プロ野球の試合数は、ここ数年、レギュラーシーズン全143試合という日程となっています。
年間の試合数はピッチャーの勝利数やバッターのホームラン数など、選手の記録に大きく関わってくるもの。
同じ日数で安定していた方が記録的には公平ですが、現実にはこれまで年間の試合数はかなり変化しています。
今回はプロ野球の試合数について調査。
試合数の推移と、現在の試合数が143になっている理由、試合数の増減の理由をご紹介します。
プロ野球の試合数の推移
プロ野球が始まったのは1936年。
この年の年間試合数はわずか26試合でした。
ただしこれはチーム数が4チームと極端に少なかったから。
そこで2リーグ制がスタートした1950年以降のレギュラーシーズンの試合数を調査しました。
試合数の推移
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ |
1950 | 140 | 120 |
1950 | 120 | 120 |
1950 | 120 | 108*最小 |
1950 | 130 | 120 |
1954 | 130 | 140 |
1955 | 130 | 140 |
1956 | 130 | 154*最多 |
1957 | 130 | 132 |
1959 | 130 | 130 |
1960 | 130 | 130 |
1961 | 130 | 140 |
1962 | 130 | 130 |
1963 | 140 | 150 |
1964 | 140 | 150 |
1965 | 140 | 140 |
1966 | 130 | 130 |
1967 | 130 | 130 |
1968 | 130 | 130 |
1969 | 130 | 130 |
1970 | 130 | 130 |
1971 | 130 | 130 |
1972 | 130 | 130 |
1973 | 130 | 130 |
1974 | 130 | 130 |
1975 | 130 | 130 |
1976 | 130 | 130 |
1977 | 130 | 130 |
1978 | 130 | 130 |
1979 | 130 | 130 |
1980 | 130 | 130 |
1981 | 130 | 130 |
1982 | 130 | 130 |
1983 | 130 | 130 |
1984 | 130 | 130 |
1985 | 130 | 130 |
1986 | 130 | 130 |
1987 | 130 | 130 |
1988 | 130 | 130 |
1989 | 130 | 130 |
1990 | 130 | 130 |
1991 | 130 | 130 |
1992 | 130 | 130 |
1993 | 130 | 130 |
1994 | 130 | 130 |
1995 | 130 | 130 |
1996 | 130 | 130 |
1997 | 135 | 135 |
1998 | 135 | 135 |
1999 | 135 | 135 |
2000 | 135 | 135 |
2001 | 140 | 140 |
2002 | 140 | 140 |
2003 | 140 | 140 |
2004 | 140 | 135 |
2005 | 146 | 146 |
2006 | 146 | 146 |
2007 | 144 | 144 |
2008 | 144 | 144 |
2009 | 144 | 144 |
2010 | 144 | 144 |
2011 | 144 | 144 |
2012 | 144 | 144 |
2013 | 144 | 144 |
2014 | 144 | 144 |
2015 | 143 | 143 |
2016 | 143 | 143 |
2017 | 143 | 143 |
2018 | 143 | 143 |
2019 | 143 | 143 |
2020 | 120 | 120 |
2021 | 143 | 143 |
2022 | 143 | 143 |
2023 | 143 | 143 |
1960年代から1990年代までは130試合で安定していたため、「野球のシーズンは130試合」という印象を持っている往年のファンも多いのではないでしょうか。
その後、試合数は135、140、146と増加し、近年は143試合+クライマックスシリーズという形で一応の落ち着きを見せています。
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最大試合数の理由
最大試合数は1956年パ・リーグの154試合。
極端に多い試合数ですが、これは球団数が多かったためです。
