サッカーの役割を表す言葉の一つが「シャドー」。
「なにそれカッコいい」と言いたくなる名前ですが、ポジションの名前にシャドーは存在しません。
ではシャドーとはどういう役割で、どこのポジションが担うものなのでしょうか。
今回は、サッカーのシャドーを解説。
言葉の意味や具体的な役割、お手本となる選手をご紹介します。
【サッカー】シャドーとは
シャドーは英語で「影」のこと。
そのままでシャドーと呼ぶこともありますが、ストライカーをつけて「シャドーストライカー」とも呼ばれます。
直訳すると「影のストライカー」。その名の通り、影から出てきて得点を奪う選手という意味です。
ストライカーとの違い
ストライカーといえば、センターフォワードに位置する選手を指すのが一般的。
主に最前列中央のポジションで、相手のディフェンスラインと駆け引きしながら、常にゴールを狙います。
一方のシャドーストライカーは、なるべく相手ディフェンスとの接触を避けながら、マークをつけられないように自由に動き回るのが特徴。
そして周囲の選手をサポートしつつ、その名の通り影から現れてゴールも狙うのです。
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シャドーのポジション
シャドーの役割を担った選手は、主にフォワードとミッドフィルダーの間の1.5列目でプレーします。
これはいわゆるトップ下と言われる位置。
ポジションとしてはミッドフィルダーの中のオフェンシブミッドフィルダーになります。
この場合、シャドーを2人とするツーシャドーになることも。
またフォワードを2人配置したときの1人がトップ、もう1人がシャドーの役割を担うこともあります。
このようにチーム全体のフォーメーションによって、シャドーのポジションも変わってくるのです。
【サッカー】シャドーの役割
シャドーはストライカーとしてゴールを狙うほかにも多くの役割を担っています。
サポート
シャドーは、センターフォワードの近くに位置してサポートをします。
センターフォワードに近づいてパスを繋いだり、背後に抜け出したりするなど、センターフォワードが孤立しないように補助するのです。
チャンスを作る
相手ミッドフィルダーとディフェンダーの間はバイタルエリアとも呼ばれ、決定的チャンスが生まれるスペース。
シャドーはこのバイタルエリア付近でボールを受け、チャンスを作る役割を担っています。スルーパスなどでアシストをするか、直接ゴールを狙うか、シャドーの働きでチームの得点力は大きく左右されるのです。
マークを外す
シャドーの動きによって相手ディフェンダーを引きはがし、自らフリーになって切り崩すのも役割。
逆にディフェンダーを引きつけることで、味方をフリーにすることもあります。
さまざまな方法でディフェンスのマークを外し、フリーの選手を作ることが求められるのです。
ディフェンス
相手ゴール前のプレーではボールを奪われる可能性の方が大。その場合、素早く攻守を切り替えてボールを奪いに行くファーストディフェンダーになることも重要です。
前線でボールを再び奪うことができれば、相手ゴールの近くで攻撃を再開できるため、得点しやすくなります。
【サッカー】シャドーに求められる動き
シャドーストライカーには、影としての独特な動きが求められます。
意識しなければならないのは「3人目の動き」です。
3人目の動きとは、パスの出し手と受け手以外の選手の動きの事。相手ディフェンダーの守備を崩し、自分のマークを外すためには、パスが出た瞬間に的確な「3人目の動き」をすることが必要となります。
なぜなら相手ディフェンダーはパスの出し手と受け手に一瞬注意が向くから。ここでシャドーがタイミングよく3人目の動きを行えば、フリーになってアシストやシュートにからみやすくなります。
また、3人目の動きのタイミングを意識することで、オフサイドになる可能性を減らすことができるのです。
【サッカー】お手本となるシャドーの選手
なかなか難しそうなシャドーの役割。
ではどのような選手のプレーを参考にすればよいのでしょうか。
リオネル・メッシ＆ネイマール
世界最高のシャドーがいるクラブといえば、フランスのリーグ・アンの最強クラブであるパリ・サンジェルマン。
トップにキリアン・エムバペ選手、トップ下にリオネル・メッシ選手とネイマール選手という布陣はまさに驚異的です。
メッシ選手は右サイドから切り込んでゴールやアシストを連発。ゴールを演出するあらゆるプレーに参加します。相手ディフェンダーとのコンタクトを避け、絶妙なタイミングでゴール前に現れるその動きはまさにシャドーです。
またネイマール選手は左サイドのポジションからいつの間にか中央トップ下のポジションに移動して、センターフォワードをサポート。また味方とのコンビネーションで相手ディフェンスを崩します。
このツーシャドーを止めることはまさに至難の業。
ただしメッシとネイマールには参考にしてはいけない特徴もあります。
それは守備にほとんど参加しないこと。
シャドーに求められるファーストディフェンダーの働きをあまりしないため、チームは彼らの分も守備に人数を割かなければなりません。
トーマス・ミュラー
ドイツサッカー界の生きるレジェンドと言われるトーマス・ミュラー選手は典型的なシャドーの名選手。
フォワードとしてはフィジカルが弱い代わりに、彼は「オフ・ザ・ボールの王様」と呼ばれるほどポジション取りを得意としています。
変幻自在な3人目の動きで自らがフリーになったり、他の選手がプレーしやすい状況を作り出したりできるのが特徴。
ボールに触れていないときにチームのために動き、前線での守備にも貢献、さらにアシストやゴールを生み出すテクニックにも優れているミュラー選手は、シャドーとして真っ先にお手本にしたい選手だといえます。
まとめ
センターフォワード以上に得点に絡むこともあるシャドーは、スター選手が多い憧れの役割。
影という名前とは対照的に、チームの花形にもなっています。
名選手たちのプレーを参考に、一流のシャドーを目指してください。
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