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【マイアミの奇跡】出場メンバーやボール支配率など詳しく解説!

日本のサッカー界にはこれまでに何度か大きな転機となる試合がありました。
ワールドカップ出場をあと一歩のところで逃した1993年の「ドーハの悲劇」、悲願のワールドカップ初出場を決めた1997年の「ジョホールバルの歓喜」。
その間の1996年にあったのが「マイアミの奇跡」です。
今も語り継がれるマイアミの奇跡とはどのような試合だったのか、詳しく振り返ります。

【マイアミの奇跡】とは

マイアミの奇跡は、1996年アトランタオリンピックで、サッカー日本代表が優勝候補のブラジル代表を1対0で下した試合のこと。
オリンピックサッカー史上最大の番狂わせ」と言われた勝利は、日本サッカーの新たな時代を予告するものでした。

背景

Jリーグが創設されて3年目の1996年、サッカー日本五輪代表は1968年メキシコ大会以来28年ぶりにオリンピックアジア地区最終予選を突破。本大会に出場しました。
ところが日本はオリンピック1次リーグでブラジル、ナイジェリア、ハンガリーと対戦する「死の組」に入ることに。
しかも第1戦でいきなり優勝候補筆頭のブラジル代表と当たったのです。
このときのブラジル代表は、大会直前に世界選抜チームを下したまさにドリームチーム
世界中の誰もが日本の大敗を予測した試合は、オリンピックのメイン開催都市であるジョージア州のアトランタではなく、フロリダ州マイアミのアメリカンフットボール球技場マイアミ・オレンジボウルで開催されました。

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【マイアミの奇跡】出場メンバー

1996年7月21日、アトランタオリンピック男子サッカーのグループリーグD組第1戦、日本対ブラジル戦が行われました。
その出場メンバーは以下の通りです。

日本代表

監督:西野朗
先発メンバー
GK:川口能活
DF:松田直樹
DF:田中誠
DF:鈴木秀人
MF:路木龍次
MF:伊東輝悦
MF:服部年宏
MF:前園真聖
MF:遠藤彰弘(75分に交代退場)
FW:中田英寿(82分に交代退場)
FW:城彰二(86分に交代退場)
控えメンバー
GK:下田崇
DF:白井博幸(75分に交代出場)
DF:上村健一(82分に交代出場)
MF:森岡茂
MF:廣長優志
MF:秋葉忠宏
FW:松原良香(86分に交代出場)

日本代表を率いた西野監督は1994年のU-21日本代表結成から築いてきたコンビネーションを重視し、あえてオーバーエイジ枠を使用しないメンバーを選択。Jリーグ所属の23歳以下の選手ばかりで構成され、アジア予選を戦ったメンバーで本大会に挑んだのです。
世界的にはオーバーエイジ枠を使用しないこのチームは「日本の2軍メンバー」と評されていました。

ブラジル代表

監督:マリオ・ザガロ
先発メンバー
GK:ジーダ
DF:ゼ・マリア
DF:アウダイール
DF:ロナウド・ギアロ
DF:ロベルト・カルロス
MF:フラビオ・コンセイソン
MF:リバウド
MF:ジュニーニョ・パウリスタ
MF:アマラウ(45分に交代退場)
FW:ベベット サヴィオ(64分に交代退場)
控えメンバー
GK:ダンルレイ
DF:アンドレ・ルイス・モレイラ
MF:ナルシーゾ・ドス・サントス
MF:マルセリーニョ・パウリスタ
MF:ゼ・エリアス(45分に交代出場)
FW:ルイゾン
FW:ロナウド(64分に交代出場)

全員がまだJリーガーだった日本代表に対して、ブラジル代表はバルセロナの「怪物」ロナウド(当時の呼称はロナウジーニョ)、レアル・マドリードのロベルト・カルロス、さらにジュニーニョ・パウリスタリバウドなど、まさにスーパースター集団
西野監督が「日本選手の自信を失わせないためにブラジルの試合映像は見せない方がいい」と感じたほど、まさに圧倒的な力量差でした。

【マイアミの奇跡】試合展開

日本代表は城選手のワントップ、中田選手と前園選手が後方からフォローする3-6-1のフォーメーションでスタート。
一方のブラジル代表は4-4-2のフォーメーションでスタートしました。

前半

試合は前半2分に中田選手が両チーム最初のシュートとなるヘディングシュートを放ちます。
しかしその後は1対1の場面でブラジルが日本を圧倒。徐々にブラジルが主導権を握っていきます。ボールを支配される時間が増えると、日本のゴール前で展開する危険な時間が続くことに。
それでも日本代表はファウル覚悟でブラジルに立ち向かいます。
さらにゴールキーパーの川口選手は事前にロベルト・カルロスの長距離フリーキックの軌道を徹底的に研究。その結果、何度もファインセーブに成功します。
そして日本は前半をなんとか0-0で終えたのです。

後半

後半になるとブラジルの攻撃はさらに加速。それでも日本は懸命に耐え続けました。
均衡を破りたいブラジルは後半19分、ついにロナウドを投入。
しかしその8分後、均衡を破ったのは日本の方でした。
路木選手が左からゴール前にボールを入れると、ブラジル守備陣に混乱が生じたのです。センターバックのアウダイールとゴールキーパーのジーダが交錯。ジーダが転倒してしまいます。
実はこの攻撃は日本代表が相手のわずかな隙として狙っていたもの。アウダイールとコンビを組んでいたロナウド・ギアロは左から入れてくるボールへの対応があまり上手くないことを見抜き、そこに攻撃力の高い路木選手を配置していたのです。
この試合でほぼ唯一と言えるチャンスを逃さず、走り込んだ伊東選手が無人のゴールにシュート。日本がついに先制点を奪いました
その後、明らかな格下に負けるわけにはいかないブラジルは怒涛の反撃。
しかしこの試合では川口選手がまさに守護神と呼ぶに相応しい活躍を見せます。
ロナウド、ベベト、ロベルト・カルロス、ジュニーニョ・パウリスタなどの決定的なシュートを驚異的な反応でセーブ。
結果的にボールの支配率はブラジルが7割で日本は3割、シュート数はブラジルの28本に対して日本はわずかに4本でしたが、それでもゴールを守り切った日本は歴史的な勝利を収めたのです。

マイアミの奇跡のその後

日本の劇的な勝利は「マイアミの奇跡」と呼ばれ、一方のブラジルでは「マイアミの屈辱」と呼ばれることになりました。
その後日本代表はナイジェリアに敗れるもののハンガリーには逆転勝利で2勝1敗に。しかし得失点差でグループリーグ敗退となってしまいます。
一方、辛くも決勝トーナメント進出を決めたブラジルは銅メダルに。日本に勝ったナイジェリアは金メダルを獲得しました。

まとめ

世界に衝撃を与えたマイアミの奇跡は、それでもなお1次リーグ敗退という苦い結果に終わりましたが、その両方の経験が翌年のジョホールバルの歓喜へと繋がりました。
マイアミの奇跡は、日本代表が世界のトップにも勝てることを証明した試合として今後も語り継がれるに違いありません。

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