高校球児高校野球ファンにとっては「聖地」である甲子園ですが、長い歴史の中では、大差がついてしまった試合も数多くあります。
この記事では、過去の甲子園大会で記録された「点差」に注目し、最大の点差と最多得点の試合などについて解説します。
甲子園での最大点差は何点?
甲子園には、「センバツ」と呼ばれる春の大会と、夏の選手権大会があります。
過去を振り返り、最も点差がついた試合を振り返ってみましょう。
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春の選抜大会
まず、春の大会についてみていきます。
最大の点差は、戦前の1937年(昭和12年)に、兵庫代表の滝川中学と埼玉県代表の浦和中学の試合で記録された「27点差」となります。同年に開催された第14回大会の1回戦でのことした。
滝川中は、1回表の攻撃でいきなり6点をあげ、その後も4回に3点、5回に9点と加点していきます。さらに6回には打線が爆発して6点、なお7回に2点、9回にも1点と、合計で27点を記録し、なおかつ相手の浦和中を無得点に抑えました。
あまりに圧倒的な実力の差があったともいえるでしょう。
夏の選手権大会
夏の大会では、やはり戦前の第22回大会で記録された、静岡商業27-4長野商業の「23点差」が最大です。
戦後に限れば、第67回大会であの清原・桑田の「KKコンビ」を擁したPL学園が29-7で東海大山形を決勝で下した「22点差」が、春夏を通じて最大の得点差となっています。
PL学園は2回戦から出場しましたが、KKコンビ最終年の年でもありました。同校は前年度の選手権大会で準優勝だったため、最後の夏での全国優勝を目指し、非常に強い気持ちで臨んでいました。
この試合でPL学園があげた29得点はなんと毎回得点で、5回終了時には既に20対1と大きく点差が離れ、エースの桑田投手は6回で途中降板し、最後は清原選手が9回に登板し、押し出しを2回続けて出すなど5点を奪われましたが、結果は29対7というワンサイドゲームでした。
ちなみに、夏の選手権大会における得点差試合ランキングは次のとおりです。
点差 | 開催年(ステージ) | 対戦成績 |
23 | 1936年(1回戦) | 静岡商27―4長野商 |
22 | 1985年(2回戦) | PL学園29―7東海大山形 |
1930年(1回戦) | 和歌山中24―2北海中 | |
20 | 1921年(準々決勝) | 和歌山中21―1釜山商 |
1921年(2回戦) | 和歌山中20―0神戸一中 | |
2001年(1回戦) | 明豊20―0聖光学院 | |
19 | 1923年(2回戦) | 立命館23―4 台北一中 |
2006年(1回戦) | 清峰22―3光南 | |
2019年(1回戦) | 仙台育英20―1飯山 | |
1920年(準々決勝) | 松山商19―0明星商 | |
2022年(2回戦) | 大阪桐蔭19―0聖望学園 |
通算最大の得点差
従って、通算して最大の得点差試合は、1937年(第14回)大会で記録された、兵庫代表の滝川中学と埼玉県代表の浦和中学の試合で記録された「27点差」となります。
甲子園での最大得点試合は何点?
甲子園での最大得点試合は次のとおりです。
春の選抜大会
年(第14回大会)で滝川中学が記録した「27点」であり、そのまま最大得点差と合致する記録です。
夏の選手権大会
こちらも、戦後最大の得点差「22」を記録した、1985年(第67回大会)PL学園が獲得した「29点」が最大得点となります。
近年の甲子園大会における最多得点試合
直近の甲子園大会での最多得点試合について触れておきます。
昨年(2022年)春のセンバツ大会1回戦で、あの「古豪」広島商業は、福井県代表の丹生高校を22-7という大差で下し、久々の甲子園勝利を飾りました。
春のセンバツで20得点以上を記録したのは、2019年の2回戦で山梨学院が24-5で札幌第一を破って以来、2年ぶり9度目のことでした。
また、両校合わせた得点(29点)は、戦前の1924年大会1回戦で市岡中(現市岡、大阪)が21-13で横浜商を破った試合の計34得点、1975年大会1回戦で倉敷工(岡山)が16-15の大接戦の上、中京(現中京大中京、愛知)を破った試合の計31得点に続き、1992年大会1回戦で仙台育英が18-11で読谷(沖縄)を破った試合と、前記の山梨学院VS札幌第一の計29得点に並ぶ、歴代3位の記録となりました。
地方大会での記録
甲子園大会の本戦では、コールドゲームという概念がありません。高校野球特別規則には「甲子園で開催される全国大会、地方予選の決勝戦ではコールドゲームを適用しない」という内容が掲載されています。
このため、チームの力量に差があっても、9回終了までは必ず試合が継続されます。最大得点や得点差も、9回(延長戦を含めると現在では最大15回)まで戦い切った結果のものです。
一方、地方大会では決勝戦を除いてコールドゲームが適用されるので、5回で10点差、7回で7点差がついた場合にはコールドゲームとなり、その時点で試合終了となります。
地方大会は、参加規程さえ満足していれば、全国の予選を勝ち抜いたり選抜された「強豪校」だけでなく、実力的に劣る高校などもエントリーできるので、場合によっては信じられないほどの大差がつく試合もあります。
有名なのは、1998年夏の青森県予選で記録された東奥義塾高校122-0深浦高校の試合が得点、点差ともに最大となっています。これに次ぐ2位の記録が72-0なので、飛びぬけた点差といえますが、地方予選を象徴する出来事として話題になりました。
なお、両校の名誉のためにも、決して手抜きや惰性で行われた試合でなく、正々堂々と戦った結果であったことは付記しておきます。
まとめ
春夏の甲子園大会における、最大得点差試合と、最多得点試合を中心に、地方大会での記録や最近の得点記録などについてみてきました。
技術が進歩し、選手の体格も立派になって、戦前のような圧倒的な実力差や地域差が見られなくなっていますが、最近の事例が示すように、高校野球では何が起こるかわからないのもまた大きな魅力です。
今年も春のセンバツ、夏の選手権という甲子園大会で、どんな記録が達成されるのか、楽しみにしたいものです。
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