アメリカの中西部を舞台にした映画などで見ることがあるロデオ。
暴れ馬や猛牛に乗ったカウボーイが「ヒーハーッ!」と叫んでいるイメージがありますが、実はアメリカではとても人気のあるスポーツなのです。
飛び跳ねる馬や牛に乗るだけでなく、しっかりとしたルールが存在。競技の種類も数多くあります。
今回は、アメリカの伝統スポーツであるロデオについて調査。
競技の種類やその歴史、奥深い魅力に迫ります。
【ロデオ】とは
ロデオは、北アメリカが起源の伝統的スポーツ。
暴れ牛や馬を乗りこなすもので、厳格なルールが決められたプロスポーツとなっています。
しかも全米各地で開催されるシリーズも存在。トッププロは大会を転戦し、賞金総額で決まるシリーズチャンピオンを目指しています。
競技の内容も多彩。
では具体的にはどのような競技があるのでしょうか。
ラフストック
荒馬や荒牛に一定時間乗り続けるのがラフストック。
その中でも何にどのように乗るかで3つの種類に分けられています。
ブル・ライディング:暴れる牝牛に乗る
ベアバック・ブロンコ・ライディング:鞍を着けていない暴れ馬に乗る
サドル・ブロンコ・ライディング:鞍を着けた暴れ馬に乗る
それぞれ8秒以上乗ると合格ですがそれだけではなく、騎乗者の乗り方、馬や牛の暴れっぷりでも採点されます。
ロデオで最も人気があるのはブル・ライディング。そのため大会やイベントでは最後に行われるのが一般的です。
タイムイベント
タイムイベントは課題をこなし、そのタイムを競う競技。
その内容によって5種類の競技に分かれています。
スティアー・レスリング:走っている馬から逃げる牛に飛びつき地面に倒す
チーム・ローピング:逃げる子牛の頭と後ろ脚に、馬の上から二人でロープをかける
タイダウン・ローピング:馬の上から逃げる子牛の頭にロープをかけて馬から降り、子牛の四肢を縛り上げる
スティアー・ローピング:馬の上から逃げる牛の頭にロープを投げてかける
バレル・レーシング:三角に配置された樽を馬で走る抜ける女性専用競技
【ロデオ】歴史
ロデオはもともとスペイン語の「取り囲む」という意味の言葉を名詞化したもの。
どこで生まれ、どのようにしてスポーツになっていったのでしょうか。
ルーツ
ロデオの原型が生まれたのは16世紀のチリ。
当時は牛の管理がしっかり行われていなかったため所有者不明となることが問題になり、牛に商標を取り付けるようになりました。
その際には牛を広場の囲いに移動させることが必要。そこで牛に乗る技術を訓練するようになり、後のロデオのルーツになったと言われています。
競技化
ロデオが競技となったのは、アメリカ。
西部劇でお馴染みのカウボーイは、荒野で野生化した牛や放牧地にいる牛を一斉に捕らえるのが主な仕事でした。そのような牛集めや出荷の仕事が終わった後に腕前を披露する遊びとして行ったのが、ロデオ。
そのためロデオ競技はカウボーイの仕事を模した内容がほとんどなのです。
当初は腕自慢、度胸試しの遊びだったのですが、事情を変えたのは19世紀末の有刺鉄線の発明。
フランスで1965年に発明されて1874年にアメリカでその改良型が発明されると、牛を原野で放牧せずに有刺鉄線で囲い込むようになり、カウボーイの仕事が激減したのです。
そこで高い技術を持ったカウボーイはその技を見せ物にして稼ぐように。20世紀に入ると厳密なルールが定められ、競技となっていきました。
そしてついにはプロスポーツ化。
現在では大きな大会の賞金総額は約1億円以上となり、強い牛や馬のオーナーにも多くのレンタル料が入る一大産業になっています。
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【ロデオ】魅力
日本ではあまり馴染みのないロデオ。
しかしもしアメリカに旅行に行き、現地でイベントが開催されているようなら、ぜひ観戦することをお勧めします。
ではロデオの魅力とはいったいどこにあるのでしょうか。
カウボーイのテクニック
日本で見られる乗馬といえば、乗馬クラブや競馬が一般的。速くて優雅ですが、ロデオではそれらとはまるで違うワイルドな乗馬技術を見ることができます。
特にラフストックに登場する馬は気性の荒い暴れ馬ばかり。
素人では1秒乗り続けるのも難しいと言われるほどで、それを見事に乗りこなす技術はカウボーイだけのものです。
またタイムイベントではカウボーイが昔から行ってきた荒々しい仕事を見られるのも魅力。
投げ縄や牛を引き倒す技、縛り上げる技術など、見事なテクニックに驚くに違いありません。
カウボーイ・カウガールファッション
ロデオの競技者はカウボーイファッションに身を包むのが伝統。
観客の多くもカウボーイやカウガールのファッションを着て楽しみます。
この日本人から見ればコスプレのようなファッションもロデオの見どころ。
アメリカにはカウボーイファッションの専門店がたくさんあり、普通に買うこともできますから、ジーンズとカウボーイブーツ、カウボーイハットなどを買っていっしょに楽しむのもお勧めです。
お祭り騒ぎ
ロデオはもともと見せ物のイベントとして始まっただけに、大会は競技を見るだけでなくお祭り気分で楽しめるものになります。
競技の合間にはロデオクラウン(ピエロ)のショーがあり、会場の周りでは伝統的なバーベキューの出店も。
競技に集中するというよりは、ワイルドなアメリカ料理を楽しみながら雰囲気自体を楽しむ大会となります。
まとめ
日本ではまず見ることができないロデオ。
それだけに本場アメリカで観戦することができれば貴重な思い出になるはずです。
カウボーイ、カウガールファッションで大会を観戦すれば、西部劇気分も満喫できるはず。
アメリカ旅行の機会がある方は、旅の目的の一つとしてぜひロデオ大会も検討してみてください。
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