前後半で行われるサッカーの試合。
その間にはハーフタイムと呼ばれる休憩時間が設けられています。
テレビなどで観戦していると「ハーフタイム長いなあ」と思いがち。
ところでこのハーフタイムのルール、Jリーグでは実は以前と違うということをご存知でしょうか。
今回は、サッカーのハーフタイムについてご紹介。
ハーフタイムは何分間なのか、その歴史や年代別の時間をご紹介します。
【サッカー】ハーフタイムの歴史
そもそもイギリスにサッカーの協会が誕生してルールが制定されたのは1863年。
この頃には試合を前後半に分けるという考え方はなく、ハーフタイムもなし。
1試合が数時間もかけて行われることもよくありました。
しかし1871年にイギリスで初めて選手権大会が行われたとき、「競技時間は1時間半とする。ハーフタイムにおける休憩は5分を超えてはならない」と定められました。
それ以降、試合時間は90分間となり、その間にハーフタイムを入れることが一般的になったのです。
その後、1897年にはハーフタイムが15分以内と定められました。
これは休憩時間を多く取る理由以外に、前後半の開始時刻を揃えやすかったからと言われています。
そのため実際の試合ではアディショナルタイムに合わせてハーフタイムが短くなることもよくありました。
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【サッカー】ハーフタイムのルール
現在のハーフタイムのルールは、15分以内という決まり。
後述するように年代によってある程度の決まりはありますが、大会によっても時間は変わってきます。
Jリーグのハーフタイム
Jリーグでは2013年まで、「後半開始は前半キックオフの60分後」と定められていました。
つまりアディショナルタイムに合わせてハーフタイムが短くなるというルール。
これは試合をテレビ中継しているときに時間枠を確保しやすいようにという配慮でした。
しかし2014年に「ハーフタイムは15分確保する」という方針に転換。
選手やプレーのクオリティのためには休憩時間をしっかり確保するべきだという考えによるもので、これ以降はアディショナルタイムに関係なく15分間のハーフタイムをとることが多くなっています。
とはいえ以前のように前半開始時刻と後半開始時刻を揃える試合がなくなったわけではありません。
しかしその場合もハーフタイムは最低でも10分間は確保するという方針になっています。
またワールドカップなどの大きな国際試合でも、ハーフタイムは短縮なしの15分間とするのが一般的。
大学サッカーや社会人サッカーも基本的に15分間となっています。
高校生のハーフタイム
高校サッカーやユースの試合時間は、前後半それぞれ40分間。
夏のインターハイは前後半それぞれ35分間で、どちらもハーフタイムは原則10分間と定められています。
ただし全国高校サッカー選手権大会の準決勝と決勝は試合時間が前後半45分間。ハーフタイムも15分間に延長されます。
中学生のハーフタイム
中学サッカーやジュニアユースの試合時間は基本的に前後半それぞれ30分。
高校サッカーよりも試合時間は短くなりますが、ハーフタイムは変わらず原則10分間となっています。
小学生のハーフタイム
小学生は8人制サッカーを行うことが多く、試合時間は前後半それぞれ15分間から20分間となるのが一般的。
その際のハーフタイムは5分間に設定している試合が多くなります。
延長戦のハーフタイム
ハーフタイムが極端に短くなるのが延長戦。
日本サッカー協会競技規則には「延長戦のハーフタイムのインターバルは短時間(1分間を超えてはならない)の水分補給時間をとることが認められる」と定められています。
またワールドカップの延長戦は15分ハーフですが、その間にハーフタイムは設定されていません。
ハーフタイム中に何をする?
貴重なハーフタイム。
その間に選手やチーム、そしてリーグは何をしているのでしょうか。
休息
選手にとって何より重要なのは体を休めること。
ただ休んで水分補給するだけでなく、中には素早くシャワーをして着替える選手もいるようです。
作戦会議
前半を終えたところで監督はチームとして改善すべき部分や後半の戦い方を選手たちに伝える作戦会議を行います。
フォーメーションの変更や選手交代の予定など、情報をしっかり共有して作戦を全員が理解することはとても重要。
これによって後半は前半と大きく戦術を変えてくるチームもあります。
コミュニケーション
試合中には選手間で細かな話し合いをすることができないため、作戦会議以外に選手同士でコミュニケーションをとって意思の確認をすることもよくあります。
リーグにとってのハーフタイム
リーグにとってもハーフタイムは重要。近年のリーグはハーフタイムを重要な集客ポイントととらえ、ハーフタイムショーにも力を入れています。
テレビ中継ではあまり見ることができないショーも、サッカー観戦の楽しみの一つとなっているのです。
観客の行動
ハーフタイムは観客にとっても重要。大きな試合のハーフタイム中には水道の使用量が激増することが分かっています。
これはテレビ観戦している人が一斉にトイレに行くから。
ある国の古いマンションビルではサッカーのハーフタイムにビル中の住民が一斉にトイレを使うため、配管が共鳴。それを知らない住民が「毎週決まった時間にポルターガイストが起こる!」と大騒ぎした事件もあったそうです。
まとめ
原則的に15分間を確保するようになってきたハーフタイム。
昔は5分間が一般的で、その前には存在すらしなかったのですが、とはいえサッカーの歴史の中ではかなり初期の段階で15分間になっています。
それは15分間程度の休憩がなければ体がもたないほどサッカーがハードなスポーツだから。
それを考えると、観戦中に「ハーフタイムが長い」などと言えなくなりそうです。
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