやデパートの中、会社など、あらゆる場所にバドミントンのコートが。誰でもちょっとした空き時間に楽しむことができるのです。
実は昔から中国では卓球が球技で一番の人気でした。ところが近年は、より短時間にカロリーを消費できるということでバドミントン人気が逆転したのだとか。
中国では多くの人がかなり上手にプレーできるため、日本人が混ざって楽しみたい場合は、まずは基礎をしっかり練習してからの方が良いようです。
サイクリング
中国はもともと通勤通学用に自転車が広く普及している国。
しかしこの調査で41%が日常的に行っていると答えた「サイクリング」は通勤通学ではなく、スポーツサイクルを使った運動です。
中国では今、スポーツサイクリングが大ブーム。
特に若者から中年層までに人気で、そのうちの約7割が毎週複数回サイクリングしているといいます。
ちなみに中国でのスポーツサイクルの価格は2万円から40万円と幅広く、6万円から10万円までのものが特に売れているそう。
中国でもサイクリングはある程度お金のかかるスポーツであるようです。
まとめ
トップ選手の活躍に目が行きがちな中国のスポーツ。
しかし実は日常的にスポーツを楽しむ人がとても多い国です。
近年はジムでのトレーニングも大流行してフィットネスジムが激増中。
今回ご紹介したランニングやサイクリングのように一人で楽しめるスポーツも人気を集めています。
一方、街のあちこちでバドミントンを楽しむのは、一緒にプレーすることで人とのつながりを持つ文化があるから。
もし中国に滞在する機会があったら、スポーツで親睦を深めるのも良いかもしれません。
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