近年は日本人選手も数多く出場しているメジャーリーグ(MLB)のオールスターゲーム。その前日に行われるのがホームランダービーです。
2021年には大谷翔平選手が日本人として初出場し、日本での注目度が一気に上がりました。
そのホームランダービー、どのようなルールで行われ、過去にはどのような選手が優勝しているのでしょうか。
今回は、MLBのホームランダービーを調査。
過去の優勝者一覧と、最高の名シーンもご紹介します。
【MLB】ホームランダービー ルール
MLBにホームランダービーがあるように、日本のオールスターゲームでもホームラン競争が行われます。
ルールが大きく異なりますので、まずは簡単に比較してみましょう。
ルールの違い
日本プロ野球のホームラン競争は、試合前に開催。ファン投票で選ばれたセ・パ4人ずつが参加します。
2分間に打ったホームラン数を競い、トーナメントで勝ち上がり。優勝賞金は100万円となっています。
これに対してMLBのホームランダービーは、試合前日にMLBから打診があった8選手が参加。トーナメントで行い、第1・第2ラウンドは3分間、決勝は2分間に打ったホームラン数を競います。
また全ラウンド・全選手共通で各30秒のボーナスタイムが与えられるというルール。さらに475フィート(約144・8メートル)以上の本塁打を打つと30秒のボーナスタイムが与えられることになります。
このボーナスタイムでは、赤紫色の特別球を使用。一回り小さく、よく飛ぶボールではないかとも言われています。
そしてホームラン数が同じ場合はタイブレーカー(延長戦)を実施。1分の延長戦を行い、それでも同数の場合は3スイング勝負となります。これは3スイング中の本数で競うもの。決着がつくまで勝負を繰り返します。
最も違うのは賞金額。優勝賞金は日本の100倍以上となる100万ドルです。
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【MLB】ホームランダービー優勝者
近年は優勝すればいきなり1億円以上稼げてしまうホームランダービー。
その優勝者にはどのような選手が並んでいるのでしょうか。
優勝者一覧
優勝者一覧がこちら。
2人の名前が並んでいる年は同時優勝です。
年度 | 選手名 | 所属球団 |
1985 | デーブ・パーカー | レッズ |
1986 | ウォーリー・ジョイナー | エンゼルス |
ダリル・ストロベリー | メッツ | |
1987 | アンドレ・ドーソン | カブス |
1988 | 雨天中止 | |
1989 | エリック・デービス | レッズ |
ルーベン・シエラ | レンジャーズ | |
1990 | ライン・サンドバーグ | カブス |
1991 | カル・リプケンJr. | オリオールズ |
1992 | マーク・マグワイア | アスレチックス |
1993 | フアン・ゴンザレス | レンジャーズ |
1994 | ケン・グリフィーJr. | マリナーズ |
1995 | フランク・トーマス | ホワイトソックス |
1996 | バリー・ボンズ | ジャイアンツ |
1997 | ティノ・マルティネス | ヤンキース |
1998 | ケン・グリフィーJr. | マリナーズ |
1999 | ケン・グリフィーJr. | マリナーズ |
2000 | サミー・ソーサ | カブス |
2001 | ルイス・ゴンザレス | ダイヤモンドバックス |
2002 | ジェイソン・ジアンビ | ヤンキース |
2003 | ギャレット・アンダーソン | エンゼルス |
2004 | ミゲル・テハーダ | オリオールズ |
2005 | ボビー・アブレイユ | フィリーズ |
2006 | ライアン・ハワード | フィリーズ |
2007 | ブラディミール・ゲレーロ | エンゼルス |
2008 | ジャスティン・モーノー | ツインズ |
2009 | プリンス・フィルダー | ブリュワーズ |
2010 | デービッド・オルティス | レッドソックス |
2011 | ロビンソン・カノー | ヤンキース |
2012 | プリンス・フィルダー | タイガース |
2013 | ヨエニス・セスペデス | アスレチックス |
2014 | ヨエニス・セスペデス | アスレチックス |
2015 | トッド・フレイジャー | レッズ |
2016 | ジャンカルロ・スタントン | マーリンズ |
2017 | アーロン・ジャッジ | ヤンキース |
2018 | ブライス・ハーパー | ナショナルズ |
2019 | ピート・アロンゾ | メッツ |
2020 | コロナ禍で中止 | |
2021 | ピート・アロンゾ | メッツ |
2022 | フアン・ソト | ナショナルズ |
ジンクス
ホームランダービーはその年のホームラン数などを参考に第1シードや第2シードなどが決められ、それぞれシード下位の選手と対戦します。
ところが現行のルールになった2015年以降7回の大会で、第1シードの選手は全く優勝できていません。
それどころか初戦敗退の方がずっと多いという不本意な結果に。
逆に最も優勝しているのは、7回中4回の第2シードとなっています。
【MLB】ホームランダービー 名シーン
過去のホームランダービーでは数々の名勝負が繰り広げられてきました。
しかしその中でも屈指の名勝負となったのが、2019年のセカンドラウンド(準決勝)第1試合です。
史上最高記録を生んだ名勝負
その対戦はブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.選手とドジャースのジョク・ピダーソン選手によるもの。
ゲレーロJr.選手は、第1ラウンドを2015年の新方式導入後の新記録となる29本で突破。一方のピダーソン選手もファーストラウンドで21本を放っていました。
そして迎えたセカンドラウンド第1試合。先攻のゲレーロJr.選手が再び29本を打ち、勝ちは確定かと思われましたが、ピダーソン選手が猛チャージを見せ、なんと29本のタイに。1分間の延長戦が行われることになりました。
そして延長戦のスコアは8対8となり、再延長の3スイング勝負に突入。
ところがここでも1本塁打同士で同点となります。再度3スイング勝負が行われた結果は2対1。ついにゲレーロJr.選手が勝利を収めたのです。
3度の延長戦の決着後、2人は抱き合って互いの健闘を称え合いました。
ゲレーロJr.選手は決勝では23対22でメッツのピート・アロンソ選手に惜敗。
もし優勝していれば親子優勝だっただけに残念な結果となりましたが、この年の2ラウンドの40本と合計91本のホームランは、ホームランダービーの1ラウンドの最高記録と合計本数の最高記録になっています。
まとめ
オールスター出場選手からさらに8人だけが選ばれるホームランダービーは、出場できるだけで名誉なイベント。
2021年の大谷翔平選手はその中でも第1シードに選ばれました。
残念ながら第1シードのジンクスもあってかファーストラウンドを突破することはできませんでしたが、これだけでも大変な快挙。
いつかは日本人選手のホームランダービー優勝も期待せずにはいられません。
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