バスケットボール界最大の国際イベントのひとつが、FIBAバスケットボール・ワールドカップ。4年に一度開催されるFIBA(国際バスケットボール連盟)主催の男子の世界対抗戦です。
この大会、優勝国にはバスケットボールの生みの親の名を冠したネイスミス・トロフィーが贈られますが、それよりも気になるのは賞金ではないでしょうか。
今回は、FIBAバスケットボール・ワールドカップの賞金をご紹介。
なぜかあまり話題に取り上げられない理由も解説します。
【バスケ】ワールドカップ賞金の仕組み
FIBAバスケットボール・ワールドカップの賞金はスポンサーとの契約や放送権料などさまざまな条件によって決まります。
実際の額は大会直前になっても発表されないことも。
そのためサッカーのFIFAワールドカップやその他の大きなスポーツイベントと比べて賞金額が話題になりにくいのです。
【関連記事はこちら】⇩
・【JBA】バスケットボール日本代表スポンサー一覧
・【FIBA】バスケワールドカップ放映権について解説!
【バスケ】ワールドカップ賞金 過去の額
FIBAバスケットボールワールドカップの過去の賞金額は発表されています。
その額と、2023年大会の推測をご紹介しましょう。
2014年大会
スペインのマドリードで開催された2014年のFIBAバスケットボール・ワールドカップの賞金総額は過去最高の1500万ドル(約21億円)だったとされています。
そのうち優勝国の賞金は100 万ドル(約1億4000万円)。
準優勝国の賞金額は60万ドル(約8400万円)で、3位と4位の国は各35万ドル(約4900万円)でした。
2019年大会
中国の北京で開催された2019年のFIBAバスケットボール・ワールドカップも賞金総額は1500万ドル。
ただしその賞金額の割り振りが大きく異なっていたとされています。
優勝国の賞金は250万ドル(約3億5000万円)。
以下、準優勝国は150万ドルで、3位と4位の国は各120万ドルでした。
さらに5位から8位は各80万ドル、9位から16位は各55万ドル、17位から32位は各20万ドルとなっています。
2023年大会
2023年大会の賞金総額については、1500万ドルを超えると予想されています。
優勝賞金は250万ドルから300万ドルの範囲になる可能性が高く、準優勝以下の国についても賞金額は多少上がるという予測が一般的。
仮に前回大会と同じだったとしても、優勝賞金は約3億5000万円、準優勝の賞金は約2億1000万円、3位と4位は約1億6800万円、5位から8位は約1億1200万円、9位から16位は約7700万円、17位から32位は約2800万円となります。
さてこの額は多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
【バスケ】ワールドカップ賞金 比較
FIBAバスケットボール・ワールドカップの賞金額が多いといえるのか、他のスポーツイベントなどと比較してみます。
サッカーFIFAワールドカップ
ワールドカップといえば最も有名なのはサッカー。
賞金額が史上最多となったFIFAワールドカップカタール大会の賞金総額は、4億4000万ドル(約616億円)でした。
バスケットボール・ワールドカップの約30倍。
優勝国の賞金は4200万ドル(約58億8000万円)で約17倍、準優勝国が3000万ドル(約42億円)で約20倍、3位が2700万ドル(約37億8000万円)で約23倍、4位が2500万ドル(約35億円)で約21倍でした。
そして8強に入れば賞金は1700万ドル(23億8000万円)で約21倍、16強は1300万ドル(18億2000万円)で約24倍です。
さらに1次リーグで敗退した場合でも900万ドル(約12億6000万円)の賞金を得ることができました。
つまり本戦に出場しさえすれば、バスケットボール・ワールドカップの優勝賞金の3倍以上が約束されているということ。
いずれにしても桁違いという言葉がピッタリです。
WBC
賞金額が近いのは野球のWBC(ワールドベースボールクラシック)です。
2023年のWBCの賞金総額は1440万ドル(約20億1600万円)で、バスケットボール・ワールドカップとほぼ同じでした。
こちらは出場全20チームがまず30万ドルを獲得し1次リーグ突破ならプラス40万ドル、1位通過ならさらに30万ドルプラスというルール。
その後も準々決勝の勝利で50万ドルプラス、準決勝の勝利で50万ドルプラスとなり、優勝チームは最大で300万ドル(約4億2000万円)を獲得できるという仕組みでした。
結果的に優勝賞金もバスケットボール・ワールドカップと似た額であることになります。
MLBの年俸
このWBCについて常に問題となっているのが、メジャーの一流選手がなかなか出場しないということ。
その大きな理由が、上記の賞金額です。
日本プロ野球の一軍の最低年俸は1600万円で、日本人選手の平均年俸は4312万円となっています。
これに対してMLBの最低年俸は70万ドル(約9800万円)で、平均年俸は441万4184ドル(約6億1800万円)。WBCに出てほしいレベルである年俸がトップ10位あたりの選手の場合、年俸は3400万ドル(約47億6000万円)となります。
つまり選手1人の年俸で、WBCのチーム全体の優勝賞金の11倍以上。
これではMLBの選手が大切なシーズンの調整期間にWBCに出場するのを拒否したり、チームが選手の出場を禁止したりするのも無理はありません。
NBAの年俸
ではバスケットボールのNBAの年俸はどうなのでしょうか。
NBAの最低年俸はキャリアの長さによって変化しますが、最低年俸は約101万7781ドル(約1億4250万円)。平均年俸は966万2447ドル(約13億5275万円)です。この時点ですでにバスケットボール・ワールドカップの優勝賞金1チーム分の約4倍。
ワールドカップに出て欲しいトップ10位レベルの選手だと、年俸は約4000万ドル(約56億円)となります。つまりたった1人の年俸でチームの優勝賞金の16倍!
もしワールドカップでチームが17位以下になってしまったら賞金は20万ドルですから、1人の選手の年俸の200分の1しかもらえないことになってしまうのです。
これを見るだけでもバスケットボール・ワールドカップの賞金額がかなり低いのは事実。そのためあまり話題に取り上げられることもないのです。
まとめ
ただし、日本などバスケットボールのプロリーグがあまり盛り上がっていない国では、この賞金額は一概に少ないとはいえません。
なぜならBリーグの最低年俸は300万円で、平均年収は約1600万円、日本代表クラスで約4500万円と言われているから。そういった選手にとってはチームの優勝賞金3億5000万円はとても大きな意味を持つはずです。
そしてさらに意義があるのは、賞金が協会を通じて次世代の選手育成にも役立てられること。
各国のバスケットボールの実力が底上げされれば、ワールドカップはさらに盛り上がり、その結果として将来的には賞金額もうなぎ上りになるかもしれないのです。
【関連記事はこちら】⇩
・【スポーツ選手】 年収ランキングTOP5!世界・日本国内別に紹介
・【スポーツ】競技人口ランキング世界Top5!球技が圧倒的人気!