高校野球の甲子園大会における、投手の「奪三振記録」と並び、ファンに強烈な印象を与えるのが打者の「ホームラン記録」です。
この記事では、打者の歴代ホームラン記録について詳しく解説します。
通算ホームランの歴代ベスト10は?
独特の雰囲気で盛り上がる甲子園大会で、チームやファンを熱狂に巻き込むのがホームランです。
歴代のホームラン記録・ベスト10についてみていきます。
【第1位】13本
氏名:清原和博
高校:PL学園(大阪)
ポジション:内野手
本塁打詳細:春:1984③1985① 夏:1983①1984③1985⑤
(丸数字は本数、以下同)
「KKコンビ」の打者として甲子園を席捲したのが、PL学園の清原選手でした。
通算13本もの本塁打は、2位以下を圧倒的に凌駕(りょうが)しており、おそらく今後破られることのない大記録です。
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【第2位】6本
第2位は同数で3選手います。
氏名:桑田真澄
高校:PL学園
ポジション:投手
本塁打詳細:春:1984② 夏:1983②1984①1985①
KKコンビの桑田投手が、投手としての数々の大記録以外にもなんと!ホームランでも歴代2位に名前を連ねているのは、もはや「驚愕」でしかありません。
その後もプロ野球・巨人で活躍しましたが、まさに「甲子園の申し子」といえる存在です。
氏名:元木大介
高校:上宮(大阪)
ポジション:内野手
本塁打詳細:春:1988①1989③ 夏:1989②
上宮高校の元木選手は、当時甘いマスクのスラッガーとして多くのファンを熱狂させました。
プロ野球の巨人に入団希望で、一浪までしたほどですが、プロ入り後は打撃を改造し、「曲者」と呼ばれる好打者へと変貌しました。
氏名:中村奨成
高校:広陵(広島)
ポジション:捕手
本塁打詳細:夏:2017⑥
広陵の中村選手は、甲子園出場わずか1回で大会記録となる「同一大会6本塁打」を放ち、それまでのPL学園・清原選手の5本を抜く新記録を達成しました。
比較的新しい記録なので、ファンの印象にも残っていますが、その後進んだプロ野球・広島での成長が期待されます。
【第3位】5本
第3位はさらに多数の選手が記録しており、全部で6名となっています。
氏名:香川伸行
高校:浪商(大阪)
ポジション:捕手
本塁打詳細:春:1979② 夏:1979③
香川選手は、有名漫画からの愛称「ドカベン」として親しまれ、牛島投手とバッテリーを組んで甲子園で大活躍しました。
プロ入り(南海)後も活躍を続け、独特のキャラクターで多くのファンに愛されました。
氏名:鵜久森淳志
高校:済美(愛媛)
ポジション:外野手
本塁打詳細:春:2004② 夏:2004③
鵜久森選手は、愛媛の強豪・済美で活躍し、甲子園大会でも5本のアーチを量産しました。
プロ野球に進み(日本ハム)、強打を発揮して印象に残るプレーを演じました。
氏名:平田良介
高校:大阪桐蔭(大阪)
ポジション:外野手
本塁打詳細:春:2004① 夏:2005④
平田選手は、今でこそ甲子園の優勝常連校となる少し前の時代に、大阪桐蔭を牽引したスラッガーでした。
プロ野球(中日)に進んでからも長く活躍を続け、先日惜しまれながら引退しました。
氏名:森友哉
高校:大阪桐蔭(大阪)
ポジション:捕手
本塁打詳細:春:2012① 夏:2012②2013②
前述の平田選手以下、大阪桐蔭の選手がホームラン記録を独占しています。
森選手はシュアな左バッターでもあり、プロ入り(西武)後も首位打者を獲得するなど、活躍を続けています。
氏名:藤原恭大
高校:大阪桐蔭(大阪)
ポジション:外野手
本塁打詳細:春:2017② 夏:2018③
この藤原選手と、次に挙げる松尾選手は、つい最近甲子園を沸かせたばかりなので、ファンの印象にも新しく刻まれています。
春夏連覇の立役者でもあり、プロ入り(ロッテ)後の活躍が期待されます。
氏名:松尾汐恩
高校:大阪桐蔭(大阪)
ポジション:捕手
本塁打詳細:春:2022② 夏:2021①2022②
松尾選手は、同年「史上最強チーム」といわれた大阪桐蔭を捕手として率いました。
ドラフトでもDeNAに1位で指名され、藤原選手同様、今後の活躍が大きく期待されています。
歴代通算ホームラン記録をみると、燦然(さんぜん)と輝くのは、何と言ってもPL学園の清原和博選手の大記録です。もはや「空前絶後」といっても過言ではありません。
さらに、歴代ベスト10のうち、なんと大阪が8人と、全体の8割を占めているのも驚異的です。単なる「地の利」以外にも、本人の実力を含めた様々な要素があるのでしょう。
記憶に残る「最高の本塁打」は?
