プロボクシングの世界ランキングを駆け上がり、チャンピオンになりたい!
そう思った人には、避けて通れない関門があります。
それはプロテスト。
プロボクサーになるためには必ずプロテストに合格する必要があるのです。
しかもそのテストは誰でも受験できるわけではありません。
今回は、ボクシングのプロテストを徹底調査。
テスト内容や難易度もご紹介します。
【ボクシング】プロテスト 受験資格
プロボクサーになるために受けなければならないプロテストは、東京では月1回以上、地方では不定期に開催されています。
ではその受験資格とはどのようなものなのでしょうか?
ジムに在籍
プロテストを受けるためにはジムに所属している必要があります。
しかもボクササイズなどのフィットネスジムではダメ。
日本プロボクシング協会(JPBC)に加盟しているボクシングジムに所属することが絶対条件です。
その上でジムのトレーナーに「プロになりたい」と告げて、みっちりトレーニングを受けることからスタート。
一般的に1年以上の本格的トレーニングを経て、ジムのマネージャーに認められれば、受験することができます。
プロテストの申込書には、マネージャーの記名・押印が必要。
相応の実力がついてこなければ、受験までに数年かかることもあります。
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年齢制限
ボクシングジムに所属していても誰でも受験できるわけではありません。
引っかかる人が多くなるのが、年齢制限。
満16歳から満34歳までしか申し込む資格はないのです。
そして合格したとしてもチャンピオン以外のプロボクサーのライセンスは37歳で自動的に失効します。
健康診断
受験にはコミッションドクターによる健康診断書も必要です。
この健康診断はB型肝炎検査と頭部CT検査。
30歳以上の受験者はCTの代わりに頭部MRI検査を受けることになります。
また女子はプロテスト前30日以内の妊娠反応検査も必要です。
これらの診断で引っかかると受験することはできません。
また以前は視力検査もあり、0.6未満の受験はできないという決まりがありましたが、これについては撤廃されています。
【ボクシング】プロテスト 試験内容
厳しいトレーニングの末にやっと受験できるプロテスト。
その受験料は男子C級テストで6600円、女子C級テストと男女B級テストは1万1000円で、内容は筆記試験と実技試験になります。
筆記試験
東京の後楽園ホールで行われるプロテストの場合、受験者は受験開始30分前までに後楽園ホール4階控室に集合。
試験官からの説明の後、筆記テストを受けることになります。
この筆記試験は簡単なルールテスト。
所属ジムでしっかりトレーニングをしていればほとんど問題なく合格できる難易度となっています。
実技試験
筆記テストが終わった受験者は、計量とコミッションドクターによる検診を受けます。
そして後楽園ホール5階に移動。実技試験の準備を行います。
実技試験は2ラウンドのスパーリング。
試験官が組み合わせを発表して行います。
アマチュアルールとなり、受験者はヘッドギアを着用。1ラウンド2分30秒でインターバルは30秒です。
テストでは、勝ち負けを見ないところがポイント。
ワンツーパンチなどの攻撃とガードなどの防御の能力を絶対評価で採点します。
それぞれの選手が基本的な技術を審査されるため、相手の強さは無関係。
目の前の相手を倒すことよりも、習得した技術を積極的に見せることが重要です。
【ボクシング】プロテスト 難易度とランク
プロテストの合格発表は素早く、翌日の13時。
東京の場合は後楽園ホール5階事務所と4階控室通路に掲示されるほか、電話で問い合わせることもできます。
では合格率はどのくらいなのでしょうか。
合格率
プロテストの合格率は約60%と、比較的高め。
これは各ジムのマネージャーが合格レベルに達しているかをある程度評価してから受験を認めているからです。
つまり軽い気持ちで記念受験しようと思っても認めてくれないジムが多いということ。
ただし所属ジムでしっかり練習を積めば、プロテストの難易度はとんでもなく高いわけではないと言われています。
またアマチュア戦績が優秀だった選手には特例も存在。
不戦勝を除いて5勝以上の選手は審査だけでC級テストを免除される場合があります。
C級・B級・A級
ボクサーには、C級、B級、A級のランクがあります。
C級のボクサーが出場できるのは4回戦(4ラウンド制)のみ。
B級のボクサーは6回戦(6ラウンド制)に出場でき、A級のボクサーになると8回戦(8ラウンド制)以上の試合を行えます。
しかもファイトマネーの相場はC級が6万円から10万円なのに対して、A級は15万円から40万円と大きな差が。
では誰もがA級ライセンスのプロテストを受けるのかというと、そのようなことはありません。
B級テストを受験できるのはアマチュアでかなりの実績があり、全日本ランキング10位以内相当の実績を持っている選手だけ。
それ以外の全員がC級ライセンスだけを受験することになります。
なぜならC級のプロになり4勝すると、自動的にB級ライセンスに切り替えられるから。
その上のA級は最初からテストすらなく、B級で2勝するとA級ライセンスに切り替えられるという制度になっています。
そして8回戦で1勝すると10回戦や12回戦の試合に出場でき、10回戦以上になれば日本ランキングの対象となるのです。
まとめ
日本タイトルマッチのファイトマネーは50万円から数百万円。
世界チャンピオンになると1000万円以上になります。
その入り口となるのがC級のプロテスト。
偉大なチャンピオンの多くも、最初はこのプロテストからスタートしたのです。
一方でプロとして活躍するつもりがなくても「プロボクサー」という肩書きを得るために挑戦する人も。
ボクシングをやっている方は、プロテスト合格を大きな目標にして挑戦してみるのも良いかもしれません。
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