時速100km/hにも迫る猛スピードで加速し、高さ100mほどから踏み切る大ジャンプが魅力の迫力満点なスキージャンプ。
スキージャンプは冬季オリンピックなどで目にすることがありますが、細かいルールはあまりわからないという方もいらっしゃるでしょう。
スキージャンプでは飛距離が目立つような印象を抱きますが、飛距離以外にもジャンプ中の美しさ「飛型点」もポイントになっています。
ポイントの対象になるのは以下の2つです。
・飛距離
・飛型点
これら2つを合算したものが得点になります。
今回は、そんなスキージャンプのルールについて解説します。
ルールを知っているのと知らないのでは、観戦の楽しさも変わってきますよ。
この記事で基本を知って、よりスキージャンプを楽しみましょう。
スキージャンプのルール①飛距離点
まずは「飛距離点」についてお伝えします。
飛距離はそのまま、「飛んだ距離」が重要になってくるのです。飛距離点はK点を基準に考え、K点を60点として計算します。K点との距離に応じて得点が加減される方式です。
K点が90mのところなら1.8ポイント。K点が120mのところなら2.0ポイントがK点との差に掛け算されます。
たとえばK点が90mで選手が80m飛んだ場合、以下の得点になります。
60(K点のポイント)-10(K点-10m飛んでいるため)×1.8(加算分)=59.82
飛距離点はこのような計算で算出されています。
スキージャンプのルール②飛型点
続いて「飛型点」です。飛距離点はなんとなく聞きなじみがあっても「飛型点」はあまりなじみがないでしょう。
飛型点とはジャンプの美しさ、正確さ、着地姿勢などを5人の審判がそれぞれ「減点法」で採点するポイントのことです。
5人の審判は、0.5点刻みの20点満点で採点します。5人のうち最低点と最高点をつけた2人を除いた3人の採点を合算したものが、飛型点となります。
以下のようなイメージを持つとわかりやすいでしょう。
A審判:19
B審判:17.5
C審判:15.5
D審判:16.5
E審判:18
この場合、最高点のA審判と最低点のC審判を除いた3審判の合計である52ポイントが「飛型点」となります。
先述の「飛距離点」と今回の「飛型点」を合計したものが1回のジャンプの得点です。選手は2回ジャンプできるため、2回の合計得点がその選手の得点となります。
飛型点は「減点法」でつけられるとお伝えしました。
では、どのような減点ポイントがあるのかを解説します。
「飛型点」の減点ポイントについて
飛型点の減点ポイントとして代表的なのは以下の3つです。
・飛行中の姿勢
・テレマークが不安定
・転倒
それぞれ順に見ていきましょう。
【飛型点の減点ポイント・飛行中の姿勢】
ひざが伸びていなかったり、バランスが不安定だったりすると減点対象となります。最大で5ポイント減点です。
【飛型点の減点ポイント・テレマーク】
テレマークとは、着地時の姿勢に使われる技術のことです。両腕は地面と平行で、両足のスキーは前後にずらして腰を落とすような姿勢をいいます。
テレマークは着地時のショックを抑えることができるため、理想的な着地とされており、このテレマークが安定していないと減点対象になってしまいます。
テレマークの不安定は、最大7ポイントの減点です。
【飛型点の減点ポイント③ 転倒】
転倒は、最大で10ポイントもの減点がある厳しいものです。しかし、転倒ラインを越えてからの転倒はノーカウントになります。
以上のように、飛型点にはさまざまな減点ポイントがあります。
ジャンプ中だけでなく着地時、着地後にも気を抜けないということが伝わったかと思います。
スキージャンプのルール③スキー板について
ここからは、スキー板についてお伝えします。
スキージャンプで使われる板は、通常のスキーで使用する板よりも軽く、長い作りです。使用できる板には細かなルールが決められています。
たとえばビンディングと呼ばれる、スキー板に靴を固定するための道具の位置はスキーの全長に対して、前方から57%以内というルールがあります。
さらに、スキー板の長さにも規定があるのです。スキー板の長さは、選手がジャンプスーツを着たときのBMI(体重kg÷(身長m×2)で算出される体格指数)に応じて長さが決められています。
BMIが21なら、スキー板の長さは選手の身長の145%までです。19なら137%までというように決められています。
そのため、スキージャンプの選手は体重管理も非常にシビアに行う必要があるのです。
まとめ
今回はスキージャンプのルールについてお伝えしました。
スキージャンプのルールには「飛型点」という聞きなれないワードや、減点方式による採点方法、スキー板の長さなどいろいろなルールがあります。
特に減点ポイントなどは、すぐにわかるようにはならないことも考えられます。
しかし、ジャンプ時の姿勢を気にしてみたり、着地の姿勢に注目してみたりすると次第にピンとくるでしょう。
冒頭でも述べましたが競技を見るうえでは、ルールを知っている方が楽しめるケースが多くあります。
ぜひ今回の記事を参考に、スキージャンプを楽しんでください。
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