1954年から1956年まで、パ・リーグは所属球団が8球団もありました。そして1954年と19555年は各球団20回総当たりの140試合でしたが、1956年には各球団22回総当たりの154試合にしたのです。
ところが結果は失敗。
8球団では戦力にバラツキが大きく、赤字の球団も出てきたため、8球団は多すぎるという意見が噴出しました。
そこで翌1957年には球団数は7に減少。
1958年からはセ・パそれぞれ6球団に落ち着いて試合数も減ったのです。
最小試合数の理由
最小試合数は1952年パ・リーグの108試合です。
これはこの年のパ・リーグの開催形式が特殊だったから。
この年に限ってペナントレースは予選リーグ108試合+決勝リーグ12試合という方式で行われたのです。
当時の7球団で総当たり戦を108試合行い、その後に上位4球団での総当たり戦を12試合開催。
下位チームの試合数は確かに108ですが、上位チームの試合数は120だったとも言えます。
その他の主な変更点
日本プロ野球の歴史で変わったのは試合数だけではありません。
・引き分け再試合の有無
・2シーズン制の導入と撤廃
・交流戦の導入と交流戦試合数の減少
・クライマックスシリーズの導入
など、開催ルールは何度も変更されています。
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プロ野球の試合数が143になっている理由
現在の試合数は143試合で落ち着いています。
なぜこのように半端な試合数になっているのでしょうか。
144試合のときの内訳
143試合になる以前の試合数は、144。この内訳は以下のようになっていました。
同一リーグの試合 | 24試合×5=120試合 |
交流戦 | 6チーム×ホーム・ビジター各2戦=24試合 |
合計 | 144試合 |
現在の143試合の内訳
では現在の143試合の内訳はどうなっているのでしょうか。
同一リーグの試合 | 25試合×5=125試合 |
交流戦 | 6チーム×3連戦=18試合 |
合計 | 143試合 |
大きく変わったのは太字の部分。交流戦がホーム・ビジター各2戦の4試合から3連戦1回に減りました。
3連戦になると、一方のチームのホームでだけ試合が行われることになります。比較すると以前のホーム・ビジター各2戦の方が不公平がない方法。
ではなぜ3連戦にして試合数を減らしたのかというと、日程が効率よく組めないから。
プロ野球はそもそも月曜に休んで3連戦を週2回行うのが基本。ホーム・ビジター2試合ずつの24試合制だとこの流れがずれてしまうのです。その結果、集客が見込める金曜日に試合が開催できないことや、土曜日にデーゲームが組めないことが問題化。さらに24試合を開催するために予備日を含めて40日近くかかるため、日程の間伸びも問題になりました。
そのためセ・リーグからの申し入れで6チーム×3連戦の18試合になったのです。
ホームが偏る不公平はその翌年に逆のホーム球場で行うことで解消することになりました。
そして合計144試合から大きく減らないよう、同一リーグの試合を1つ増やして25試合として調整。合計143試合となったのです。
プロ野球の試合数が増えた理由
チーム数が落ち着いた1960年代から1990年代まで130で安定していた試合数が90年代以降に増えているのはなぜでしょうか。
その裏には技術の進歩と、営業的な理由があると言われています。
交通機関の発達
交通機関が今ほど発達していなかった当時は球場間の移動はとても大変でした。
そのため年間試合数にはどうしても制限があり、また少しでも移動を少なくするためにダブル・ヘッダーの試合が頻繁に行われていました。
ところがその後、交通機関が発達し、移動が楽に。
またドーム球場が増えて中止の心配も減ったことから、試合数が多くなったのです。
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巨人戦を増やしたい
以前、プロ野球の球団の中では巨人が圧倒的な人気を誇っていました。
各球団にとって巨人戦はドル箱。
巨人戦を多く行えば収入がアップするため、全体の試合数を増やすことで巨人戦を増やそうとしました。
観客動員数が増加
以前、特にパ・リーグには観客が少なすぎて試合をするほど赤字になるという球団もありました。
そのため球団によっては試合数を少なくしたいという声も。
ところが現在の野球界は各球団の努力もあって巨人に頼らなくても観客動員が見込める状況に。
球場に訪れる女性や子どものファンも増えたため、球団側はなるべく試合数を増やしたいと考えるようになっているのです。
まとめ
徐々に増えてきた年間の試合数。
将来的にはさらに増やすという案も浮上しています。
メジャーリーグの年間試合数は162。
日本プロ野球の試合数は今後さらに増えていくのでしょうか。
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