テニスの試合を見ていると、コート中央のネット横に、ライフセーバー用のような椅子に座った人がいます。
これは審判。
しかしテニスの審判は1人ではなく、大きな大会では他にもいるのです。
今回は、テニスの審判の役割を解説。
審判の種類や日当などについても調査しました。
【テニス】審判の種類
テニスの試合で主に目にするのは主審。では他にどのような審判がいるのでしょうか。
主審
高い椅子に座っている主審は、その名もチェアアンパイア。
ほとんどの審判の仕事を行い、コート上の判断はこの主審に任せられます。
テニスの小さな大会では、負けたプレーヤーが次の試合の主審を行うことも。
そのためテニスの試合に出るなら主審の役割も覚えておく必要もあります。
線審
あまり目立つことがない線審はその名の通りラインをチェックしている副審です。
テニスコートにはベースライン、サービスライン、サイドラインがあり、主審から見づらいこともあるため、各線審は自分の担当範囲のラインのジャッジを行います。
また地味な仕事として、プロの試合では選手がトイレや着替えなどでコートを離れるトイレットブレイクをとったときに違反行為をしないよう付き添うこともあります。
【テニス】審判の役割
ほとんどのスポーツには審判やレフェリー、アンパイアがいて、それぞれの競技に重要な役割を果たしています。
ではテニスの主審の役割は何でしょうか。
試合形式の説明と開始
試合前に選手が登場し、ネット際に揃ったところで、主審は試合のルール説明をし、コイントスをします。
先にサーブを打つ選手とコートが決まったら、主審は試合開始を宣言。
基本的には英語で「The best of 3 set match. 〇〇service to play」などとコールします。この例は、「〇〇さんのサーブから、3セットマッチの試合でベストを尽くします」というような意味。略して「3set match, play」ということもあります。
試合開始以外にウォームアップやチェンジコートでの休憩が終わるときには「タイム」とコールし、開始を促すのも審判の役割です。
ジャッジ
審判の最も重要な役割は、ボールがコートに入っているかどうか、つまりインかアウトかのジャッジです。
インの場合はコールせず、ラインの外に打球が落ちたときのみ「アウト」とコールします。
サーブの場合は、入っていなければ「フォルト」とコール。ダブルフォルトの場合にも、ダブルフォルトとは言わず単にフォルトとコールします。
またサーブがネットインした場合は「レット」とコールし、サーブのやり直しを宣言。この「レット」には「プレーのやり直し」という意味があり、プレー中に隣のコートからボールが飛んできた場合などにもプレーのやり直しを命じます。
線審がインやアウトのジャッジを行い、主審はそれが間違っていると判断した場合には、主審はオーバーコールを宣言してジャッジの訂正も行います。
カウントのコール
野球では審判がボールカウントをコールしますが、テニスでもポイントをカウントします。
このコールはテニスでしか聞くことがない独特なもの。
0点＝ラブ
1点＝15（フィフティーン）
2点＝30（サーティー）
3点＝40（フォーティー）
同点＝オール
3対3(40対40＝デュース）
デュース後のリード＝アドバンテージ
サーバーの点数を先に言うため、サーバーが「1点」でレシーバーが「0点」のときは、「15-0（フィフティーン・ラブ）」と言います。
ゲームやセットが終了したときもコール。
こちらも英語で、例えば「Game (won by)〇〇. Game count 2 games to 1, 〇〇 leads」などと言います。
この例は「〇〇が1ゲーム勝利。2-1で〇〇がリード」という意味です。
試合が終了したときも同じくコール。
「Game set and match won by 〇〇. Set count 2 sets to 1」と言ったら、「ゲームセット。〇〇の勝ち。セットカウントは2−1」という意味になります。
コールによって試合が終了したら、主審は選手たちと握手します。
【関連記事はこちら】⇩
・【テニス】ルール一覧｜得点条件や基本的な用語もチェックしよう！
・【テニス】ポイントの数え方を簡単に解説！４つもある！？
【テニス】審判の日当
テニスの国際大会は賞金も高額。
例えばウィンブルドンのシングルス優勝賞金は約4億3000万円です。
ということは、テニスの試合を取り仕切る審判の報酬も高額になるのでしょうか。
比較①プロ野球の審判
日本プロ野球の審判はリーグを運営する日本野球機構（NPB）と1年ごとに契約。
最低年俸が1軍は750万円、2軍は345万円となっています。
それに加えて、試合ごとに手当も支給。1試合ごとに以下の額が支払われます。
1軍
球審：3万4000円
塁審：2万4000円
控え：7000円
2軍
1試合：2000円
比較②Jリーグの審判
Jリーグの審判には年俸はなし。試合ごとの手当が全収入となります。
試合ごとの手当ては以下の通りです。
J1
主審：約12万円
副審：約6万円
J2
主審：約6万円
副審：約3万円
J1で1年間に30試合の主審を務めれば年収は360万円。
年収が200万円を下回る人がいる一方、年収1000万円を超える人もいます。
テニスの審判の手当て
テニス場合、審判には下から順にC級審判員、B級審判員、A級審判員、国際審判員というランクがあり、国際的な大会は最上級の国際審判員が担当。
特にウィンブルドンなどの4大大会の審判ともなれば、大会中の交通費や宿泊費、食費などに加えて日当も支給されることになります。
ところがその日当は、なんとわずか1万円から3万円程度。
複数の国際大会の審判を担当していても、それだけではとても生活できないのです。
そのためテニスの審判を務めている人はほとんどが別に本職を持ち、ほぼボランティアの感覚で審判を務めています。
まとめ
独特な用語が多く、最初はとっつきにくいテニス。
しかし試合に出始めるとすぐに審判をする機会もあるため、役割やルールを覚える必要があります。
一方で審判には、素晴らしい試合をコート間近の特等席で見られるという特権も。
ぜひルールを覚えてテニスの審判に挑戦してみてください。
【関連記事はこちら】⇩
・【テニス】サーブのルールを押さえておこう！初心者必見！
・【テニス】ダブルスのルールを徹底解説！シングルスとの違いは？
