サッカーの試合では起こりがちなオウンゴール。
かつては自殺点と呼ばれたこのオウンゴールは、味方チームのゴールにボールを入れてしまうことです。
しかし普通のゴールなのかオウンゴールなのかの判定は実は微妙。どのような状態ならオウンゴールと判定されるのでしょうか?
そして記録上は誰の得点になり、どういうときに起こるのでしょうか?
今回は、オウンゴールについて調査してみました。
オウンゴールの定義
オウンゴールは誤って味方のゴールにボールを入れてしまうこと。
相手チームの得点としてゴールが認められます。
しかし単純に最後に触れた選手が味方ならオウンゴールになるわけではありません。
オウンゴールになる場合
Jリーグの記録基準では「明らかなオウンゴール」として以下の条件が挙げられています。
・明らかにシュートでないボールに守備側選手が意図的にプレーした場合
・明らかにシュートでないボールが偶然守備側選手に当たった場合
・守備側選手の明白なミス
つまり味方へのパスやクリアがミスキックでゴールに入ってしまったような場合に、オウンゴールとなります。
オウンゴールにならない場合
一方、Jリーグの記録基準には「明らかなオウンゴール以外はすべて攻撃側選手の得点とする」と書かれていて、具体的に以下の例が挙げられています。
・シュートが守備側選手に当たってコースが変わった場合は、すべて攻撃側の得点とする
・シュートが明らかに枠内に飛んでいない場合でも、得点とする(攻撃側の「得点しよう」という意図を重視)
・守備側選手が意図的にボールに働きかけた場合でも、得点とする
つまりシュートを止めようとしてフィールドプレーヤーやゴールキーパーが少しボールに触れてもオウンゴールにはならないということ。
枠を外したシュートを止めようとした守備側がむしろ良いコースに修正してしまったゴールでも、オウンゴールとはならないのです。
【関連記事はこちら】⇩
・イエローカードはいつ消える?条件や影響について調査!
・【サッカー】アジリティとは?意味や具体例を調査!
微妙な場合
さらにJリーグの記録基準には「微妙なケースについて」という記述があり、攻撃側選手のシュートがゴールポストやバーに当たって跳ね返った後についても記述されています。
・跳ね返りのボールに守備側選手が意図的にプレーした場合:オウンゴール
・跳ね返りのボールが守備側選手に偶然当たった場合:攻撃側選手の得点
跳ね返ったボールがたまたま守備側選手に当たって入ってしまうことはよくありますが、これはオウンゴールとはならないのです。
また間接フリーキック後のプレーについては以下のように書かれています。
・間接フリーキックで攻撃側選手の蹴ったボールが、守備側選手に当たってゴールした場合はオウンゴール
オウンゴールは誰の得点?
オウンゴールかそうでないかの判定は、マッチコミッショナーと主審、実行委員が行って発表します。
そして海外のリーグなどではオウンゴールをした選手が記録に残ることもありますが、Jリーグでの記載は「オウンゴール」のみ。
その得点は誰が入れたものでもないという扱いになります。
オウンゴールが起こる原因
このオウンゴールは、どのようなときに多く起こるのでしょうか。
過去の記録を調べると、その約8割は攻撃側からのボールのクリアミスなのです。
クロス・CKのクリアミス
オウンゴール全体の約40%を占めるのは相手が上げたクロスのクリアミスです。
サイドからペナルティエリア中央に来るパスですが、シュート直前のパスで、ゴール前は敵味方入り乱れた状態に。
守備側は自分も動きながらボールと相手選手の位置を把握し、プレーしなければなりません。
クロスがゴール近くに上がればクリアの難易度もさらに上がり、ちょっとしたミスでオウンゴールとなってしまうのです。
2番目に多いのはコーナーキック(CK)のクリアミス。
こちらもクロス以上に混乱した状態でのプレーになり、オウンゴールも発生しやすくなります。
クリア・ブロックが当たる
1つ前が味方の蹴ったボールであるパターンの7割を占めているのは、クリアやブロックしたボールが偶然当たってしまうというものです。
こちらも敵味方が入り乱れた場面でよく起こります。
オウンゴールの傾向
稀にバックパスやボールコントロールのミスでオウンゴールとなってしまうこともありますが、ほとんどのオウンゴールは混雑した状態で起こっています。
懸命にクリアしようとした結果で、完全に避けることはできないといえそうです。
オウンゴールの世界記録
サッカーの公式戦では、なんとオウンゴールが149という試合の記録があります。
これは2002年10月31日にTHBチャンピオンズリーグ(マダガスカル・サッカーリーグ)のアデマ対レミルヌ戦で記録されたものです。
レミルヌはこの試合の前節に疑惑のPK判定でリーグ優勝の可能性が消滅。その結果リーグ優勝したのが対戦相手であるアデマでした。
レミルヌは判定に抗議するために、消化試合となったアデマ戦でオウンゴールを連発したのです。
149対0というスコアはサッカー公式戦の最多得点差にもなっています。
まとめ
オウンゴールのほとんどは懸命なプレーの中で避けようがなく起こってしまうもの。
もしオウンゴールをした選手を記録に残すと、例えばごく簡単なバックパスをゴールキーパーが取り損なったときに、オウンゴールをしたのはパスをした選手ということになってしまいます。
このような矛盾もありますから、選手名を記録に残さないのは良いことかもしれません。
【関連記事はこちら】⇩
・【ゴラッソ】意味や使い方を詳しく解説!
・【VAR】ビデオ・アシスタント・レフェリーのルールや条件!