体育の授業でも行うことがある砲丸投げ。
器具がシンプルで特別な練習が少ないため、投擲種目の中でも競技人口が最も多い種目となっています。
ただしボールを投げるような感覚で投げると記録が伸びない上にケガの危険性も。
逆にコツを押さえて正しく練習すれば、記録を大きく伸ばすことも可能です。
今回は砲丸投げで遠くに飛ばすコツと、家でもできる練習法をご紹介します。
【砲丸投げ】の基本
砲丸投げは砲丸と呼ばれる鉄の球を遠くへ飛ばす競技。
投げる直前まで砲丸を首につけておき、直径2.135mのサークル内から投げるというルールがあり、34.92度の有効区域から砲丸が出るか、サークルから自分が出るとファウルになります。
2種類の投げ方
学校ではあまり教えてもらえませんが、砲丸投げには実は2種類の投げ方があります。
・グライド投法:助走して真っ直ぐ押し出す投法
・回転投法:投げる前に体を回転させ、遠心力も利用して投げる投法
海外のトップ選手の多くは回転投法を使っていて、一見すると回転投法の方がよく飛ぶように思えます。
しかし回転するためファールになることが多く、難易度は高め。
日本には回転投法の指導者も少ないため、グライド投法が主流となっています。
【砲丸投げ】遠くに飛ばすコツ
砲丸を遠くへ飛ばすコツは、実はあまり難しいものではありません。
体の使い方を知れば、覚えるのは比較的簡単なはず。
ここでは日本で主流のグライド投法のコツを解説します。
コツ①握らない
砲丸投げで重要なのは、砲丸を握らないということ。
まずは投げるという意識を捨るためにも、砲丸を握るのではなく、手に乗せるようにします。
コツは、砲丸の中心が中指の付け根に乗るようにすること。
人差し指と小指で砲丸を挟み、親指、中指、薬指は軽くそえるようにします。
砲丸が大きい、または重くて支えにくい場合は、親指以外の指の間隔を狭くして、指の負担を減らしてください。
コツ②左足の小指で踏み締める
グライド投法は、例えば右利きの場合、サークルの後端からグライド(ステップ)で助走し、前端の足留め材で左足を止めて体を半回転させ、右手で前に押し出すという投げ方。
ここで重要になるのが、左足の小指です。
左足の小指は、回転の最も外側に当たる位置。
ここが浮いてしまうと姿勢が安定せず、ステップの勢いが上半身にうまく伝わらなくなってしまいます。
左足の小指で地面を踏み締め、体を安定させて投げるよう意識してください。
コツ③右脚で蹴る
砲丸投げは上半身、特に腕の力だけで押してしまいがちですが、遠くへ飛ばすための力を最も発揮するのは、腕ではなく脚。
特に右利きなら右脚が地面を押す力です。
投げた後に少し飛び上がるくらいの力で地面を蹴り、その勢いで右足から左足に体重移動するのがコツ。
また砲丸投げの記録を伸ばすためには、上半身よりも下半身の筋肉を強化する方が近道になります。
コツ④一直線に伸び上がる
ステップの勢いと脚が地面を蹴る力を砲丸に乗せて飛ばすためには、体が一直線に伸び上がる必要があります。
膝→腰→肩→腕が一直線に。
どこかが曲がっているようなら、力が逃げてしまっていることになります。
一直線になることは砲丸投げの基本技術で、意識もしやすいコツ。
自分を撮影した動画や鏡でキレイな一直線になっているかを確認してください。
コツ⑤理想の角度は37度
どのくらいの角度で押し出せば最も効率よく飛ぶのか分からない人も多いのではないでしょうか。
単純な計算では、最も効率の良い角度は41度だと言われています。
しかし空気抵抗や投げやすさなどもあり、実際には多くの選手が37度前後で投げています。
37度を目指して投げるのがコツだといえそうです。
【砲丸投げ】練習法
砲丸投げは正しいフォームで投げることと、筋力をつけることが重要。
本格的に取り組むなら筋トレは必須となりますが、ここでは基本的なフォームの練習をご紹介します。
練習の前には体を温めてケガを防ぐウォーミングアップも忘れないようにしてください。
突き出し練習
重い砲丸を持つと最初はフォームも崩れがち。
そこで砲丸を持たずにフォームを確認する「突き出し練習」を行います。
ステップも行わず、しっかり腰を入れて沈んだ姿勢から一気に突き出すフォームを繰り返し練習。
鏡で見ながら、一直線になっていることを確認します。
ステップの勢いをつける練習
上手に勢いを使うためにはステップも練習しておくべき。
遠心力を使わないグライド投法では、ステップの速度を上げることも記録アップにつながります。
本来は後ろを向いたところからステップして押し出しますが、まずはサイドステップをして、勢いをつける練習から。
横向きに構え、素早くサイドステップして押し出す練習をします。
サイドステップに慣れたら後ろ向きになって練習。
思いきり押し出すのではなく、まずはステップの練習であることを意識して、速度を上げていくようにしてください。
まとめ
さまざまな投擲競技の入り口にもなる砲丸投げ。
体育で良い記録を出すためにも、またケガをしないためにも、正しいフォームは覚えておきたいものです。
下半身の力を使い、一直線に押し出すことを意識するだけで距離は伸びるはず。
まずは砲丸を持たず、鏡の前での突き出し練習から始めてみてはいかがでしょうか。
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