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【ラジオ体操】歴史(起源~現在)を解説!最初に広めたのは誰?

テレビでも放送されており、長い年月愛され続けているラジオ体操。ではそんなラジオ体操はどうのようにして生まれたのでしょうか?
その起源はあまり知られていないのではないでしょうか?
今回はそんなラジオ体操の今と昔について解説していきます。

ラジオ体操ってどんなもの?どんな効果がある?

ラジオ体操と聴いた時に、ラジオから流れてくる音声よりもテレビの映像の方が印象に残っているという人もいるかもしれません。
現在(2023年1月時点)では、ラジオ体操はNHKにて放送されています。一番メジャーである第一体操の場合は、なんと毎日6:30~6:40です。朝を爽やかな体操で始めたい、と思う人が少なくないからかもしれません。放送は既に90年あまりも続いています。
そんなラジオ体操は、健康を保つために非常に有意義な効果があります。音楽にあわせて体操をするので、曲とあわせて動きを覚えることができますし、子供でも出来る簡単な内容になっています。有酸素運動とストレッチの効果を持つラジオ体操は、なんと第一体操を通して行っただけで速歩に相当するエネルギーを消費するのです。これは、座っている時のエネルギー消費の3倍以上に相当するかなりのもの。ダイエットにも効果が期待できますし、音楽に合わせてのびやかに運動することで認知症予防にもつながります。

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ラジオ体操はどうやって始まった?

ラジオ体操の歴史~その1、ラジオ体操は、実は3番もあった!~

ラジオ体操が作られたのは、1928年(昭和3年)のこと。元々は、昭和天皇の即位を記念して逓信省簡易保険局が「国民保健体操」という名前で制作しました。この時、NHKのラジオで放送されたことがきっかけで、“ラジオ体操”と呼ばれるようになったのです。
現在私達に浸透しているラジオ体操は1番と2番のみ。ですが実は3番が存在したということをご存知でしょうか?1939年(昭和14年)までは、ラジオ体操第3が存在していたのです。しかし第2次大戦後の1946年(昭和21年)に、このラジオ体操はGHQの命令によって放送中止となってしまいました。
その後1951年(昭和26年)になったところで、ようやく郵政省とNHKが現在の「ラジオ体操第1」を制定し、放送が開始されることになります。さらに1952年(昭和27年)にもなると「ラジオ体操第2」も始まることになりました。ただし、この時放送されたラジオ体操は戦後すぐのラジオ体操とは異なるものでした。これにはGHQの命令とは別の事情があったのです。

ラジオ体操の歴史~その2、今のラジオ体操を作った人って?~

そもそも現在浸透しているラジオ体操はラジオ体操再改訂版というものです。つまり、何度も改訂があった上で、現在のラジオ体操が作られたのです。
というのも、改訂版の時点でラジオ体操は動作が複雑でとても難しいものでした。当然、難解な動きを覚える事が苦手な小さな子供やお年寄りは困惑してしまったことでしょう。その結果、残念ながら殆どの国民に浸透せず、昭和21(1946)年の放送開始からたったの1年半で中止になってしまうのです。
そんなラジオ体操を生まれ変わらせたのが、再改定版の作成依頼を受けた遠山喜一郎氏です。遠山氏は昭和11(1936)年に開催されたベルリンオリンピックにて、日本代表選手として出場するほどの腕前を持った体操選手でした。引退した後は日本体操協会副会長を務め、日本に新体操を普及し、その発展に尽力した偉人としても知られています。
国民に広く知られ、なじみのある体操を作るためにはクリアしなければいけない課題がいくつもあります。遠山氏には、「動きだしたらそのまま、音楽に乗って最後まで無理なくやり抜けるものであるべきだ」という体操理論がありました。遠山氏は戦時中には土浦海軍航空隊の予科練にて体育教師として務めていた経験があります。この時、訓練に有用であるとして利用していたのがリズム体操。これが、ラジオ体操を作るために大いに役立つことになったといいます。

