フィギュアスケートの見せ場といえば、なんといってもジャンプ。
スポーツニュースでも「4回転半に挑戦!」などと話題になります。
ではこのジャンプ、どのような種類があり、それぞれに点数はどのようにつけられるのでしょうか。
今回は、フィギュアスケートのジャンプをご紹介。
得点や難易度別に、その種類を解説します。
【フィギュアスケート】ジャンプの得点
フィギュアスケートの技は、大きく分けるとジャンプ・スピン・ステップの3種類。
それぞれにたくさんの種類があります。
では技に対する得点はどのように決まるのでしょうか?
得点の決め方
フィギュアスケートの技には、それぞれに基礎点が決められています。
それに出来栄え点(GOE)を加えたものが、その技の得点。
基礎点は難易度が高いとされる技ほど高い設定になっていて、ジャンプの場合、それぞれの回転数によっても基礎点が変わります。
今のところ基礎点が決まっているのは1回転から4回転まで。
一方の出来栄え点は「高さと距離」「踏み切りと着氷」「ステップなどの入り方の創造性」「姿勢」「音楽とのシンクロ」などで判定します。
またコンビネーションジャンプでは組み合わせた技の得点をそのまま合計し、シークエンスジャンプでは足してから0.8をかけた点数となる決まりです。
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【フィギュアスケート】ジャンプの種類
ジャンプの種類は6種類。
まずつま先(トゥ)で踏み切るトゥジャンプと、それ以外の部分で踏み切るエッジジャンプに分類できます。
そして踏切時に前向きに進んでいるか、後ろ向きに進んでいるかという分類があり、さらにエッジの内側を使うか外側を使うかという違いもあります。
これによって種類が分けられるのです。
ちなみに着氷は全て後ろ向き。
これは前から着氷するとトゥのギザギザが氷に引っかかるためです。
今回は基礎点を基準に、難易度が低いとされるジャンプから順にご紹介します。
この基礎点は2021-2022シーズンのもの。
技の基礎点はシーズンごとに見直される可能性があります。
トゥループ
トゥループは後ろ向きに入ってトゥジャンプし、同じ足で着氷します。
着氷後すぐに次のジャンプができるため、コンビネーションのセカンドジャンプでよく使われるのが特徴。
得点はジャンプの中では最も低くなります。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
シングルトゥループ(1回転) | 0.40 |
ダブルトゥループ(2回転) | 1.30 |
トリプルトゥループ(3回転) | 4.20 |
クアドトゥループ(4回転) | 9.50 |
サルコウ
サルコウは後ろ向きに入ってブレード内側でエッジジャンプし、もう一方の足の外側のエッジから着氷するジャンプ。
1901年から10回の世界チャンピオンに輝いたスウェーデンのウルリッヒ・サルコウにちなんで命名されました。
コンビネーションでは3連続ジャンプの最後などによく見られます。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
シングルサルコウ(1回転) | 0.40 |
ダブルサルコウ(2回転) | 1.30 |
トリプルサルコウ(3回転) | 4.30 |
クアドサルコウ(4回転) | 9.70 |
ループ
ループは後ろ向きに入ってブレード外側でエッジジャンプし、同じ足の外側エッジから着氷するジャンプです。
踏み切らない方の足を前にクロスする形で踏み切るのが特徴。
トゥループのようにすぐに次のジャンプに移れますが、タイミングを合わせるのが難しく、回転不足のリスクがあります。
なお2018-2019シーズンから一部名前を変更。
コンビネーションなどで使われるシングルループのうち左足着氷のジャンプは右足着氷のループと区別してオイラーと呼ばれるようになりました。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
シングルループ・オイラー(1回転) | 0.50 |
ダブルループ(2回転) | 1.70 |
トリプルループ(3回転) | 4.90 |
クアドループ(4回転) | 10.50 |
フリップ
フリップは後ろ向きに入って内側のエッジに乗ってから、もう一方の足のトゥピックでジャンプし、トゥピックを使った足で着氷するジャンプ。
エッジの内側に乗るため、滑走のカーブの向きそのままにジャンプするのが特徴です。
明確に内側のエッジでないと「エッジエラー」の減点となります。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
シングルフリップ(1回転) | 0.50 |
ダブルフリップ(2回転) | 1.80 |
トリプルフリップ(3回転) | 5.30 |
クアドフリップ(4回転) | 11.00 |
ルッツ
フリップによく似ているのがルッツ。
後ろ向きに入って外側のエッジに乗ってから、もう一方の足のトゥピックでジャンプし、トゥピックを使った足で着氷します。
こちらも明確に外側のエッジでないと「エッジエラー」の減点。
外側のエッジを使い、助走の流れとは逆方向にジャンプするため、難度の高いジャンプとなります。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
シングルルッツ(1回転) | 0.60 |
ダブルルッツ(2回転) | 2.10 |
トリプルルッツ(3回転) | 5.90 |
クアドルッツ(4回転) | 11.50 |
アクセル
ここまでの5種類のジャンプは全て後ろ向きに入るものでした。
ところがアクセルは唯一前向きに跳ぶジャンプ。
前向きにエッジジャンプし、着氷は反対側の足の外側エッジで後ろ向きに着氷します。
踏み切りと着氷の向きが逆になるため半回転プラスされるのが特徴。
「3回転半ジャンプ」などと言ったらこのアクセルのことで、半回転多いために難易度も最高となります。
アクセルという名前は、ノルウェーのアクセル・ポールセンに由来するもの。
1882年から1890年までスピードスケートの世界チャンピオンだった彼は、フィギュアスケートでこのジャンプを初めて成功させ、その名を残しています。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
シングルアクセル(1回転半) | 1.10 |
ダブルアクセル(2回転半) | 3.30 |
トリプルアクセル(3回転半) | 8.00 |
クアドアクセル(4回転半) | 12.50 |
まとめ
難易度によって基礎点に差がある6種類のジャンプ。
現在はクアドアクセル(4回転半ジャンプ)が最高となっていますが、その基礎点は平昌オリンピックでは15.0でした。
ところが現在は2.5も下がってクアドルッツとの得点差はわずか1.0になっています。
つまりクアドアクセルは夢のような技から現実的な技になってきたということ。
今後さらにフィギュアスケートのレベルが上がっていけば、4回転半は当たり前という時代が来るかもしれません。
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