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相撲の行司や呼出しってどのようなお仕事!?階級や収入も解説!

相撲は日本の国技にして、古くから多くの日本人を熱狂させてきた熱い格闘技の一つです。大相撲中継が始まるたび、この時期がやってきた!とテレビに注目する人は少なくないのではないでしょうか。

特に、大相撲はその場所によって競技が行われる会場が移っていくもの。東京に来た時は東京の、名古屋に来た時は名古屋のファンが特に胸を熱くすることも多いはずです。

織田信長が愛し、さらに遡れば神々の時代にまで起源を辿ることのできる偉大な競技。しかし、この相撲というスポーツを支えるのは、勿論選手たちだけではありません。

中継を見て、ネットで相撲について調べたことのある人ならば耳にしたこともあるのではないでしょうか。大相撲を支える二つの大きな存在、それが相撲の「呼出し」と「行司」です。この二つは混同されることも少なくありません。「あれ?審判をしているのはどっちだっけ?」と思う人もいることでしょう。

今回は、大相撲に欠かせないこの二つの職業についてご紹介いたします。

相撲の呼出しって?

相撲部屋に入る=力士になる、と認識している人は多いのではないでしょうか。しかし、実際は相撲部屋に所属している人全てが力士というわけではありません。呼出し、と呼ばれる存在もその一人です。呼出しの仕事は、文字通り「興業で力士を呼び出す」ことに由来しています。

「東~●●(力士名)~、西~(力士名)」と、よく通る独特な声で力士たちを呼んでいる声を、一度でも中継を見たことがあるならば聴いたことがあるはず。

ちなみに東と西、どっちを読むのかは実はその日によってことなるとのこと。初日から数えて奇数の日ならば東から、偶数の日であるなら西から読み上げるという決まりがあるのだそうです。

また、意外に思われるかもしれませんが、呼出しは結構な力仕事でもあります。何故なら、あの大きく土を盛って固められた土俵を作り、整備するのもまた呼出しの仕事なのですから。

取組の間に土俵の上を箒で掃いて綺麗にすることや、あとは力士に渡す塩やタオルの補充&管理なども行っています。平たく言うならば、土俵の上で戦ったり、その取組内容を裁いたりする以外のことの殆どを任されている仕事と言っても過言ではないのです。

呼出しになるには?

先述したように、呼出しになるためには相撲部屋に所属する必要があります。条件は、義務教育を修了した19歳以上の男子であること。

なぜ、相撲部屋に入門する必要があるのかと言えば、部屋の親方が「呼出会」を通じ、相撲協会に申し込むという仕組みになっているからなのです。ただし、呼出しには定員が45名と定められているため、定員いっぱいだといくら希望してもなることができないので、注意が必要です。

力士に横綱、十両などの階級があるように、呼出しにも階級が定められています。一番偉い人が「立呼出」と呼ばれ、1人限定の特別な役職となります。

次点の「副立呼出」も1人のみ。次の「三役呼出」は三人、その次の「幕内呼出」は七人以内で、さらにその次の「十両呼出」が8人以内と決まっています。

その名前で、どの呼出しがどの力士を担当するのか、というのがなんとなく想像がつくのではないでしょうか。

呼出しの給料って?

力士の給料が、十両以上でなければ出ないこと、そして横綱に近づけば近づくほど高くなるということをご存知の人は多いはず。実は呼出しにも同じことが言えます。文字通り、一番上の「立呼出」に近づけば近づくほどお給料も高くなっていくのです。

財団法人日本相撲協会寄附行為施行細則の第81条に、支給されるお給料の額は定められています。三役呼出以上で月36万円~40万円未満であり、幕内呼び出しならば月20万円~36万円未満、さらに十枚目呼出は月10万円~20万円未満であるとのこと。

既に生活費として考えるなら苦しくなってくる数字ですが、ご想像の通りここより下はさらに下がることになります。

幕下呼出ならば月7万円~10万円未満、三段目呼出は月2万9,000円~7万円未満であり、さらに序二段呼出では月2万円~2万9,000円未満となります。

最後の序ノ口呼出以下に至っては、月1万2000円~2万円未満になってしまうので、なかなか厳しい世界であるようです。

相撲の収入って?