ラジオ体操の歴史~その3、GHQをも説得した熱意~

昭和26(1951)年5月、念願のラジオ体操の放送が開始されることになります。遠山氏が作ったラジオ体操は素晴らしいものと絶賛され、なんと戦争直後のアメリカ空軍の大佐から「自分たちの基地でもぜひ訓練の一環として取り入れたい」と申し入れがあったほど評価されるものでした。
ところが、ラジオから流れてくる音楽に乗って、国民たちが一斉に同じ動きをすることになるわけです。浸透すればするほど、そういった文化がない人からは不思議でちょっと怖いもの、に思えたのかもしれません。また、GHQは日本という国をかつての軍事国家から争いのない民主国家に生まれ変わらせたいという意図が強かったため、国民全体に謎の連帯感が生まれることに恐怖心を感じた可能性もあります。GHQ内でラジオ放送を管轄していたCIE(民間情報教育局)は、NHK(日本放送協会)の幹部職員を呼びつけると、即刻ラジオ体操を中止するように命令を下すのです。全体主義にも見えるラジオ体操に、危機感を覚えることは自然な流れだったかもしれません。
当たり前ですが、ラジオ体操には軍国主義を賛美したり、国民に共通思想を植え付けたりするような目的があるものではありません。あくまで国民たちの健康を祈って作られたラジオ体操が、そのような誤解を受けるのはあまりにも悲しいことです。ラジオ体操関係者らは必至で、「むしろ争いをなくすために、これほど効果的なものはない。ラジオ体操は気分を爽やかにしてくれるものだ」と熱心な説得を続けるのです。実際に連合軍の将校たちの前でラジオ体操を見せるといった事もしたと言います。
その結果、彼らの熱意が連合軍の人達にも通じて、ラジオ体操は再開されることになりました。この時制作者である遠山さんも、「ラジオ体操は上からの命令ではなく、国民が自発的に行う民主主義的な活動である」として、全国の教育委員会を廻って走り回り、県民体操や市民体操の制定を求めて奔走したのだそうです。

ラジオ体操の歴史~その4、そして現在、国民に愛されるラジオ体操へ!~

ラジオ体操が浸透するにつれ、様々なイベントが開催されるようになりました。1953年(昭和28年)になると、夏の期間中に全国の様々な場所で行う体操会、“夏期巡回ラジオ体操”というものが始まります。現在でも“夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操”という名前になり、日本の夏の風物詩として人々に愛されています。夏休みといったらラジオ体操!というイメージはここからきているのかもしれません。
現在行われている最大のイベントは“1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭”というもの。株式会社かんぽ生命に加えてNHKやNPO法人全国ラジオ体操連盟の主催で昭和38(1963)年から始まったこのイベントは1000万人という圧巻の人数で一斉にラジオ体操を行うという豪華なものでした。残念ながら新型コロナウイルスの影響により第59回(2020年10月4日 神奈川県横浜市開催予定だった)と第60回(2021年9月26日宮崎県宮崎市開催予定だった)は中止となってしまいますが、第61回(2022年7月31日 愛知県一宮市開催)からは再開されています。

まとめ。

いかがでしたでしょうか。今や全国民のおなじみと言っても過言ではないラジオ体操は、多くの人の努力の結果ここまで浸透し、愛されるようになったのです。
この記事を読んで、久しぶりにラジオ体操をしたくなった、という方。ぜひ、ご友人やご家族と一緒にラジオ体操をして、元気な朝を迎えてみてはいかがでしょうか?

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初音

初音

おうちでまったり、頑張る人達を応援するのが好きです。

インドア派ですが、スポーツをはじめ頑張っている人達をおうちで応援してる系ライターです。子供の頃は水泳大好き少女でした。運動音痴だけどスポーツ見るのは大好きです!

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