スポーツの中には、風が味方になるものもあれば、とても邪魔な敵になるものもあります。
では風速4mという風ではどのような影響があるのでしょうか。
今回は、風速4mのスポーツへの影響を調査。
日常的にもよくある風速4mとはどの程度の風で、どのようなスポーツに影響を与えるのか、解説します。
風速4mとは
まずは風速4mがどのくらいの風なのか、実感できるように解説します。
風速4mの定義
風の向きや速度は地上6m〜10mの風速計で測定するもの。そして刻々と変化する風の強さの10分間の平均値を「風速」と表現します。
風速4mは、1秒間に空気が4m移動する速さ。
時速に換算すると、毎秒4m×60秒×60分で1万4400m。時速14.4kmになります。
これはスポーツバイクではない、いわゆるママチャリの平均速度。自転車で普通に走ったときに感じる風をイメージすれば、それが風速4mです。
風速4mの体感
風の体感はビューフォート風速階級で分類されています。
風速(m/s) | 呼称 | 陸上の様子 |
0~0.2 | 平穏 | 煙はまっすぐ昇る |
0.3~1.5 | 至軽風 | 煙は風向きが分かる程度にたなびく |
1.6~3.3 | 軽風 | 顔に風を感じる。 木の葉が揺れる。 |
3.4~5.4 | 軟風 | 木の葉や小枝が揺れる |
5.5~7.9 | 和風 | 砂埃が立ったり、小さなゴミや落ち葉が宙に舞う |
8~10.7 | 疾風 | 葉の有る灌木が揺れ始める |
10.8〜13.8 | 雄風 | 木の大枝が揺れ、傘がさしにくくなる。電線が唸る |
風速4mは、「軟風」の中でも弱い方。木の葉や小枝が揺れる程度の風になります。
最大瞬間風速
ただし風は強くなったり弱くなったりしますから、「最大瞬間風速」にも気をつける必要があります。最大瞬間風速は、3秒間の風の平均値をとった「瞬間風速」のうち最大のもの。平均である「風速」の1.5倍から2倍になるとされています。
つまり風速4mの場合、最大瞬間風速は6〜8mになる可能性があるということ。
風速8mはぎりぎりで「疾風」に入るレベル。ときには木が揺れ始める程度の風になるということです。
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風速4mがスポーツに与える影響
では風速4mの風はスポーツにどのような影響を与えるのでしょうか。
特に注意が必要なスポーツからご紹介しましょう。
マリンスポーツ
風速4mが大きな影響を与えるのが、マリンスポーツです。
ウインドサーフィンは、初心者の練習に風速1mから4mが最適だと言われています。つまり初心者がギリギリ快適に練習できる風。
一方で上級者なら少し物足りない風かもしれません。
逆に中止を考えなくてはならないのがSUPです。
基本的に静止した水面が向いているSUPが安全な風速は3mまで。上級者はもっと風が吹いても大丈夫かもしれませんが、風速4mで海は波立ってくるため、不安定で危険になります。
スキージャンプ
ウィンタースポーツで風速4mが問題になるのは、スキージャンプ。
スキージャンプでは緩い向かい風を受ければ飛距離を伸ばせるとされていますが、それも限度を超えるとコントロールを失ってしまいます。
国際スキー連盟(FIS)が競技を行うとしている基準は風速3m未満。
つまり風速4mの風の場合、中止にするか、競技を中断して風が弱くなるのを待つ必要があるのです。
その際に待機している選手を襲うのが寒さ。スキージャンプのウエアは浮力を稼げないように薄く作ることが義務付けられているため、とんでもなく寒いそうです。
ちなみに気温がマイナス2度で湿度が40%のとき、無風なら体感温度は4.6度ですが、4mの風が吹くとマイナス11.5度になってしまいます。つまり4mの風で16.1度も体感温度が下がってしまうということ。風の日の選手は大変なのです。
マラソン
風速4mは、時速14.4キロ。
これはフルマラソンを約3時間で走るのと同じ速度になります。
つまり風速4mの追い風なら、ほぼ走る速度と同じ空気に押されている状態で、空気抵抗をほとんど感じなくなるということ。
これはかなりの味方になります。
ただしマラソンで問題なのは、ほとんどのコースが往復になっているということ。ずっと追い風ということはほとんどありません。しかもコースの半分が追い風で半分が向かい風だと、効果は相殺されて0かというと、そうではないのです。
研究によると、同じパワーで走った場合に追い風で得られるプラス効果は、向かい風で受けるマイナス効果の半分にしかならないそう。つまりマラソンでは向かい風による悪影響の方がずっと大きいということになります。
そこで上手く利用したいのが風除けです。
向かい風のときには先行するランナーのすぐ後ろについて風除けにすれば、その効果はかなりあります。そして追い風になったら集団を抜け出して風に押してもらうのがおすすめです。
テニス
テニスで風速4mは普通にプレーできるギリギリの風。その影響を戦術に取り入れるかどうかで結果は大きく違ってきます。
風上ではとにかくアウトしないようにサービスライン付近を狙い、風下ではスピンを効かせつつ、ネットを大きく越える高いボールを打ちます。
風上の相手が前に出てきたら、さらにスピンをかけて相手のボールを浮き上がらせるのも有効。
そしてサーブは風で流されないようにトスを低く、クイック気味にして打つのがコツです。
まとめ
風速4mの風は、日常的によくあるレベル。
SUPなど一部のスポーツ以外では、ほとんど中止にはなりません。しかしその影響は意外に大きいものです。
それだけに風が吹いている日にはしっかりと対策を考えながら練習をすることが大切。そうすれば試合で風を味方にできるはずです。
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