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アディショナルタイム(ロスタイム)とは?呼び方の違いもご紹介!

アディショナルタイムはサッカーの試合の前半、後半のそれぞれ最後の方でプラスされる時間。
それを見てアナウンサーも「アディショナルタイムは2分です」などと言います。
でも、その時間はどうやって決まっているの?
3分と言ったのに3分よりちょっと長いのはなぜ?
ロスタイムとは何が違うの?
など、いろいろな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、サッカーのアディショナルタイムについて解説。
その仕組みや、ロスタイムという呼び方が消えた理由などをご紹介します。

アディショナルタイムの意味は

アディショナルタイム(ロスタイム)とは?呼び方の違いもご紹介!①
アディショナルタイム(Additional time)とは、サッカーの試合が中断された分を延長する時間のこと。
「Additional」には「追加の」という意味があります。
サッカーは前半45分、後半45分の合計90分間で行われるスポーツ。
ハーフタイムを除いて基本的には時計が止まることはありません。
この試合時間の計測方法は、ランニングタイムと呼ばれるもの。
一方、バスケットボールやラグビー、フットサルなどはプレーが続いている間だけ時間を計測するプレーイングタイムです。
しかし時計が止まらないサッカーでも実際にはプレーがストップしていることはあります。
ロスした時間を補てんするため、前後半の45分間が終わった後に追加されるのがアディショナルタイム
競技以外にロスした時間を足すことで、不公平をなくしています。

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【サッカー】試合時間は何分?年代別一覧もご紹介!

アディショナルタイムの測り方

試合中にアディショナルタイムを測るのは主審です。
主審は腕時計を2つ使用。1つは45分間止めない時計で、もう1つはプレーが中断したときに止めます。
主審はその差を見てアディショナルタイムを判断するのです。
前半・後半それぞれの終了2分ほど前になると主審は第4の審判にその時間を伝え、第4の審判が掲示板で表示します。

アディショナルタイム表示の裏話

アディショナルタイムを掲示板で表示するようになったのは、1998年のワールドカップ・フランス大会からです。
その前のアメリカ大会までアディショナルタイムは主審だけが把握していました。
ところが残り時間が明確なバスケットボールに慣れたアメリカの観客から「あと何分あるのか分かりにくい」と不満が続出。
さらに1998年ワールドカップのアジア予選・日本対アラブ首長国連邦の重要な試合でアディショナルタイムが極端に短く、問題になったため、掲示板で表示するようになったのです。

正確なアディショナルタイム

アディショナルタイムとして表示されるのは、最小限の時間
アディショナルタイムが2分と表示されたら、実際の追加時間は2分00秒から2分59秒となります。
そのため、表示された時間よりも若干長くなるのです。

アディショナルタイム中の中断

アディショナルタイム中に中断があった場合、さらにその中断分の時間が主審の判断で追加されます。
ただしそれによってアディショナルタイムの実際のプレー時間が発表より長くなってしまうことはありません。
例えば3分間のアディショナルタイムの1分のところでケガ人が出て4分間の中断があった場合。
再開後に4分間を足すのは間違いで、残りは約2分間となります。
これを勘違いすると主審は資格停止などの処分を受けることもあるのです。

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アディショナルタイム追加の対象

アディショナルタイム(ロスタイム)とは?呼び方の違いもご紹介!②
では実際にどのようなことでプレーが止まるとアディショナルタイムが追加されるのでしょうか。
競技規則では以下の7つの項目をその対象としています。

①:競技者の交代
②:負傷した競技者の負傷の程度の判断や、フィールドからの退出
③:時間の浪費
④:懲戒の罰則
⑤:競技会規定で認められる医療上の理由による停止
⑥:VARのチェックやレビュー
⑦:プレーの再開を著しく遅らせる行為

⑤は暑い日に設定される「飲水タイム」や「クーリングブレイク」など。
⑦には得点に喜んでダンスを踊るなどの行為が含まれます。
勘違いをしている人が多いのは①で、交代のときに「時間稼ぎのための交代」と言われたり、わざとゆっくり歩いて時間を稼ぐ選手がいたりしますが、これはアディショナルタイムに追加されるため全く無意味です。
③の時間の浪費は、乱入者が入ったときなど、特殊な事情の場合がほとんど。パス回しをして時間を稼ぐなどのプレーはこれには含まれません。

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アディショナルタイムにならない場面

アディショナルタイム(ロスタイム)とは?呼び方の違いもご紹介!③
試合が止まればどのような場合でもアディショナルタイムに加算されるわけではありません。
アディショナルタイムが追加されない場面もあるのです。

スローインなど

ボールがピッチの外に出たあとのスローインゴールキックコーナーキックを行う前までの時間は追加されません。
そのため、ボールがピッチの外に出たらなるべく早く試合を再開する必要があり、あまり遅れると遅延行為になります。

自然現象による中断

豪雨落雷強風などの自然現象で長時間試合が中断するときはアディショナルタイムではなく、試合を止めるという形になります。
つまりこの場合、時間を進めておいてアディショナルタイムをプラスするのではなく、時間を止めたところから再開される形になるのです。

アディショナルタイムとロスタイムの違い

昔はよく使っていたロスタイムという言葉。アディショナルタイムとは違うのでしょうか。

ロスタイムは日本のみ

結論を言えばアディショナルタイムとロスタイムは全く同じです。
実はロスタイムは和製英語で、日本だけで通じる言葉。世界では以前からアディショナルタイムという言葉が使われてきました。

ロスタイムが消えた理由

ロスタイムという日本独自の言葉が消えた理由は2つあります。
1つは、国際基準に合わせるため。2000年ごろからサッカー中継で世界基準に合わせたアディショナルタイムという言葉を使うようになり、徐々に浸透していきました。
2つ目の理由は、ネガティブな表現を避けるため。
「サドンデス」という言葉が「ゴールデンゴール」に変わったように、近年になってスポーツのネガティブな表現を変えようという動きが出てきました。その影響もあって、「ロスタイム」という言葉が廃れていったのです。
そして2010年に日本サッカー協会の審判委員会が公式に「アディショナルタイム」という言葉に統一すると通達。以後はこのアディショナルタイムという言葉が使われるようになったのです。

まとめ

今も語り継がれる「ドーハの悲劇」がそうだったように、アディショナルタイムには何度も大きなドラマが起こっています。
サッカー独自のルールであるアディショナルタイム。
選手たちが最後の力を振り絞るその時間は、サッカーの醍醐味が凝縮された数分間だといえるかもしれません。

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