柔道着の着方って?そんなのルールあるの?と思いますよね。
でも柔道着の着こなしが大切、武の道を究める、柔よく剛を制す、恐らく日本を代表するような選手はみな、実力に相応しくその柔道着を纏う姿から強さがにじみ出ている様に思います。
そこで今回は格好良い柔道着の着方を解説します。
柔道着の着方
柔道着の選び方
まず、背筋を伸ばして正面を向いた状態で”身長”を測定しましょう。
同じ体重でも筋肉の付き方次第で体格骨格が大きく変わります。”胸囲”や”腹囲”もしっかり測定してください。
腹囲を測る際はメジャーでズボンの紐を締めるウエスト位置でしっかりと測定しましょう。胸囲はトップバストではなく、両脇の下あたりを通るように測りましょう。
”腕の長さ”は重要です。IJF(国際柔道連盟)基準を満たす必要があり、柔道着コントロールに則って長さの規定が厳格にあります。「前ならえ」の体勢を取り、首の付け根から背骨にそって10 cm下の位置を起点に、手首(手首関節先端)までの長さを採寸します。
ちなみに柔道着のサイズ表は、日本製の場合は体格骨格に合わせてサイズがかなり細分化されています。
また、洗濯で縮むことを織り込み済みなので、”大きいサイズを選ばない”ようにと言われています。
柔道を本格的に始めない限り、学校の授業などでは解らない話ですね。
帯の長さと締める位置
”帯”は長すぎず短すぎず、結び目から15センチ程度出るような長さを選びましょう。
道着はこまめに洗濯する必要がありますが、黒帯は洗濯すると変色して灰色になってしまうようなこともあるので陰干しで留めましょう。
締める位置は、結び目がヘソの上に来るように結びましょう。
美しく見せる道着姿は帯の結び目が重要だそうで、道着の上着の裾から襟の間を、下から「1:1.618の比率」になる位置で結ぶのが最も美しいと言われています。
帯の刺繍などもその人のセンスが問われるそうで、あまりゴチャゴチャ文字を入れずにさりげなく苗字程度にとどめる方がスマートだと言われています。
だからなのか、規定を著しく犯している刺繍を入れている柔道着は、主催者の判断や相手からのクレームで「失格」になることもあるそうです。
ちなみに刺繍を入れる位置も規定で決められており、上衣は左の裾、下衣は左の腰となっています。
そもそもなぜ刺繍を入れるのか、それは脱いだ時に誰のものか分からなくなることを防ぐためです。
帯を締める位置などは、何となく腹の下に少し緩めにしている方がカッコよいと思うのは素人目線であって、帯の結び方のみならず刺繍のルール等にも道の極みがあるとは恐れ入りました。
柔道着の洗い方
白い柔道着のみならず最近ではブルーの柔道着もあり、洗濯する際には他のものと分けて行ったほうが良いでしょう。
色落ちもさることながら、道着自体は水を吸うととても重くなるので洗濯機が回りにくくなるのもその理由です。そして酸素系の洗剤を使わないと生地を痛めるので注意が必要です。
ちなみに洗う際には、生地を傷めないためか裏にして洗ってくださいとのこと。
そして稽古を行うたびにこまめに洗わないと異臭を放ちますので清潔を保ちましょう。
あっという間にカビが生えて汗以上の異臭を放つようになりますので、接近戦をする柔道では組み合う以前に最低限の必須マナーかもしれませんね。
洗った柔道は陰干しが推奨されていますが、急いでいる時は天日干しをしても構わないそうです。
ただし多少縮むこともあるようですが、汗を吸うとまた元のサイズに戻るそうです。長く乾かすのはご法度のようで、色褪せの原因になるそうなので注意が必要です。
道具を大事に扱う、スポーツマンシップの第一章ですので、長く着ることができるように愛情を持って扱ってくださいね。
柔道着の正しい着方のポイント
①ズボン(下衣)から履く(紐を通す輪っかがある方が前)
②ズボンの両側から細い紐が出ているのでそれを引っ張り、どちらかを前部の輪っかに通す
③左右の紐をクロスさせ、2つの紐を2~3回巻きつける
④左右の紐を引っ張って引き締め、蝶々結びをする
⑤蝶々結びをさらに紐の内部に巻き付けると安定感が増す
⑥上衣を着る際には右を下に左を前に合わせる
⑦帯をへその上(やや下も可)に合わせ後ろに廻しクロスさせる
⑧クロスさせた帯もまた前に持ってきて左右を引っ張りまたクロスさせる
⑨上に重なった帯を巻いている帯の下にくぐらせる
下から通した帯を上に重ねて固結び、更にガッチリ結んで出来上がり。
柔道着のたたみ方のポイント
①上衣を表に向けて、下がり(ひし形の縫い目が入っている部分)を合わせる
②下衣の上部1/4を折り、上衣の上に重ね置く
③上衣の袖左右をそれぞれ下衣を包むように折りたたむ
④柔道着を半分に折りたたむ
折りたたんだ柔道着に帯を横から巻き付けて完成。
まとめ
柔道着の着方の世界、いかがでしたでしょうか。
そもそも柔道着を着る前に道着選びに繊細なルールがある点、また帯の長さや締める位置にも競技の特性を垣間見ることができ、洗濯をして縮むことまで考慮されているとか、そもそも洗剤選びで道着の持ちが違うとか、知らない世界がたくさんあると思いました。
日本の柔道は世界に誇る強さがありますが、その強さの陰に強く見せるための奥義のようなものを感じます。
これから柔道を違った目で見られる嬉しさを感じた私です。
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