アジアの野球といえば、日本と韓国、そして台湾が有名です。
台湾はWBCにも5回全ての本戦に出場。プロ野球も盛んです。
ではその台湾プロ野球、いったい何チームあるかご存知でしょうか。
シーズンの流れは? 年俸は?
今回は、台湾のプロ野球をご紹介。日本との違いや特徴も解説します。
【台湾】プロ野球 歴史とチーム
実は驚くほどレベルが高い台湾野球。
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)ではポイント制による代表チームの世界ランキングを発表していますが、2023年3月28日に更新されたランキングで、台湾は日本、アメリカ、メキシコに次ぐ第4位。
2022年末の時点では、なんとアメリカを抑え2位に入っていました。
なぜ台湾ではそれほど野球が盛んなのでしょうか?
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台湾野球の歴史
台湾で最初に野球の試合が行われたのは、1897年頃。
日本銀行の駐在員が空き時間に行ったのが始まりという記録が残っています。
その後、台湾にも野球チームが続々と誕生。日本の大学チームと親善試合をいました。
そして1931年には台湾の嘉義農林が夏の甲子園大会に出場し、準優勝。台湾野球のレベルの高さを日本に印象づけ、台湾でもさらに野球が注目を集めるようになったのです。
戦後になるとリトルリーグの国際大会で台湾は優勝7回、準優勝22回という強豪国に。その選手たちが日本のプロ野球でも活躍するようになりました。
台湾プロ野球の歴史とチーム数
1989年、台湾でプロ野球リーグの中華職棒聯盟が設立され、1990年3月に4球団で開幕戦を迎えました。リーグは順調に成長。チーム数は最高時には7球団にまで増えました。
ところがこの頃に八百長が何度も発覚。1990年代末には解散する球団が続出し、2000年には球団数は4球団に戻ってしまいました。さらに対抗リーグとして「台湾大連盟」が登場。台湾プロ野球は混迷状態となってしまいます。
この状況を打破するため、2003年には2つのリーグを1本化。チームは6球団となって仕切り直しが行われました。
ところがその後も八百長事件は続き、2008年には八百長に加担していた球団ごとリーグを除名される事件まで発生。チーム数は再び4球団まで減ってしまいます。近年になると、2019年に解散していた味全ドラゴンズが復活。2022年には台鋼ホークスが加入して、チーム数は再び増えつつあります。
台鋼ホークスの1軍参戦は2024年シーズンから。2023年時点では台湾リーグは全5球団となっています。
チーム一覧
現在の台湾プロ野球は以下のチームとなっています。
球団名 | 所有 | 創設年 |
中信兄弟 | 中国信託商業銀行 | 1984年 |
統一ライオンズ | 統一企業 | 1989年 |
富邦ガーディアンズ | 富邦集團 | 1993年 |
楽天モンキーズ | 楽天グループ | 2003年 |
味全ドラゴンズ | 頂新國際集團 | 1988年(2019年復活) |
台鋼ホークス | 台灣鋼鐵集團 | 2022年(参戦は2024年) |
【台湾】プロ野球 特徴
まだ比較的歴史が浅く、チームの増減など変化も大きい台湾プロ野球。
では日本プロ野球との違いはどういったところで、どのような特徴があるのでしょうか?
シーズンの流れ
まず台湾プロ野球は1リーグ制であるのが日本プロ野球やメジャーリーグ(MLB)との大きな違いです。
また年間120試合(40回総当たり)ですが、前・後期各60試合ずつで、それぞれに優勝チームが決まるのも特徴。
この辺りは以前のパ・リーグの方式に似ています。
そしてその後、プレーオフ、台湾シリーズと進み、No1が決定します。
プレーオフと台湾リーグ
1リーグ制でしかも前・後期があるため、プレーオフと台湾シリーズは、日本のプロ野球と比べて少し条件がややこしくなっています。
まず、前期と後期の優勝チームが異なる場合。
このときはそのチームのどちらかが年間勝率でも1位だったかどうかで大きく異なってきます。
半期優勝チームのどちらかが年間勝率でも1位だった場合は、プレーオフは行わず、前期優勝チームと後期優勝チームが台湾シリーズに出場。
前後期で優勝チームが違い、しかもそのどちらも年間勝率が1位ではなかった場合、優勝チームのうち年間勝率の高い方は台湾シリーズ進出します。
そして勝率が低かった方の優勝チームと、年間勝率が最も高かったチームがプレーオフに出場。5戦3勝制で、勝った方が台湾リーグに進出します。
一方、前後期の優勝チームが同じ場合、そのチームは無条件で台湾シリーズに進出。
年間勝率が次に高かった2チームがプレーオフに出場し、勝者は台湾シリーズ進出となります。
台湾シリーズは7戦5勝制。前後期両方で優勝したチームには1勝のアドバンテージが与えられます。
ドラフト会議
台湾プロ野球にもドラフト会議があります。
「新人選秀会」と呼ばれるドラフト会議は、シーズン後の10月に行われる日本とは異なり、前・後期の間の7月に開催されるのが大きな特徴。
台湾ではドラフト会議で指名されると高校や大学の卒業を待たずにプロ入りすることも。キャンプを経験せずいきなりプロデビューということもあります。
月俸
台湾プロ野球は年俸ではなく、月俸制となっているのも特徴。
日本球界と比べるとその額は低く、平均月俸は55万円ほどです。年俸に直すと約660万円。日本プロ野球の平均年俸が4468万円ですから、かなり低いと言えそうです。
また台湾リーグの最高月俸を年俸に直すと5000万円ほどで、こちらもかなり低め。優秀な選手は日本プロ野球やMLBに移籍することになりがちです。
まとめ
台湾プロ野球のレベルは、平均すると日本の1.5軍くらいだと言われています。
そのため日本球界で一軍登板の機会を失っていた投手が台湾に渡って最多勝利と奪三振王のタイトルを獲得したことも。
日本人選手の新天地としても注目を集めています。
一方で逆に台湾から日本プロ野球やMLBで活躍する選手が登場することもよくあります。つまり層は薄いが突出して良い選手もいるのが台湾野球。
今後も台湾野球から世界的な名選手がいきなり現れるかもしれません
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