Jリーグも終盤戦になるとよく聞くようになるのが「ACLの出場権」という言葉。
ACLとは何のことで、出場権を得るとはどういうことなのでしょうか。
今回は、ACLの出場権について調査。
そこで優勝した先には何が待っているのかも解説します。
【ACL】とは
ACLはアジアチャンピオンズリーグの略。
2003年に始まったアジアサッカー連盟(AFC)の主催大会です。
これは各国のリーグ戦優勝チームによる「アジアクラブ選手権」や、各国のカップ戦優勝チームによる「アジアカップウィナーズ杯」、さらにクラブ選手権・カップウィナーズ杯の優勝チーム同士による「アジアスーパー杯」を統合した大会。
真のアジア王者を決めるもので、日本を含むアジアのクラブチームにとっては最も権威のある大会となっています。
【ACL】出場権と大会内容
ACLはその名の通り、各国のチャンピオン級のチームだけが参加できるリーグです。
参加資格があるのは各国のリーグ戦、カップ戦の王者と、上位チームだけ。
それぞれの国が決まった出場枠を持っています。
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出場権の決め方
ACLの出場権は、国や地域に割り当てられた出場枠内で決まります。
出場権の優先順位は、それぞれの国や地域での最上位リーグの優勝クラブが第1代表、全国レベルの国内カップ戦優勝クラブが第2代表で、以下、リーグ戦の順位で第3代表・第4代表となる決まりです。
出場枠の決め方と日本の出場権
ACLの出場枠はAFC内のクラブランキングである「AFCクラブコンペティションランキング」によって国や地域に割り振られます。
日本は最大の本戦3枠+プレーオフ1枠という出場枠を確保。
この結果、基本的にJリーグの1位・2位チームと天皇杯の優勝チームが本大会への出場権を得ることになり、Jリーグ3位チームはプレーオフから本戦出場を目指すことになります。
ではもしJリーグ1位~3位のチームから天皇杯優勝チームが出たときはどうなるのでしょうか。
この場合、Jリーグ3位までのチームが本大会から出場できることになり、4位のチームが繰り上げでプレーオフ出場となります。
ただしAFCクラブコンペティションランキング次第では国や地域の出場枠が減ることも。
2019/2020年には日本の出場枠が「本戦2枠+プレーオフ2枠」になってしまったこともありました。
【ACL】開催内容と優勝後
ACLでは、まず出場する32チームが4チームずつに分かれて、ホーム&アウェーで総当たりのグループリーグを開催。グループリーグの上位2チームがノックアウト方式の決勝トーナメントに進出します。
このグループリーグと決勝トーナメント1回戦は東西に分かれているのがポイント。広いアジア地域内での移動を考慮したもので、日本はオーストラリアや韓国、中国などとともに東地区に入っています。
ACLは国内のリーグ戦と平行して開催。厳しい日程の中、各チームは優勝を目指すことになるのです。
ACLの優勝チーム
ACLの歴代優勝チームは以下のようになっています。
2003年:アル・アイン(UAE)
2004年:アル・イティハド(サウジアラビア)
2005年:アル・イティハド(サウジアラビア)
2006年:全北現代モータース(韓国)
2007年:浦和レッズ(日本)
2008年:ガンバ大阪(日本)
2009年:浦項スティーラース(韓国)
2010年:城南一和(韓国)
2011年:アル・サード(カタール)
2012年:蔚山現代(韓国)
2013年:広州恒大(中国)
2014年:ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(オーストラリア)
2015年:広州恒大(中国)
2016年:全北現代モータース(韓国)
2017年:浦和レッズ(日本)
2018年:鹿島アントラーズ(日本)
2019年:アル・ヒラル(サウジアラビア)
2020年:蔚山現代(韓国)
2021年:アル・ヒラル(サウジアラビア)
日本は2007年に浦和レッズ、2008年にガンバ大阪、2017年に浦和レッズ、2018年に鹿島アントラーズと、4回優勝。
国別では韓国が最多6回の優勝を飾っています。
優勝すると
ACLで優勝し、見事アジアチャンピオンになったチームには、12月に行なわれる「FIFAクラブワールドカップ」への出場権が与えられます。
これはアジアに加えて、ヨーロッパ、南米、北中米カリブ、アフリカ、オセアニアの大陸王者と、開催国の国内リーグ優勝チームが集まる大会。
全大陸の代表を集めて真のクラブ世界一を決める大会です。
このFIFAクラブワールドカップは、ヨーロッパと南米のチャンピオンが争った「トヨタカップ」から発展した大会。
近年、ヨーロッパや南米以外のクラブチームも力をつけてきたため、規模を拡大して始まりました。
FIFAクラブワールドカップの優勝チーム
ではFIFAクラブワールドカップでヨーロッパや南米以外のチームが優勝したことはあるのでしょうか?
過去の優勝チームはこのようになります。
2005年:サンパウロ(ブラジル)
2006年:インテルナシオナル(ブラジル)
2007年:ミラン(イタリア)
2008年:マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
2009年:バルセロナ(スペイン)
2010年:インテル(イタリア)
2011年:バルセロナ(スペイン)
2012年:コリンチャンス(ブラジル)
2013年:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
2014年:レアル・マドリード(スペイン)
2015年:バルセロナ(スペイン)
2016年:レアル・マドリード(スペイン)
2017年:レアル・マドリード(スペイン)
2018年:レアル・マドリード(スペイン)
2019年:リヴァプール(イングランド)
2020年:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
2021年:チェルシー(イングランド)
現実には全てヨーロッパと南米のチームが優勝しています。
ただし2016年には鹿島アントラーズが決勝戦にまで進出。クラブ世界一まであと一歩に迫っています。
まとめ
アジアのクラブチャンピオンを決めるACLはFIFAクラブワールドカップの予選でもある大会。
しかし日本からそこに出場できるのはごく一部のトップチームのみです。
出場枠はプレーオフを含めてもわずか4つ。
これに対してJリーグは、J1が20チーム、J2が22チーム、J3が15チーム。合わせてなんと57チームがしのぎを削っているのです。
ACLに出場するだけでもまさに快挙。
そこで優勝し、さらにFIFAクラブワールドカップでも勝ち上がるのは、サッカー選手にとって途方もない夢だと言えるかもしれません。
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