2022年は4年に一度のサッカー・ワールドカップ(W杯)開催年です。
史上初の中東・カタールでの開催とあって、様々な興味と関心を集めています。
大会の華ともいえる、W杯の歴代得点王について解説します。
ワールドカップの歴代得点王とは?
サッカーW杯における得点王とは、1つの大会で最も多く得点を決めた選手のことを指します。
後述する大会MVPに「ゴールデンボール賞」が与えられるのに対し、得点王には「ゴールデンブーツ賞(正式名称はスポンサー企業名を冠した「アディダス・ゴールデンブーツ」)が授与されます。
1966年のイングランド大会以降は、得点王に対してゴールデンブーツという黄金のシューズをかたどったトロフィーが授与されており、更に2006年のドイツ大会以降は、2番目に多く得点した選手をシルバーブーツ、3番目に多く得点した選手をブロンズブーツと称し、それぞれ表彰しています。
得点数が同数の場合、アシスト数や得点当たりの出場時間の短さなどを考慮して順位が決定されます。
事実、2010年大会では、ゴールデンボール賞に輝いたトーマス・ミュラー (ドイツ:5得点)の他にも、ウェズレイ・スナイデル (オランダ)、ダビド・ビジャ (スペイン)、ディエゴ・フォルラン (ウルグアイ)の3選手が同じく5得点をあげていますが、スナイデルがシルバーブーツ、ビジャがブロンズブーツを、それぞれ獲得しています。
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得点王の「呼び名」の変遷
得点王の呼び名は、第1回(1930年)大会から1978年大会までは「トップゴールスコアラー(Top goalscorer)」と呼ばれ、2位が「ランナーズアップ(Runners-up)」、3位が「サードプレイス(Third place)」と呼ばれていました。
その後、1982年大会からは同じく得点王を「ゴールデンシュー(Golden shoe)」、2位を「シルバーシュー(Selver shoe)」、3位を「ブロンズシュー(Bronze shoe)」と呼び、さらに2010年大会からは上述のとおり、それぞれよりゴールデンブーツ、シルバーブーツ、ブロンズブーツと改称されました。
得点王の「決め方」の変遷
得点王の決め方については、それまで同点の選手は複数名が得点王として認定されていましたが、1994年大会からは、得点が同数の場合はまずペナルティーからのゴール数の少なさ、続いてアシスト数の多さを加味して選定されるようになりました。
そして、2006年大会からは前述のとおり出場時間の短さも加えて順位を決定することとされ、現在に至っています。
得点王と並ぶ栄誉「MVP」とは
サッカーW杯の花形が得点王だとすれば、もうひとつの栄誉といえるのがMVPでしょう。こちらについても概観しておきます。
MVPの正式名称はゴールデンボール賞で、FIFAでは公式タイトルとして1982年から制定しています。
ゴールデンボール(同じく正式名称は「アディダス・ゴールデンボール」)は、記者による投票によって選出され、受賞者にはボールを模(かたど)った金色のトロフィーが贈られます。
そして、記者からの得票数が2位の選手にシルバーボールを、3位の選手にブロンズボールが授与されます。
なお、ゴールデンボール賞の選考投票はW杯の決勝戦よりも前に行なわれるため、必ずしも優勝チームから受賞者が出るとは限りません。
事実、この賞が制定されて以降、優勝チームからの受賞者は9名中4名のみで、1994年大会のロマーリオを最後に優勝チームからの受賞者は出ていません。
ワールドカップ・歴代得点王の一覧
それでは、いよいよW杯における歴代得点王の一覧をみていきましょう。
栄誉ある歴代得点王は次のとおりです。
回数(開催年・開催地) | 得点王(所属国) | 得点 |
第1回(1930年・ウルグアイ) | ギジェルモ・スタービレ(アルゼンチン) | 8 |
第2回(1934年・イタリア) | オルドリッヒ・ネイエドリー(チェコスロバキア) | 5 |
第3回(1938年・フランス) | レオニダス (ブラジル) | 7 |
第4回(1950年・ブラジル) | アデミール (ブラジル) | 9 |
第5回(1954年・スイス) | サンドール・コチシュ (ハンガリー) | 11 |