甲子園大会での劇的な本塁打は数々あります。
その中から、やはり人々の記憶に今も強烈に残っている「最高の本塁打」をいくつか選んで挙げてみましょう。
佐賀北:奇跡の「決勝戦・逆転満塁本塁打」
2007年選手権決勝:佐賀北(佐賀)5-4広陵(広島)
まずは、日本中が熱狂する夏の甲子園決勝で生まれた劇的な一発です。
2007年夏の選手権、決勝戦は広島の強豪:広陵と、佐賀の公立校である佐賀北の一戦となりました。
広陵のバッテリーは後に大学やプロで活躍する野村投手と小林捕手が大活躍し、一方の佐賀北はスター選手不在ながら決勝まで勝ち進み、地元の熱狂的な応援を背に受けていました。
こうして迎えた決勝戦で生まれた、史上初の決勝での逆転満塁本塁打。甲子園を埋め尽くした5万人の大観衆は、その瞬間「時を止め」ました。
済美:史上初の「逆転サヨナラ満塁本塁打」
2018年選手権(第100回記念大会)2回戦:済美(愛媛)3-11星陵(石川)
記念すべき第100回の選手権記念大会で、史上初となる「逆転サヨナラ満塁本塁打」が生まれました。
どちらも全国の強豪である済美と星稜の試合は、延長13回タイブレークの場面で、矢野功一郎内野手が放ったサヨナラ逆転満塁本塁打で死闘を制しました。
「やればできるは魔法の合いことば。腕をとり、肩を組み、信じてみようよ。素晴らしい明日が展(あ)けるから」は、済美の校歌です。
佐賀商:県勢初の全国制覇、決勝戦・同点の9回2死満塁で生まれた「決勝満塁本塁打」
1994年選手権決勝:佐賀商(佐賀)8-4樟南(鹿児島)
記録的な猛暑に見舞われた1994年夏の選手権は、神がかり的な満塁本塁打によってフィナーレを迎えました。
全国に知られた強豪校・樟南に比べると、注目度が低かった「無印」の佐賀商でしたが、同点で迎えた9回表に決勝満塁本塁打が飛び出し、球場全体が「一瞬の静寂、歓声が消えた」瞬間でした。
仙台育英:優勝旗が白河の関を超えた!
2022年選手権決勝:仙台育英(宮城)8-1下関国際(山口)
東北勢初の甲子園優勝を目前にした仙台育英は、4点リードの7回に5番の岩崎生弥選手が満塁本塁打を放ち、その後リードを守って「東北勢初優勝」の快挙を成し遂げました。
「東北勢の夢を乗せた満塁ホームラン!」と称えられ、人々に感動を与えました。
高松商:春のセンバツ「決勝戦での逆転サヨナラランニング本塁打」
1960年選抜決勝:高松商2-1米子東(鳥取)
四国の名門・高松商と、進学校ながら古豪としての歴史を誇る米子東(鳥取)の決勝戦で生まれたのが、高松商の山口選手が放った、春夏あわせて唯一無二の記録である「決勝戦での逆転サヨナラランニング本塁打」です。
あと一歩で優勝を逃した米子東でしたが、後にも先にも鳥取県勢が決勝に進んだのはこの試合だけです。
まとめ
高校野球の最高峰、甲子園大会での歴代ホームラン数ベスト10と、人々の記憶に残る最高の本塁打について解説しました。
長い歴史を誇る甲子園大会ですが、今なお色褪(あ)せない素晴らしい記録の数々です。
今後も、新しい歴史を飾る素晴らしいホームランを期待したいものです。
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