バレーボールは世界中に愛されているスポーツで、日本でも絶大な人気を誇るスポーツです。
バレーボールはネットを挟んでプレーをするため、対戦相手とコンタクトすることがなく、発生したとしても味方選手との交錯くらいです。
そのため、怪我が起こる時は接触プレーで発生する突発的な怪我よりも、身体を使いすぎることにより発生する障がいの方が多いです。
障がいは日頃からのケアや意識で、予防することが出来るため、発生しやすい怪我を理解した上で、予防法を取り組んでみてください。
今回はバレーボールで発生しやすい怪我を「上半身」と「下半身」に分けて、アスレティックトレーナーの資格を保持している筆者がご紹介します。
【バレーボール】上半身の怪我ランキングとその予防法
バレーボールで起こりやすい上半身の怪我で最も多いのが、ボールによる突き指、次に多いのが繰り返し負荷がかかることによって起きる「腰椎椎間板ヘルニア」「腰椎分離症」ではないでしょうか。
まずはそれらの怪我についてご紹介します。
突き指
バレーボールの怪我の中で最も多いと言っても良いほど、発生しやすい怪我は突き指です。
バレーボールでは、身体だけを使って速いサーブやスパイクをレシーブ&ブロックする必要があります。
特にブロック時には強烈なスパイクを数10cmの距離で防ぐ必要があり、手のひらで止めることができればいいのですが、ボールが指に当たってしまい、突き指することが度々あります。
強い衝撃が加わって起こる外傷のため、腱の損傷や骨折をしてしまうことも少なくなく、ひどい場合には脱臼などが起こるケースもあります。
手の広げ方を意識することや、テーピングにより保護することが大切になります。
腰椎椎間板ヘルニア
脊椎には椎間板というクッションの役割を果たすものがあり、その中には髄核と呼ばれるジェル状のものがあります。
椎間板ヘルニアは、脊椎に強い力が加わった時、椎間板がその衝撃に耐えられず、中の髄核が飛び出してしまう状態のことを指します。この髄核が脊髄や神経根を圧迫することで、椎間板ヘルニアとしての症状が現れます。
その椎間板ヘルニアが腰椎の高さで出現すれば、症状は腰痛、下半身の痛みや痺れを感じることが多く、長期的に怪我と付き合っていく必要があります。
腰椎分離症
腰椎分離症は疲労骨折の1つで、椎間板の椎弓にヒビが入ることを指します。
疲労骨折は持続的に負荷がかかることで起きる骨折のことで、荷重のかかる足部・下腿部に多いとされています。バレーボールはスパイクを打つ時に腰を反らして勢いをつけることが多く、それを繰り返すことにより腰椎分離症を発生させてしまいます。
腰を反る、腰を捻る、長時間座ると痛みを発生させ、腰椎分離症が悪化すると歩くだけで腰が痛い、下半身にも痺れや違和感が出るといった症状が現れます。
腰椎分離症は骨が完成しきっていない少年少女によく起こるとされています。
体幹部の筋肉は自然なコルセットのような役割をしており、これらをトレーニングすることで「腰椎椎間板ヘルニア」と「腰椎分離症」を予防することが出来ます。
【バレーボール】下半身の怪我ランキングとその予防法
バレーボールはジャンプを繰り返すスポーツのため、それによる障がいが多く発生します。
バレーボールで起こりやすい怪我を多い順にご紹介していきます。
ジャンパー膝
その名の通り、ジャンプを繰り返すスポーツで発症しやすい怪我のことで、膝蓋骨のすぐ下もしくはすぐ上の腱の部分で痛みを発症します。
これらはジャンプの時に必要な筋肉である大腿直筋の緊張が強くなり、引っ張られることで炎症が起き、痛みが発生します。
痛みが発生した場合は、練習を中止して応急処置・治療を行うようにしてください。しっかりと準備運動をする、終了後はストレッチ、特に大腿四頭筋のストレッチを入念に行うことが予防に繋がります。
膝の前面に負担がかかっているため、ジャンプ時のフォームを見直すことも大切です。
足関節捻挫
足関節捻挫はスパイクやブロック時にジャンプをした後、味方もしくは相手の足を踏んで、捻ることが多いです。
足関節には細かい靭帯が多く、特に足首の外側の靭帯を損傷することが多いです。足首の内側に痛みや腫れがある場合は骨折や他の軟部組織を損傷している場合が多いため、整形外科へすぐに行くようにしましょう。
相手の足を踏んだ時は瞬間的な出来事のため、対処することは難しいですが、足を踏んだ場合は耐えることなくそのまま身を任せた方が怪我が少なくなると言われています。
痛みが発生した場合はすぐに応急処置を行いましょう。
オスグッドシュラッター病
オスグッドシュラッター病はジャンパー膝と混合されることがありますが、別の障がいです。
オスグッドシュラッター病は脛骨粗面と呼ばれる膝下にあるボコッと飛び出た部分に痛みが発生します。急激に身長が伸びることで、大腿四頭筋の牽引力が高まり、その付着部である脛骨粗面に炎症が起きます。
こちらは入念なストレッチを行うことで予防することが出来ます。
まとめ
今回はバレーボールで発生しやすい怪我ランキングを「上半身」「下半身」にカテゴリー分けをしてご紹介しましたが、バレーボールをやっていたことがある方は経験したことがあるものもあったのではないでしょうか。
怪我をすることで、リハビリテーションに時間を費やす必要が出てくるため、その分、練習や試合に参加することが出来なくなります。
予防することができる怪我もあるので、意識して予防法を取り組んでみてください。
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