第6回(1958年・スウェーデン) | ジュス・フォンテーヌ (フランス) | 13 |
第7回(1962年・チリ) | ガリンシャ (ブラジル) ババ (ブラジル) ワレンチン・イワノフ (ソ連) レオネル・サンチェス (チリ) フローリアン・アルベルト (ハンガリー) ドラザン・イェルコビッチ (ユーゴスラビア) | 4 |
第8回(1966年・イングランド) | エウゼビオ (ポルトガル) | 9 |
第9回(1970年・メキシコ) | ゲルト・ミュラー (西ドイツ) | 10 |
第10回(1974年・西ドイツ) | グジェゴシ・ラトー (ポーランド) | 7 |
第11回(1978年・アルゼンチン) | マリオ・ケンペス (アルゼンチン) | 6 |
第12回(1982年・スペイン) | パオロ・ロッシ (イタリア) | 6 |
第13回(1986年・メキシコ) | ゲーリー・リネカー (イングランド) | 6 |
第14回(1990年・イタリア) | サルバトーレ・スキラッチ (イタリア) | 6 |
第15回(1994年・アメリカ) | フリスト・ストイチコフ (ブルガリア) | 6 |
第16回(1998年・フランス) | ダボール・シュケル (クロアチア) | 6 |
第17回(2002年・日本/韓国) | ロナウド (ブラジル) | 8 |
第18回(2006年・ドイツ) | ミロスラフ・クローゼ (ドイツ) | 5 |
第19回(2010年・南アフリカ) | トーマス・ミュラー (ドイツ) | 5 |
第20回(2014年・ブラジル) | ハメス・ロドリゲス (コロンビア) | 6 |
第21回(2018年・ロシア) | ハリー・ケイン (イングランド) | 6 |
一大会での最多得点王は?
W杯を彩った歴代得点王ですが、中でも特筆すべき大活躍をした、一大会での最多得点王についてとりあげます。
その選手はフランスのジュス・フォンティーヌ(FONTAINE Just)で、なんと13得点をあげています。
1958年に開催されたW杯スウェーデン大会では、当初はスタメンではなく控え選手だったものの、スタメン入りすると6試合全てにゴールを決める活躍を見せ、2度のハットトリックを含む13得点を挙げて同大会の得点王となりました。
準決勝でペレを擁するブラジルに2-5で敗れましたが、3位決定戦で前回優勝国の西ドイツに彼の4得点を含む6-3のダブルスコアで勝利を収め、3位の座を確保する大活躍でした。
なお、同一大会での13得点は現在でも破られていない記録です。
通算得点:13
(内訳)
パラグアイ戦(3点)
ユーゴスラビア戦(2点)
スコットランド戦(1点)
北アイルランド戦(2点)
ブラジル戦(1点)
西ドイツ戦 (4点)
今大会での得点王予想は?
今年の11月21日にキックオフを迎える第22回W杯では誰が得点王に輝くのか、世界最大手のブックメーカー(*)が予想ランキングを公表しています。
あくまで予想なので、何の保証もありませんが、楽しく観戦する際の参考としていただければと思います。
1位 ハリー・ケイン(イングランド) 8倍
2位 キリアン・エンバペ(フランス) 9倍
3位 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 13倍
4位 カリム・ベンゼマ(フランス) 15倍
4位 リオネル・メッシ(アルゼンチン) 15倍
6位 ロメル・ルカク(ベルギー) 17倍
7位 ネイマール(ブラジル) 21倍
7位 ラヒーム・スターリング(イングランド) 21倍
9位 ディオゴ・ジョッタ(ポルトガル) 26倍
9位 ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル) 26倍
9位 メンフィス・デパイ(オランダ) 26倍
W杯得点王オッズのトップ10(*)『bet365』社による
まとめ
FIFAワールドカップの歴代得点王について詳しく解説しました。
いよいよ今回の開幕が近づき、世界中のサッカーファンは期待に胸をときめかせていることでしょう。
今回の大会成功と数々の名場面、そして誰が得点王に輝くのか、楽しみにしたいものです。
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