皆さんが相撲の審判として認識しているであろう、行司と呼ばれなくてはならない人達のことを指します。艶やかな着物を身に纏い、取組内容を瞬時に見て判断するその姿に、格好の良いと憧れを抱いた人もいるのではないでしょうか。

土俵の上で勝敗を見極めるお仕事なので、当然力士の激しい取組を邪魔しないように立ち回る必要もあり、危険が伴います。同時に、どちらの力士が勝ったのか、あるいは反則などをしていないかなどを瞬時に見極める目も必要になります。

大相撲を見たことがある人ならば、「行司差し違え」と言う言葉を耳にしたこともあるはず。この差し違え、とは行司が間違った力士に「貴方が勝者です」と軍配を上げてしまうことによって発生します。幕下格行司や十両格行司の場合は年9回以上、幕内格行司や三役格行司の場合は年6回以上差し違えをすると一枚降格の処分となってしまいます。

上の行司であればあるほど、重い責任を背負う仕事であるのは間違いありません。

行司になるには?

では、そんな行司になるためにはどうすればいいのでしょう?

行司もまた、相撲部屋に所属する必要があります。健康面でのチェックなどで適格者と認められた上で、中卒以上の満19歳未満の男性という条件が課せられています。なんと、成人してしまっていると、新たに行司になりたい!という熱意があってもその門扉は閉ざされてしまうのです。

そして、相撲部屋に所属してそれで終わりではありません。部屋から行司会と相撲協会に推薦してもらわねばならず、定員(45名)に空きがあって審査を通過できなければいけないのです。

もっと言えばそこで合格をもらえても、最初の3年間は養成期間となります。行司特有の発生を練習するのは勿論のこと、審判を行うのに充分な知識を学び、修行に励みつつ相撲部屋での雑用に勤しむことになるのです。

ちなみに、高校などのアマチュアの相撲大会で審判を行う人の場合は行司とは言わず、そのまま審判と呼ばれるようです。

行司の収入って?

では、その行司の給料はどれくらいなのでしょう?

呼出し同様、行司にも階級があります。上から順に「立行司格木村庄之助」「立行司格式守伊之助」「三役格」「幕内格」「十枚目格」「幕下格」「三段目格」「序二段格」「序ノ口格」となっており、上の二つである立行司格はそれぞれ定員が2名までと定められています。

それ以外の階級に定員はないのですが、「全員あわせて45人まで」「十両格以上の行司は22人まで」という規則があるので注意が必要です。そして勿論、給料も上の階級になればなるほど上がっていきます。

基準額は以下の通り。立行司ならば40万~50万円未満、三役格行司ならば36万~40万円未満、幕内格行司 ならば20万~36万円未満、十枚目格行司ならば10万~20万円未満。

これより下はさらに下がることになります。幕下格行司は4万2,000~10万円未満になり、三段目格行司ならば2万9000~4万2000円未満、序二段格行司の場合は2万~2万9000円未満。序ノ口格行司に至ってはたったの1万4000~2万円未満とのことで、こちらも厳しい世界のようです。

ただし、衣装代はこれとは別途に支給されるとのこと。立行司は5万円に対し、幕下以下行司の場合は2万円になってしまうので、高くて綺麗な衣装を着たい場合もやはり階級を上げていくしかないようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

大相撲ともなると、圧倒的なパワーで観客を魅了する力士達にばかり目が行きがちになるかもしれませんが、彼らの活躍は行司や呼出しといった人達の存在があってこそ輝けるものでもあるのです。

興味を持った方はぜひ、今後はそんな行司や呼出しといった方々にも注目してみてください。

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初音

初音

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インドア派ですが、スポーツをはじめ頑張っている人達をおうちで応援してる系ライターです。子供の頃は水泳大好き少女でした。運動音痴だけどスポーツ見るのは大好きです!

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