ダンスとひとくちにいっても、その種類は世界中にまさに無数にあります。
ダンスは「生命に内在する根源的な活動」とも言われるもの。ほとんど全ての民族に存在しています。
ではダンスはどのような経緯で誕生し、主なダンスにはどのような種類があるのでしょうか?
今回は、ダンスの歴史と種類をご紹介。
各ダンスの特徴を、歴史を追いながらご紹介します。
【ダンス】歴史
記録に残されている最初のダンスは古代エジプトの壁画。
女性2人が踊る様子が描かれています。これは出産の痛みをまぎらわすための踊りとも、農作物の豊作を祈るための踊りとも言われていて、その目的は不明とされています。
そしてダンス自体は実はこの壁画よりはるかに古いというのが定説。
鳥や動物が求愛のダンスをすることからも分かるように、ダンスは自然の中にも存在します。感情表現、宗教儀式など、多くの場面でダンスは使われていたはず。文明が興る以前から人々は自然に踊っていたとも考えられているのです。
【ダンス】種類一覧①歴史あるダンス
でははっきりとジャンルで分類できるようになってからのダンスにはどのような種類があるのでしょうか。
ベリーダンス
ベリーダンスは8000年以上前の古代エジプトで生まれたもので、確認できる中では最古のダンス。
前述の壁画のダンスがベリーダンスのルーツになったとも言われています。
その後、10世紀ごろにジプシーたちが世界に広め、各国のダンスの基礎になっていったと伝えられています。
お腹(Berry)の激しい動きが特徴ですが、実は指先まで神経を通わせ、全身で表現するダンスです。
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フラダンス
フラダンスはハワイの伝統的な民族舞踊で1000年以上の歴史があります。
文字を持たなかったハワイの人々が、神や自然への感謝の気持ちを踊りとして表現したもの。
下半身でリズムをとりながら上半身で「波」「雨」「虹」「花」などの言葉を表現し、踊りで1つの物語を語ります。
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社交ダンス
社交ダンスは12世紀に王侯貴族がワルツを踊ったことから始まった宮廷舞踊。
音楽の発展に合わせてさまざまなスタイルの社交ダンスが生まれています。
競技ダンスとしても盛んに行われているのが特徴。
競技ダンスのうちスタンダードダンスと呼ばれるものには以下の種類があります。
・ワルツ
・タンゴ
・スローフォックストロット
・クイックステップ
・ヴェニーズワルツ
一方、ラテンダンスには以下の種類があります。
・サンバ
・ルンバ
・チャチャチャ
・パソドブレ
・ジャイブ
バレエ
バレエはルネッサンス期のイタリア貴族が観劇する目的で生まれたダンス。
踊りで物語を表現する演劇で、踊る喜びよりも観られることを前提としたダンスであることが特徴です。
形式を重んじるクラシックバレエと、独創的なモダンバレエがあり、芸術としての完成度が高いバレエはのちのモダンダンスやジャズダンスなどさまざまなダンスの基礎となっています。
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フラメンコ
フラメンコは18世紀末にスペイン南部のアンダルシア地方で迫害されたジプシーの歌がアラブ系の音楽と融合してできたもの。
当初は歌のみでしたが、ギターの伴奏と踊りが融合して現在の形になったと言われています。
その特徴は足で床を踏み鳴らしてリズムをとるサパテアードと独特な手の動きで、情熱の舞踏とも呼ばれます。
ジャズダンス
ジャズダンスは1920年ごろにアメリカの黒人たちが始めた自由なダンス。
奴隷制度や差別の苦しみを乗り越えて生きる力や希望を表現したダンスで、黒人音楽であるジャズを伴奏に、タップダンスのような動きでリズムを表現しました。
バレエの技術を取り入れたジャズダンスの定義は広く、アイドルやダンスグループのダンスも含めて最新のダンスのほとんどがジャズダンスに分類されます。
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【ダンス】種類一覧②ストリートダンスの系譜
ストリートダンスはその名の通りストリートで自由に音楽やリズムを表現したダンス。
そのルーツはジャズダンスですが、ダンス番組「SOUL TRAIN」が人気を集めた頃、オーディションにも参加できない若者たちが街中でダンスを競い合ったことからストリートダンスと呼ばれるようになりました。
ソウルダンス
ソウルダンスは1950年代から60年代初期に流行したソウルミュージックに合わせて踊るダンス。
有名なステップには「モンキーダンス」や「チキン」、「ツイスト」などがあります。
ストリートダンスの原点として今でも学ぶ人が多いダンスです。
ロックダンス
ロックダンスは1960年代から70年代に誕生して人気を集めたダンス。
激しい動きから突然静止するのが特徴で、いきなり鍵(ロック)をかけるようになることが名前の由来です。
ファンキーチキンというダンスを上手く踊ることができなかったドン・キャンベルが「だったら止めてしまえ」と考案したもの。
指を差す「ポイント」やアニメの動きから生まれた「スクービー・ドゥ」などの動きが有名です。
ポップダンス
ポップダンスは1960年代から70年代に生まれたダンス。
ポップとは「筋肉を弾く」という意味で、パントマイムやロボットダンスの動きがベースになっています。
「ヒット」や「ウェーブ」、「ロール」など、身体の各部分が別々に動くのが特徴。
現在のダンスでも頻繁に応用されています。
ヒップホップダンス
ヒップホップはDJ、ブレイクダンス、ラップ、グラフィティアートの4大要素で構成されるもの。
1970年代の中頃に、ディスコに遊びに行くお金がないアメリカの貧しい若者が公園でブロックパーティを開き、発信していった文化です。
そこから生まれたヒップホップダンスはアップとダウンのリズムが基本。
ブレイクダンスと区別するためにいわゆる「立ち踊り」を指すことが多いのですが、ルールや正解はなく、誰もが自由に楽しめるダンスとなっています。
代表的なステップには「ボックス」、「クラブ」、「ランニングマン」、「ポップコーン」、「ロジャーラビット」などがあります。
ハウス
ハウスはその名の通りハウスミュージックに合わせて踊るダンス。
早いテンポの四つ打ちに合わせる素早い足さばきが特徴で、カポエイラやブレイクダンス、ヒップホップダンスなどの動きを自由に取り入れます。
まとめ
さまざまな種類があり、それぞれに影響し合っているダンス。
特に現在主流になっているヒップホップダンスは、細かなルールがないため異なるジャンルの要素を柔軟に取り入れられるのが魅力のひとつです。
ヒップホップダンスに取り組んでいる方は、歴史的なダンスの特徴を勉強することで表現の幅が大きく広がるかもしれません。
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