将棋は相手の王将(玉)を取れば勝ちとなるゲーム。
そのため攻める一方ではなく、自分の王将をしっかりと守る必要があります。
でもどうやって守れば良いのかさっぱり分からないという初心者の方、ご安心ください。
基本的な戦法と同じように、王将の守りにも基本的な型である「囲い」が存在するのです。
今回は、将棋の主な囲いをご紹介。
これでしっかり守りを固めて、負けない将棋を目指してください。
【将棋】囲いの基本的な考え方
囲いは守りを固めるために行うもの。
しかしあまり多くの駒を守りに使ってしまっては攻撃ができなくなってしまいます。
また相手の攻撃に対処するのが囲いの目的ですから、相手の攻めの形に合わせて囲いを作ることが重要。
まずはその基本から解説します。
囲いは金2枚と銀1枚
囲いは金2枚と銀1枚を使うのが基本。
ほとんどの囲いはこの枚数で作られています。
歩などをうまく配置すれば、これで防御は十分。
将棋では攻撃の基本は飛車・角・銀・桂馬で、囲いに使わないもう1枚の銀は攻撃に参加するのです。
【関連記事はこちら】⇩
・【将棋】戦法一覧|最強・有名・使える戦法をピックアップ!
・【将棋】8大タイトルとは?序列・永世称号の仕組みも解説!
相手の飛車と反対に作る
将棋には大きく分けると「居飛車」と「振り飛車」という2つの戦法があります。
居飛車は飛車を最初の位置から動かさない戦法で、振り飛車は飛車を横に動かしてから戦う戦法。
飛車の近くは激しい攻防が起こる可能性が高いため、王将(玉)の囲いは飛車がない方に作るのが鉄則です。
つまり居飛車なら左側に、振り飛車なら右側に囲いを作ることが基本となります。
さらに相手が居飛車なのか振り飛車なのかによって攻撃の受け方が変わってきますから、囲いの形は相手の戦法に応じて選ぶことになります。
【将棋】相居飛車での囲い
相居飛車は互いに居飛車同士の戦法。
プロの将棋でもよく見られる形です。
矢倉囲い
矢倉囲いは最も基本的な囲いの一つ。
単に矢倉とも呼ばれ、相居飛車では非常によく使われます。
組むまでに手数はかかりますが、完成すれば上と斜めからの攻めに対して強靭な囲いとなるのが特徴。
金銀の組み合わせや配置の違いによって多くのバリエーションがあります。
歩 | 歩 | 歩 | ||||||
歩 | 歩 | 銀 | 金 | |||||
玉 | 金 | |||||||
香 | 桂 |
中住まい
中住まいは玉を中間に置き、堅さよりもバランスを重視した囲いです。
短い手数で完成するため急戦にも対応しやすく、全体に隙を無くすことで相手から攻め込まれにくくなっています。
一点に集中攻撃されると突破されやすい囲いですが、その場合も右か左の安全な方向に玉を逃がすことが可能です。
歩 | 飛 | |||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | ||
角 | 金 | 玉 | 銀 | 金 | ||||
香 | 桂 | 銀 | 桂 | 香 |
【将棋】対振り飛車での囲い
自分が居飛車、相手が振り飛車のときには、対振り飛車用の囲いがあります。
舟囲い
舟囲いは振り飛車に対して使われる最も基本的な囲い。
わずか6手で完成するため、この囲いを作ってすぐに急戦を仕掛けられるのが強みです。
またここから囲いを発展させ、さらに強固な囲いを目指すこともできます。
歩 | 歩 | 歩 | ||||||
歩 | 歩 | |||||||
角 | 玉 | 金 | ||||||
香 | 桂 | 銀 | 金 |
居飛車穴熊
居飛車穴熊は手数がかかる代わりにかなりの堅さを誇る囲い。
ほぼ最強の囲いで簡単には王手がかからないので、攻めに集中できます。
弱点は多くの駒を守りに使うため攻めの駒が足りなくなること。
また一番奥に玉を置くため逃げ道がないという欠点もあります。
歩 | 歩 | 歩 | ||||||
歩 | 歩 | 角 | 歩 | 銀 | 歩 | |||
香 | 銀 | 金 | ||||||
玉 | 桂 | 金 |
【将棋】振り飛車での囲い
自分が振り飛車を選択すると、飛車が左側に移動するため、囲いの位置は右側になります。
美濃囲い
美濃囲いは振り飛車で定番の強固な囲い。
特に相手が居飛車の場合によく使います。
少ない手数で完成するのに守りは堅く、特に横からの攻めに強いのが特徴。
一方で縦の攻めには比較的弱くなります。
さらに手数をかけて発展させていくことも可能です。
歩 | ||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | |||||
金 | 銀 | 玉 | ||||||
金 | 桂 | 香 |
【将棋】相振り飛車での囲い
初心者同士の対戦では、こちらが振り飛車を選択すると相手も振り飛車に組んでくることがよくあります。
このような場合を相振り飛車といい、縦の攻撃を受けやすい形に。
振り飛車で定番の美濃囲いは縦の攻めに弱いため使いづらくなります。
金無双
金無双は相振り飛車での定番の囲い。
上からの攻撃にも強くなり、特に初心者には使いやすい囲いと言えます。
一方で銀が壁となって玉の逃げ道をふさいでしまっているのが欠点です。
歩 | ||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | |||||
金 | 金 | 玉 | 銀 | |||||
桂 | 香 |
高美濃囲い
美濃囲いを相振り飛車向けに発展させたのが高美濃囲い。
金と桂馬が高い位置に移動することで、美濃囲いよりも上からの攻めに強くなります。
一方で横からの攻めには美濃囲いより弱くなりますから、展開に応じて選ぶことが重要です。
歩 | 歩 | 歩 | ||||||
金 | 桂 | 歩 | ||||||
銀 | 玉 | |||||||
金 | 香 |
【将棋】最強の囲い
では将棋界最強の囲いとはどのようなものでしょうか?
実は「無敵囲い(最強囲い)」と呼ばれる囲いがあるのです。
無敵囲い
これが無敵囲い(最強囲い)です。
歩 | 歩 | 歩 | ||||||
銀 | 飛 | 銀 | ||||||
金 | 玉 | 金 |
将棋のことが分かる人ならこれが無敵ではないことは一目瞭然。
しかし将棋を覚えたての人が自己流で囲いを組むとこの形になりがちで、いつまでたってもこの囲いを愛用する人を皮肉って無敵囲いという名が付きました。
「うわやられた!無敵囲い(笑)」というイメージ。
全く最強ではないので、やってはいけません。
ビッグ4
本当に堅いとプロも認める最強の囲いは、ビッグ4です。
昔から守りの強さは最強と言われた穴熊を金銀4枚で強化したもので、駒の密度、連結共に最強。
全く隙のない鉄壁の囲いとなります。
弱点は銀を2枚使ってしまうため攻撃が極端に弱くなること。
最も堅いのは分かっていても、なかなか使えない囲いです。
歩 | 歩 | 歩 | ||||||
銀 | 銀 | 歩 | ||||||
香 | 金 | 金 | ||||||
玉 | 桂 |
まとめ
守りを固める囲いは将棋の基本。
ついつい最強を追求したくなりますが、守りだけでは勝てないのが将棋です。
他にもマイナーな囲いはたくさんありますから、自分に合った囲いを見つけてみてください。
【関連記事はこちら】⇩
・【将棋】強くなるには?上達するための7つの方法!
・【将棋】段位一覧|ランクやシステムについて徹底調査!